サボテンのトゲは生え方がいろいろ!
まっすぐな稜に生えるトゲ
柱サボテンでは、まっすぐな稜にトゲが生えます。画像の「弁慶柱(べんけいちゅう)」のトゲは密です。しかし「竜神木(りゅうじんぼく)」「福禄竜神木(ふくろくりゅうじんぼく)」のようにトゲがまばらなものもあります。
らせん状の稜に生えるトゲ
美しくらせんを描く稜に生えるトゲは印象的です。このようなサボテンには、アストロフィツム属「瑞鳳玉(ずいほうぎょく)」や「般若(はんにゃ)」があります。
さざ波状の稜から生えるトゲ
さざ波を思わせるような細かい稜に生えるトゲが、独特な雰囲気をかもし出す品種もあります。画像はエキノフォスロカクタス属の「縮玉(ちぢみだま)」です。こちらは強刺タイプですが、短刺タイプやトゲのないタイプもあります。
イボの先に生えるトゲ
イボ型サボテンでは、イボのてっぺんにトゲが生えます。金平糖にトゲが生えたような画像のサボテンは、マミラリア属の金洋丸(きんようまる)です。
全体を覆うように生えるトゲ
紅小町が咲きました。
— sanSAN (@vale0907cf2) May 1, 2016
今年、苗を植えたばかりなのに成長早いぞ!#サボテン #ノトカクタス #花 #ガーデニング pic.twitter.com/TlEermi7LN
トゲが全身をびっしりと覆うサボテンは、トゲがまばらなサボテンよりも、厳しい環境に適応してきたといわれます。花サボテンと呼ばれるノトカクタス属の「紅小町(べにこまち)」もそのひとつです。蕾も白い毛に覆われて保護されており、大きくて華やかな花を複数つけます。
サボテンのトゲは形もいろいろ!
サボテンらしい強いトゲ
まっすぐに伸びた硬いトゲに、サボテンらしさを感じる方も多いでしょう。強刺類(きょうしるい)とも呼ばれる、エキノカクタス属やフェロカクタス属のサボテンは、強いトゲを持っています。画像はサボテンの王様との呼び声が高いエキノカクタス属の金鯱(きんしゃち)です。花をつけるまでは20年以上が必要だといわれます。
太くてしっかりしたも強いトゲです。画像は「綾波(あやなみ)」で、以前はホマロケファラ属に分類されていましたが、現在ではエキノカクタス属とされています。原産地のアメリカやメキシコで生息している綾波はほとんどが地面にうずもれ、頭とトゲが地表に出た状態です。馬が踏むとトゲが刺さって歩けなくなるとして「Horse crippler」と呼ばれます。
長いトゲ
画像のサボテンは長いトゲが魅力の、フェロカクタス属の鯱頭(しゃちがしら)です。「フェロ」は諸説ありますが、「ferus(獰猛な)」あるいは「ferox(激しい)」、「ferocious(恐ろしい)」に由来するといわれます。強い光と昼夜の温度差がないとトゲが短くなっていくため、トゲの意味と役割を実感できるかもしれません。
短いトゲ
はてなブログに投稿しました
— cactuspower (@cactuspower3) December 10, 2019
大仏! - cactuspower サボテン日記 https://t.co/Nf9p1fx4rw '' #はてなブログ#サボテン #エキノケレウス #大仏殿
トゲが短いサボテンもあります。エキノケレウス属の「大仏殿(だいぶつでん)」や、エキノプシス属の「短毛丸」などです。
日本の改良品種である「緋牡丹(ひぼたん)」も、トゲは短いほうかもしれません。カラフルで鮮やかなサボテンに白いトゲがちょびちょびと生えて、かわいらしい印象です。
返しがついたトゲ
ウチワサボテンのトゲには小さな返しがついています。それはふわふわのウサギのように見える「バニーカクタス」でも同様です。一見、やわらかいトゲのように見えますが、目に見えないほどの返しがあり、折れやすい特徴があります。肌や服に刺さるとなかなか取れずにチクチクするため注意が必要です。
かぎ状のトゲ
咲きそうで…なかなか咲きません(笑)#サボテン #マミラリア #月影丸 pic.twitter.com/APjPeP5e7e
— cactuspower (@cactuspower3) April 9, 2019
先がかぎ状になっているトゲもあります。例えばマミラリア属の「月影丸(つきかげまる)」です。衣類にトゲの先のかぎが引っ掛かると、「ひっつきむし」のようにくっついてきてしまいます。
ヒトデのようなトゲ
2018.12→2019.12#ギムノカリキウム #海王丸 #サボテン pic.twitter.com/UpmTDWGww2
— 半袖 (@nanisama_kun) December 22, 2019
ギムノカリキウム属の「海王丸(かいおうまる)」のトゲは、ヒトデのような形です。カールしながらサボテン表面にへばりつくように伸びるトゲの姿は、唐草模様のようでもあります。
色鮮やかなトゲ
赤、白、黒、黄、紫など、色が鮮やかなトゲもあります。同じ品種でトゲ色が違うものもあるため、お気に入りのサボテンがあれば探してみるのもよいでしょう。画像はマミラリア属の「金手毬」です。このようなサボテンは、寄せ植えのアクセントカラーとして使うとよいかもしれません。
白く細かいトゲ
身体全体を細く白いトゲに覆われたものもあります。小型で白く丸いフォルムは人気があり、寄せ植えにも向いている品種です。画像はマミラリア属「玉翁(たまおきな)」で、小さな花を花輪のようにつけます。
毛に変化したトゲ
全身をふわふわの毛に覆われたサボテンもあります。これらのサボテンは冬の寒さや夏の強い陽射しをさけるために、トゲを毛に変化させたのです。ぬいぐるみのようで触りたくなりますが、中にトゲが隠れているので注意しましょう。
なくなったトゲ
トゲのないサボテンもあります。こちらはロフォフォラ属の「烏羽玉(うばだま)」です。刺座から羊毛束を生やしています。肌はやわらかくもちっとした触感です。
アストロフィツム属の「兜(かぶと)」もトゲがありません。散りばめられた白い斑点が星空のように見えるので、「有星類」と呼ばれます。
黒牡丹 アリオカルプス ロゼオカクタス
— ドワーフ (@mahiro99945071) December 16, 2019
数あるサボテンの中でも、成長が最も遅い種類の一つ。
葉ではなく、茎が変形したイボだそう…イボ❗️#植物#サボテン#黒牡丹 pic.twitter.com/8vPV3BwhFi
ロゼッタ型サボテンは最も進化が進んだサボテンのひとつです。トゲがなく多肉植物のように見えますが、刺座があります。例えばアリオカルプス属の「黒牡丹(くろぼたん)」や「玉牡丹(たまぼたん)」などです。
ボタニ子
環境に合わせて変化してきたトゲが、なぜなくなってしまったの?これでは身を守れないんじゃないの?
ボタ爺
心配ご無用じゃ。トゲのないサボテンは、硬い表皮を持ったり、毒性のある物質を含んだりして、身を守るのじゃよ。
サボテンのトゲを楽しもう
サボテンがトゲを持つようになった理由や、サボテンのトゲの種類を見てきました。サボテンのトゲは変化に富み、個性的です。刺さると痛いですが、サボテンのトゲに魅せられる方も増えています。トゲと美しい花とのコラボレーションも魅力的です。油断することなく上手にトゲと付き合って、サボテンのトゲを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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出典:写真AC