じゃがいもの栽培方法(植え付け)
種イモの植え付け ~ 「とうや」の発芽のコツは?
春作用のじゃがいもの種イモは2月に入る頃に、秋作用の種イモは8月前後より市販されはじめてきます。おおよその植え付け日を決めたら、それに合わせて準備開始です。種イモについては、芽の状態をよく観察しましょう。植え付けのタイミングで5mm以上は芽が出始めているとその後の生育も順調になります。発芽の適温は20℃前後とされています。秋作植えの場合は気温が高い季節のため発芽を心配する必要は小さいですが、逆に30℃を超えてくると生長が鈍ってしまいます。種イモを保管する場所は直射日光が当たらないように気を付けましょう。
植え付けの手順
じゃがいも全般の種イモを植え付ける際の、基本的な流れになります。
- 植えたときに芽が上にくるように、種イモを半分に切ります(だいたい芽の数が同じになるラインで等分に切りましょう)。
- 切った断面を日陰で干すか、草木灰をつけます(湿った状態のままだと、腐りやカビの発生の原因になるため)。
- 切った断面が下になるように、芽が上を向くように畝の掘り下げた部分におき覆土します。
- 定植日はきちんとメモしておきましょう。100日後が収穫の目安です。
秋作の植え付けのポイント
- 秋作の植え付けは適期を守りましょう。早すぎると高温すぎて、種イモに病気が発生する可能性が出てきます。
- 秋作の種イモはSサイズ(40グラム未満)であれば切らずに植え付けできます。切らないことで断面の腐りが防げます。
「とうや」の種イモは密植気味に定植するのがポイントです。離しすぎると肥大が促進されすぎる傾向にあり、また秋作では春作よりも高温期になるので芽が出にくいです。そのため、春作で栽培するじゃがいもよりも株間を狭めると発芽が早まります。
じゃがいもの栽培方法(生育中の管理)
じゃがいもの生育中は、①芽かき、②土寄せ、③追肥、④摘花を、適宜おこなっていきます。
芽かき
ひとつの種イモに芽が複数ある場合には、数本の発芽があります。そのままにしておくと、小玉のじゃがいもばかりが出来てしまうので、健康に生長している芽だけを残し、他の芽は取り除きます。なお、不要な芽をつかんで引っ張るだけだと、種イモごと土中から出てしまう恐れがあります。片方の手で茎の根元を上から押さえつけるようにして、芽かきをしてみてください。
土寄せ
生育中のじゃがいもは、植え付けた種イモよりも上にできます。また。雨や水やりにより表面の土が流れて、じゃがいもの頭が地上に見えてきてしまうことがあります。じゃがいもは直射日光にあたると、その部分が緑色に変色してしまいます。放っておくと、ソラニンという毒素が発生する場合があります。根元は定期的に確認して、じゃがいもが見えるようなら土寄せ=覆土をして隠すようにしましょう。
追肥
追肥のタイミングとしては、芽かきを終えて草丈が15cm~20cmになる頃です。もともと肥料は少なめが良いので、カリ成分のある肥料を与えるとよいでしょう。草木灰と化成肥料(または少量の油粕など)でかまいません。1回目は畝の肩あたりに、2回目をする場合には株のそばに施用しましょう。
摘花
じゃがいもの花は薄紫色で見た目にきれいですから、そのままにしておきたいところですが、じゃがいもの栄養分が開花のエネルギーに使われてしまうので、花は惜しまれつつも摘んでください。
じゃがいもの栽培方法(収穫)
さて、いよいよ収穫ですね。秋作のじゃがいもは11月中旬頃から収穫適期になります。ここでは、じゃがいも掘りの時期ややり方をご紹介します。
収穫の時期やタイミング
11月も後半になると空気は乾燥し、気温も低くなります。春作ほど気をつかうことはありませんが、腐らせないように天気のよい日を狙って収穫をします。収穫予定日になっても、雨天時や土に水分が多い場合は収穫は控えましょう。作業もしにくいですし、2~3日晴天が続いている日を見計らって収穫しましょう。
収穫は天気と相談
花が咲き終わり、茎や葉が黄色く枯れ始めたら収穫の合図です。天気予報をチェックして、まだ枯れていないのに霜が降りそうな気配があれば、不織布を被せるなどして霜対策をしておきます。収穫予定日の前日には試し掘りをしてみましょう。
掘り方
収穫は茎を中心として直径30~40㎝の距離をとって、スコップで掘り周りの土をほぐしていきます。スコップを斜めに刺すとじゃがいもを傷つけてしまうかもしれないので、なるべく垂直に入れるようにしましょう。
じゃがいもの収穫後の保存方法
収穫後のじゃがいもは土から出てきたばかりで、直射日光に長い時間あてておくと腐りやすくなったり、傷んだ場所に毒素が発生する原因になります。日陰で風通しのよい場所で乾燥させるようにしましょう。
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出典:写真AC