女優など有名人の名前が使われたバラ一覧！花の特徴と人物について解説

バラは古くから人々に愛されてきた植物で、品種改良によって多くの種類や品種が生み出されてきました。現在も毎年新しい種類・品種が作出されています。新種のバラには名前がつけられますが、つけ方に特別なルールはありません。しかし、名前はバラのセールスポイントにもなる重要な要素です。バラのイメージを高めるために、よい名前が求められます。

新種のバラの名前には、人名がつけられることがあります。これはバラが個人に捧げられたり、何かの記念にちなんで名づけられたりすることが多いからです。このほかにも、バラの作出者が家族や友人の名前にちなんでつける、または好きな作品に登場する架空の人名をつける場合もあります。興味をひかれる名前があれば、由来を調べてみると面白いですよ。

晴世の名前の由来は、作出者の鈴木省三氏の妻である晴世夫人です。金婚式を記念して晴世夫人に捧げました。妻の名を冠したバラとは、まさにバラ育種家らしい贈り物といえるでしょう。鈴木省三氏はバラの育種にとどまらず、日本のバラ関連事業の育成にも大いに貢献したことから「日本のバラの父」「ミスターローズ」とも呼ばれています。

マイレイコは、作出者寺西菊雄氏の妻の名前からつけられました。その後、美しさと優秀な性質が国際的にも認められたため、2006年に大阪で開催された「世界バラ会議大阪大会2006」のシンボルローズに選ばれます。このことを記念して「ローズオオサカ」という名前が新たにつけられました。現在は「ローズオオサカ」の名前で流通していることが多いです。

グラハム・トーマスの名前の由来は、イギリスのバラ栽培家兼ガーデンライターのグラハム・トーマス氏です。トーマス氏はオースチン氏にバラの育種についてのアドバイスを送り、励ましていました。オースチン氏はトーマス氏の恩義に応えるため、新しく作ったバラを彼に捧げることを決めます。そこで新しく作出した新種類のバラのなかから、トーマス氏自身に選んでもらったのがこのバラです。

エレーヌ・ジュグラリスの名前の由来は、フランスの女性舞踊家エレーヌ・ジュグラリス氏（1916～1951）です。エレーヌ氏は理想の舞踊を求め研究し続け、日本の能楽にたどり着きました。なかでも天女伝説を元にした演目「羽衣」に魅せられた彼女は、独学で研究し舞台公演に全力をそそぎます。やがて各地で公演を行えるほどの成功をおさめましたが、白血病によって若くして世を去りました。

天津乙女は、宝塚女優の天津乙女氏（1905～1980）に捧げられたバラです。天津乙女氏は「宝塚の至宝」と称されたほどの大女優で、のちに宝塚歌劇団理事も務めています。2014年には生前の功績を称えられ、タカラジェンヌの殿堂入りを果たしました。芸名は「小倉百人一首」の僧正遍照の歌「天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ」に由来しています。

プリンセスアイコは、天皇陛下の第一皇女子である敬宮（としのみや）愛子内親王に捧げられたバラです。2001年12月に愛子様が誕生されたことを祝い、この名前がつけられました。プリンセスアイコが作出・発表されたのは2002年ですが、2001年度の日本バラ会国際コンクールで銅賞を受賞しています。

プリンセスミチコは日本の皇族である美智子上皇后陛下（作出年当時は皇太子妃）に捧げられたバラです。バラの美しさと優秀さもあって、大変な話題を呼びました。プリンセスミチコを作出したディクソン社は、1992年にも「エンプレスミチコ」というバラを上皇后陛下に捧げています。

トットちゃんは芸能界の大御所タレントの黒柳徹子氏に捧げられたバラです。「トットちゃん」は黒柳氏のニックネームで、累計800万部を記録した大ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」のタイトルにもなりました。黒柳氏は芸能界で司会者、女優、声優、エッセイストと幅広く活躍するかたわら、ユニセフ親善大使など福祉活動にも力を注いでいます。

プリンセステンコーは、女性イリュージョニストの二代目引田天功氏に捧げられたバラです。別名を「プリンセス・テンコー」といい、大がかりな脱出イリュージョンを中心とした公演を世界各地で展開しています。引田氏は神秘的な美貌と華麗なイリュージョンで、海外でも人気が高い人物です。アメリカで、彼女をモデルにしたテンコー人形が800万体も売れたなどの逸話も持っています。