グラハム・トーマスってどんなバラ?
グラハム・トーマスはデビッド・オースティンが生み出したイングリッシュローズを代表するバラです。愛好家なら誰もが知っているといっても過言ではないほど有名であり、オースティンの友人で園芸家のグラハム・トーマス氏の名前に由来して命名されました。香り高く美しいバラで、2000年にはバラの殿堂入りも果たし、これから先もずっとバラ愛好家から憧れられ、そして、最高品種として称賛され続けるバラに違いないといえるでしょう。
グラハム・トーマスの特徴は?
花の色
咲き始めはオレンジ色のような濃いイエローで、咲き開くにつれ柔らかい色合いに変化するのが特徴といえます。黄色い花が庭にあると明るく華やかな雰囲気になりますね。
花の形
大きくも小さくもなく、ほどよい中輪のカップ咲き品種です。咲き始めは中心に花びらが集まり、乙女のような初々しさがあります。どんどん開いていくと花びらが幾重にも重なって、美しい花姿へと変化していきます。
花の香り
ほんのりとティー系の香りがして、まさに英国らしさを漂わせています。品種によってさまざまな香りがあるのも、イングリッシュローズの特徴。庭から漂う甘い香りは心を癒してくれますよね。
背丈
カタログには1.25m~3.5mと記載されていて、地植えはもちろん、鉢植えやアーチにしても、美しいローズガーデンを演出できます。うまく剪定することで、植える場所やスペースに合った好みの高さに仕立てられるので、剪定や育て方についてはまた後ほど紹介しましょう。
グラハム・トーマスの育て方は?
バラの育て方は難しいのでは…?という声を耳にしますが、イングリッシュローズには育てやすい品種もたくさんあります。アーチ仕立てで、または鉢植えで、初心者でも美しい花を咲かせることができるように、育て方のポイントをご紹介しましょう。
用土
バラを育てるのに適した土は、
- 保水性があること
- 排水性がいいこと
- 通気性がいいこと
植えつけ
バラが休眠する1月から3月の冬場が植えつけのベストシーズン。植え替えもこの時期に行います。穴を大きく深く掘って、元肥を入れましょう。根が直接肥料に触れないように少し土を入れて埋め戻し、根が開くようにしながら株を置きます。少しだけ株の根元の部分が地面から上になるように土を入れることが大切です。
芽かき
芽かきとは、たくさん出てくる新芽を間引きすることです。(間引き:少数の苗を残して残りを抜いてしまう作業)どれもかわいい芽で残しておきたい気持ちは山々ですが、心を鬼にして取り除くことで花つきに違いが出てきます。同じところから複数出ている芽、地面近くの低い位置に出ている芽、などを取ってスッキリさせましょう。
水やり
冬場はほとんど水やりの心配はいりませんが、芽が出ていよいよ花が咲きだすと水やりも必要になってきます。特に夏場は注意が必要です。地植えは大丈夫ですが、鉢植えは真夏だと一日数回やらないとぐったりしてしまうことも…。必ず朝夕の涼しい時に、花や葉にはかからないように根元にたっぷり水をあげましょう。
花摘み
せっかく咲いた花だからいつまでも見ていたい…という気持ちはわかりますが、バラにとって花を咲かせることはもっともエネルギーのいることです。体力を消耗させないためにも、遅くても9分咲きになったら摘みましょう。
肥料
肥料はじっくりと効いてくれる有機肥料を使いまょう。バラ専用の肥料も市販されているので、元肥にも追肥にも使えて便利です。たっぷり肥料を与えておくと、とてもいい香りで美しい花が咲き続けます。追肥は2~3か月に一回程度、地面に撒くだけでも十分効果があります。11月になったら「お疲れさまでした」の気持ちを込めてお礼肥えをあげましょう。
次のページは、剪定について!
グラハム・トーマスの剪定は?
グラハム・トーマスの特徴は、剪定の仕方で1mほどの高さでコンパクトにも、または伸ばしてつるバラとして育てることもできることです。鉢植えにしたいとき、バラのアーチにしたいとき、ここではそのコツと剪定の時期についてご紹介します。
鉢植えでコンパクトにしたい
限られたスペースに植えたい、またはベランダなどで鉢植えで楽しみたい、というときには低めでボリュームある樹形にします。目安としては地面からひざ下の高さで枝を切るといいでしょう。また、中央の一番太い枝を根元から切るのも横から新しい枝が出やすくなる方法のひとつです。
アーチやオベリスクなどでつるバラとして育てたい
アーチやオベリスクに絡ませて豪華にするためには剪定はゆるめに。昨年伸びた新しい枝にたくさんの花をつけるので、古くて固い枝だけをカットします。また、バラは枝の先端に新芽をつけるという特徴があるので、できるだけアーチに沿って枝を地面と水平に誘引しましょう。そうするとたくさんの芽が出てきて、春には花がアーチ全体をおおうようになります。
剪定に適した時期
剪定は1年に2回、12~2月の冬剪定と8月下旬~9月上旬の夏剪定です。冬の剪定は来春のため、夏の剪定は秋に咲く花のために行います。
出典:筆者撮影