ノヴァーリスとは
ノヴァーリスとはどんなバラ
最強の新品種の青バラです。登場してから10年近くたちますが、現在でも一番強健な青バラです。名前は小説「青い花」の作者の名前からつけられました。
- 2010年 ドイツ コルデス社作出
- シュラブ系統
- 紫系青バラ
- カップ咲きで中大輪、微香性、四季咲き
- 樹高1.4m、樹性は強く、病害虫に強い
- 暑さには少し弱いですが、寒さには強い
ノヴァーリスや青バラの特徴は
「ノヴァーリスは最強の青バラ」ですが、ノヴァーリスって青くない、と感じる人も多いでしょう。そもそも青バラとはどんなバラでしょうか?そして、どんな特徴があるのでしょうか?
青バラとは
青バラは赤紫系~藤色系~紫系~灰紫系~青紫系の全てをの花色を含みます。そしてブルーローズ特有の香りがするのも特徴です。青バラは全般的に育てづらく、病気にも弱く、樹勢もあまり強くないバラが多いです。なのでバラの生育に慣れた上級者向けのバラです。
青バラは存在する?
残念ながら本当に青いバラは存在しません。バラの花には青の遺伝子がないからです。遺伝子の組み換えや染めなおしたりすると可能ですが、普通に交配するだけでは青くなりません。市場に出回っている青いバラは、遺伝子を組みかえるか、染めるかのどちらかの方法をとっています。
青バラの花言葉は
本当の青バラを作り出すことは、バラの育種家の夢ですが、現時点ではできません。一番青いと言われるバラ「青龍」は、種ができず挿し木や接木をしないと増やせないのです。つまりそれ以上の交配ができないと言うことです。従って、花言葉は「不可能」です。
ノヴァーリスの特徴は
花色はどちらかというと紫系(ラベンダー色)です。樹形もしっかりとしています。青バラの特徴であるブルーローズの香りはほとんどありませんが、四季咲きなので屋外では真冬を除いた3シーズンの間しっかり花は咲き続ける、非常に育てやすいという特徴があります。ノヴァーリスは植え付けてすぐから写真のような花が咲き、強剪定をほどこしても2m近くまですくすく育つという最強健種の一つなので、おすすめできます。
ノヴァーリスを育てる難易度は?
四季咲きの強健種といっても新品種で青バラなので初心者には難しそう、と考えがちです。が、ノヴァーリスは初心者にも育てやすい品種です。病気や害虫の対策も含めてみてみましょう。
初心者でも植えやすい?
生育はよいノヴァーリスですので、初心者でも簡単に育てられます。どんどん新芽が上がってきて、その先に5~6個のつぼみをつけます。花後切り戻せばまた芽吹き、花が咲くという完全四季咲きのバラです。ただ、棘はしっかりついているので、剪定の際には十分ご注意くださいね。
ノヴァーリスの育て方
初心者にも育てやすいノヴァーリスですが、病気や害虫の対策や季節ごとの手入れをした方がさらにしっかり生育します。水遣りは、地植えの場合は植え付け時のみ、鉢植えの場合は表面が乾いたらたっぷりやりましょう。そして肥料は一月に一度、緩効性肥料を与えましょう。ただしつぼみが色付いてきたら与えなくて大丈夫です。
植え付け
鉢植えの場合
深めの鉢を用意し、鉢の底には鉢底石をたっぷりと敷きます。次にポットから苗の根鉢を崩さないように取り出し、高さを調節しながら鉢に置きます。最後にバラの用土を周りにいれ、おさえつけずにふわふわのままの状態で緩効性肥料を土の表面にまき、鉢底から流れるぐらい水をやりましょう。
地植えの場合
大き目の穴を掘り、底に石を敷きます。その上に根に触れないように有機肥料を入れ、掘り起こした土にバラの用土と混ぜて肥料の植えに戻し、ポットから根鉢を崩さないように抜いた苗を置きます。周りにバラの用土を入れ、緩効性の肥料をまき高めの畝を作った後、たっぷり水をやります。
ノヴァーリスの季節別の手入れ方法
春の手入れ
ぐんぐん芽吹き大きく成長し、花を咲かせます。花後は花がらを切り落とし、樹形を整えます。月に一度の追肥をやります。また、病気や害虫の予防のため、定期的に殺菌剤た殺虫剤の散布もします。
夏の手入れ
四季咲きなので夏場も花が咲きます。樹性が弱くならないようになるべく咲かさないようにした方がいいです。そして強健種のノヴァーリスですが、夏場高温障害を起こすことがあります。夏場に新芽が黄色くちぢれて成長が止まります。ただし枯れこんだりすることはありません。夏の終わりの秋剪定の時に、その下で剪定するとうまく新芽が新しく芽吹きます。剪定の後は忘れずに肥料をやりましょう。
秋の手入れ
気温が下がってくると、元気を取り戻しぐんぐん芽吹き、花を咲かせます。春先よりこっくりとした花で、色も濃い目です。花持ちもよいので、長く楽しめます。春先と同じように、花が終わると花がらを切り落とします。月に一度の追肥も新芽やつぼみの生育が止まるころまでやりましょう。
冬の手入れ
冬場生育が止まった時に剪定をします。全体が半分から1/3位の高さになるように切ります。外芽の上を斜めに切るとよいです。枯れ枝や込み入っている所、またよいシュートがでなかった古い枝などは元から切り落とします。浅く剪定すると早めに開花し、花数も多いですが、深く剪定すると遅めに開花し、大きい花が少なめに咲きます。生育していなくても乾燥しやすいので、土の表面が乾いていたら、数日に一度水をやりましょう。
ノヴァーリスの病害虫対策
ノヴァーリスはうどん粉病に強く、黒星病にもかかりにくい品種です。害虫にも強いですが、アブラムシやチュウレンジバチの幼虫、ゾウムシ等、他のバラにもつく虫には注意が必要です。対策としては定期的な薬剤散布を行うことです。
まとめ
「新品種」として産み出されてはや10年近くたったノヴァーリスですが、いまだにこれ以上に強健種の青バラはありませんし、経験上「青バラならノヴァーリス」「何かバラを植えてみたいのならノヴァーリス」とアドバイスするのも変わりません。植えている人、鑑賞する人の両方から愛されるノヴァーリス、ぜひ育ててみてくださいね。
出典:筆者撮影