ミニバラとは
小さくてもボリュームのあるミニバラは、庭植えもできますが鉢植えで育てるのがおすすめです。寄せ植えや多色植えをお部屋で管理すれば、切り花よりもずっと長く楽しめて、次々に花が咲くため世話のしがいもあります。かわいいミニバラを寒い冬も長く楽しむための植え替えのコツを、わかりやすくご紹介します。
ミニバラと薔薇の違い
お花もお世話もコンパクトに楽しめる、それがミニバラの最大の特徴です。ミニバラの系統は、四季咲きで低木のブッシュ系です。四季咲きとは春〜秋に繰り返し花を咲かせるタイプで、1mぐらいの低木になります(庭植えではもっと高くなる)。ブッシュ系は剪定で株を整える品種のことです。
ミニバラの品種
ポールセンローズ
- デンマーク生まれの室内向き品種
- 病害虫に強く、初心者にも育てやすい
グリーンアイス
- クリームからグリーン系に変化する爽やかな色味が人気
- 病害虫に強く、育てやすい
詳しくは、こちらの記事もどうぞ!
姫バラ・ワンダーファイブやほほえみルージュ
- 1cmくらいのとても小さな花をたくさん咲かせる、屋外向きの品種
- ピンク系のワンダーファイブ、赤ピンク系のほほえみルージュ
インフィニティローズ
- 花の大きさ約5〜6cmとボリュームがあり、長く咲くのが特徴
- 室内でも屋外でも丈夫で育てやすい
ミニバラのお手入れカレンダー
ミニバラのお手入れを月ごとに確認できるお手入れカレンダー、植え替え以外の日々のお手入れにも。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え替え | ★ | ★ | ★ | ★ | ☆ | |||||||
植え付け | ☆ | ★ | ★ | ★ | ★ | ☆ | ☆ | |||||
開花期 | ☆ | ☆ | ☆ | ★ | ★ | ★ | ☆ | ★ | ★ | ☆ | ☆ | |
剪定 | ☆ | ☆ | ★ | ☆ | ☆ | ★ | ||||||
肥料 | ★ | ★ | ★ | ★ | ☆ | ☆ | ★ | ★ | ☆ |
ミニバラの植え替え方法
植え替え手順①用意するもの
- ミニバラは、毎年の植え替え(土の入れ替え)がおすすめ
- ポット…プラ鉢、素焼き鉢、陶器鉢など、3〜3.5号のポット苗には、4〜5号の鉢が最適
- 鉢底石…水はけをよくし、根腐れを防止、陶器鉢には鉢底ネットも必要
- 用土…花の培養土、ミニバラの土も最適(ブレンドする場合は、赤玉土の小粒を主に腐葉土・ピートモスとバーミキュライトかパーライトを混ぜ込む)
- カバー材…バークチップがあると、泥はねせず衛生的
- 土入れやビニール手袋・軍手などもあると便利
植え替え手順②土の入れ替えと根っこの整理
根が貧弱な挿し木苗の植え替えのやり方は、表面の余分な土を落として根鉢は崩さずにそのまま植え付けるのがポイントです。逆に根鉢がびっしり成長した株を植え替えるやり方は、根をほぐして茶色く傷んだ根をカットしてください。真っ白く元気な根を残して株分けもできます。なるべく古い土を落として、新しい土に入れ替えましょう。
植え替え手順③剪定と葉の整理
葉が黄色く枯れたところを剪定しましょう。成長して葉が密生してくると蒸れたり日影になったりして、黄色く枯れることがあります。一度黄色くなった葉は元に戻らないため、植え替えのタイミングでスッキリと剪定しましょう。春の剪定のやり方は枝が混み合っているところや内側を向いている枝をカットして、全体を形よく整えるのがおすすめです。秋は剪定せず冬に葉が落ちてからでも大丈夫です。
植え替え手順④植え付けとその後の管理
鉢底石と用土を入れて苗の高さを確認しながら、用土を入れて植え付けます。やり方のコツは一通り土を入れたら棒を差し込んで中の空気を抜き、根鉢の間に新しい土がしっかりと入るように上からもよくおさえましょう。土の表面に水やりして、土が減るようなら足し入れます。カバー材で表面を覆ったら、病害虫予防に殺虫殺菌スプレーをかけて明るい日陰に置きます。肥料は植え付け3週間後から液肥を入れ、固形肥料は植え付け1カ月後から与えましょう。
ミニバラの植え替えのコツ
ポット苗を鉢植えにするコツ
ミニバラのポット苗は縁まで土が目一杯入っており、そのまま水やりしても根まで栄養が届かないため、なるべく早く植え替えるのがコツです。一つのポットに3〜4本の挿し木が植わっていますが、根鉢を崩さず植え替えましょう。真夏以外ほぼ一年中園芸店で見かけますが、鉢に植え替えるのは春と秋が最適な時期です。
庭植えを鉢植えにするコツ
秋の鉢上げはなるべく早めに行うのがポイントです。一部の品種をのぞいて、ミニバラは寒冷地では冬越しできません。鉢のサイズより一回り大きめに切り戻し、根を崩さず植え付けたら殺虫殺菌スプレーをかけて、しばらく屋根下や軒下に置いて様子を見ます。枯れることなく根付いていれば、夜は室内に取り込んで徐々に環境に慣らしていきます。切った花や蕾は花瓶で楽しみましょう。
鉢植えを室内で育てるコツ
ミニバラを室内で元気に育てるコツは、日当たりです。夏以外は、ガラス越しに日が当たる明るいところに置きます。水やりは葉先が少し下向きになってから、たっぷりとあげましょう。乾燥する時期は葉水(霧吹き)もしてください。蕾が付いている間は、1〜2カ月に一度の固形肥料と液体肥料や活力液の併用もおすすめです。
まとめ
寄せ植えや多色植えにしてもかわいいミニバラを、より長く元気に育てる『植え替え』のコツをご紹介しました。葉っぱが枯れることなく元気に冬越しできる鉢植えに、植え替えは欠かせない作業です。花と緑のある暮らしに、コンパクトで華やかなミニバラを迎えてみてはいかがでしょうか。
出典:BOTANICA