バラとは
花の女王、バラ。美しいですよね。春や秋の時期が来れば咲きあふれ、すばらしい香りにも魅了されます。バラとはバラ科バラ属の総称で、もともとは「いばら」が由来です。バラの原種はヨーロッパからアジアまで幅広く分布していますが、ナポレオンの妻・ジョゼフィーヌがバラを収集・育成したことから現在のように多種多様な品種が産まれたといわれています。
バラの種類
現在25,000種を超える品種があり、毎年さらにたくさんの品種が生み出されています。原種を「ワイルドローズ」、1867年に作られた「ラ・フランス」という品種以前からあったばらの品種を「オールドローズ」、それ以後に作られた品種を「モダンローズ」と分けています。オールドローズは一季咲きや二季咲きで香りのよい品種が多く、モダンローズは「HT」「FL」などたくさんの種類があります。ここでは両方を紹介していきます。
オールドローズ
「オールドローズ」の名前の通り、古くからあるバラの種類です。大半が半つるか完全なつる性のばらです。写真のラレーヌビクトリアは珍しい四季咲きのつるバラですが、一季咲きが多いです。また花弁が多く、重たげなカップ咲きで、香りがいいです。さらに急激に大きくならないので扱いやすく、株元からたくさん枝が出てくるので、年数がたっても樹形が美しいのも特徴です。
モダンローズ
「ラ・フランス」以降のバラを「モダンローズ」といいます。剣弁高芯咲きが生み出され、花屋で売られているバラのほとんどがモダンローズです。モダンローズも咲き方で「ハイブリット・ティ(HT)」「フロリダパンダ(FL)」「クライミング(CL)」「シュラブ(SR)」「ミニチュア(MIN)」の5種類にわけられています。それぞれの特徴をみていきます。
ハイブリットティ
ハイブリット・ティは四季咲きバラの系統です。特徴は一つの枝に大輪の花を一輪だけ咲かすということです。「ラ・フランス」が第一号で、急速に広まりました。
フロリダパンダ
フロリダパンダも四季咲きバラの系統です。特徴は一つの枝に中輪の花がいくつも咲くことです。一つ一つの花は大きくなくても、ボリュームがあるので見栄えがよいです。
クライミング
クライミングローズとは、つるバラの事です。枝がどんどん空へ向かって登っていく様子が思い浮かびます。フェンスや壁際に伝わせると豪華です。春にしか開花しないバラも多く、秋のバラを楽しむ事はほとんど出来ません。
シュラブ
いわゆる「半つる」バラです。春のバラも秋のバラも楽しめます。クライミングほど枝はのびませんが、全体的に枝がこんもりと茂ります。背を高くして木立バラ風に、また短めに切ってクライミング風にと育てやすいバラです。
ミニチュア
ミニチュアは、花も株もサイズが小さい品種です。ただ、花は小さ目とはいえ、多花性でボリュームがあります。品種によっては、大き目な花を付けるものもあります。
バラが旬の季節
最近はバラの旬、つまり花が咲く季節は春から秋にかけてです。けれども、よく見ると春しか咲かないものもあり、実際はいつ、どんな風に咲くのでしょうか。
開花する季節はいつ?
バラの咲くパターンとして、3つのタイプに分けています。どんなものでしょうか。
一季咲きバラ
一季咲き、つまり春だけに咲くバラです。先にも書いたように、オールドローズやほとんどのつるバラはこの一季咲きです。
四季咲きバラ
四季咲きバラとは、温度が適温であれば年中花を咲かすことができるバラです。(日本では冬場は寒くて咲かない。)株が弱らないように、夏場は選定して咲かせないようにする事もあります。
返り咲きバラ
返り咲きとはほとんど一季咲きですが、花が咲いた後から伸びた枝からチラホラ咲いたり、株が充実したら時々咲くようなバラのことです。四季咲きバラほどたくさん咲きません。
季節による咲き方の違い
バラの旬はどのタイプのバラも咲く春ですが、返り咲きや四季咲きバラの様に夏や秋も咲くバラもあります。季節によって咲き方は違うのでしょうか。
春のバラの特徴
まさにバラの旬、バラの季節です。春のバラは春先から伸びた青々した葉、溢れるように咲く花は本当に美しく、豪華です。気温の変動の激しい季節なので、気温によって花持ちは変わりますが、花の形、色、大きさなどどれをとってもバランスよく整って、どのバラの花にも目を奪われます。
夏のバラの特徴
初夏に四季咲きと返り咲きバラの2番花が咲きます。最初の花と比べると数も少なく、小さくなります。この時はバラだけではなく、紫陽花やテッセンなどとのコラボを楽しむのも素敵です。真夏の花は、花弁が開ききり、反り返り、さらにすぐに散ります。春先の花とは全然違う花が咲きます。
秋のバラの特徴
秋のバラの特徴です。秋にも四季咲きと返り咲きのバラが咲き、つるバラはほとんど咲きませんが、2度目のバラの季節を迎えます。春と比べると花数はかなり少なめですが、気温が低い中でゆっくり花開くので、花色は濃いめで1輪ずつ味わい深い花が咲きます。
出典:筆者撮影