マラクジャコルダナってどんなミニバラ？花の特徴や育て方のコツは？

マラクジャコルダナは、ドイツのコルデス社が開発・販売しているミニバラです。オレンジと黄色の絞り模様という特徴的な花色が目を惹きます。ミニバラとしては大きな花をつけることとバラらしい優雅な花形で咲くこともあって、鉢植えでも地植えでも華やかな雰囲気を演出してくれますよ。ちなみに名前の「マラクジャ」は、ポルトガル語で「パッションフルーツ」という意味です。

コルデス社は、1887年創業のドイツのバラ育種会社です。コルデス社のバラは美しいだけではなく、厳しい気候にも耐える強健な品種が多いことを特徴としています。「クリムソングローリー」「アイスバーグ」「アンジェラ」などの日本にもファンが多い傑作バラや、「最強の青バラ」と呼ばれている青バラの強健種「ノヴァーリス」も、コルデス社が作出した品種です。

コルデス社は多くのバラを作出していますが、そのなかに「コルダナシリーズ」と呼ばれるミニバラに特化したシリーズがあります。「コルダナシリーズ」のミニバラは多彩な花色と優雅な咲き方を持ち、病気に強く育てやすい強健な品種が多いのが特徴です。マラクジャコルダナも「コルダナシリーズ」に属しています。

マラクジャコルダナの大きな特徴は、黄色とオレンジの絞り模様という珍しい花色です。明るい色彩に個性的な絞り模様というインパクト抜群の花色、花径6cm～8cmというミニバラとしては大輪の花を堂々と咲かせる姿に魅せられる人は多いでしょう。

マラクジャコルダナは、ミニバラのわりに大きな花をつける品種です。しかし、強健なことで知られるコルデス社のミニバラだけあって花枝が丈夫でスッと伸び、倒れることはありません。マラクジャコルダナの花枝は長さもあるので、切り花に向いています。

マラクジャコルダナの育て方は、ミニバラの育て方に準じます。ミニバラとしては大きめに育ち、耐寒性があるため地植えでも栽培可能ですが、管理しやすい鉢植えのほうがおすすめです。植え付けの適期は苗によって異なります。秋に購入する大苗は11月～2月、春に購入する新苗は5月～6月です。

マラクジャコルダナにとって理想的な栽培環境は、日当たりと風通しがよく、雨が当たらない場所です。西日や真夏の直射日光のような強過ぎる日差しや、気温の変化が激しい場所は苦手なので注意しましょう。鉢植えの場合は、夏の間は雨が当たらず、直射日光も防げる場所に移動させると管理しやすいですよ。

マラクジャコルダナが好むのは、水はけがよく有機質を豊富に含む肥沃な土壌です。鉢植え栽培で自分で作る場合は、赤玉土（小粒）7～6：堆肥3～4の割合で作りましょう。下記のような市販のバラ専用培養土もおすすめです。

マラクジャコルダナの水やりは、鉢植えと地植えで少し異なります。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底から水が染み出すくらい、たっぷりと水を与えるのが基本です。地植えの場合は、真夏の乾燥がひどい時期にだけ水やります。マラクジャコルダナに限らず、ミニバラは通常のバラに比べると根の張りが浅いため、乾燥に弱いという弱点があります。水切れしないように注意しましょう。

マラクジャコルダナの施肥は、生育期間中に行います。鉢植えの場合は緩効性化成肥料を1カ月～2か月に1回のペースで置き肥、または7日～10日に1回、水やり代わりに液体肥料を施しましょう。地植えの場合も12月～2月の休眠期、開花時期の5月と10月を除く月に追肥します。月に1回のペースで置き肥、または1週間に1回のペースで液体肥料を施しましょう。

マラクジャコルダナは丈夫なミニバラですが、注意すべき病気や害虫は通常のバラやミニバラと同じです。注意すべき害虫はいろいろありますが、特にアブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ、カミキリムシ、チュウレンジハバチが注意すべき害虫といえます。いずれも放置していると株が枯死してしまう可能性を持つ害虫です。発見次第、早急に駆除しましょう。

マラクジャコルダナの栽培で注意すべき病気は、黒点病（黒星病）とうどんこ病です。どちらも湿気が原因で発生するので水のやり過ぎに注意し、株が蒸れないように込み入った枝は切除するなど、通気性のよい環境を維持できるように管理しましょう。定期的な薬剤散布も効果的です。

マラクジャコルダナの植え替えは、株が休眠する12月～1月が適期です。鉢植えの場合は根詰まりしやすいので、1年に1回のペースで植え替えましょう。古い土を落として根を軽くほぐしてから、新しい土を使って新しい鉢に植え替えます。

マラクジャコルダナの剪定作業は、開花後の花がら摘みと冬の剪定の2種類です。花がら摘みは開花期間中、咲き終わった花を早急に除去します。五枚葉の上で切るのが基本です。冬の剪定は12月～1月に行います。弱々しい枝や混み入った枝を切除し、株全体を1/2の高さまで切り戻しましょう。

マラクジャコルダナに固有の花言葉はありません。しかし、バラは種類や花色によって非常に多くの花言葉がある植物です。マラクジャコルダナでいえば、ミニバラの花言葉、オレンジ色のバラの花言葉、黄色のバラの花言葉、絞り模様のバラの花言葉が該当します。このなかから、好きな花言葉を選びましょう。

マラクジャコルダナは丈夫で育てやすいミニバラです。独特の明るい花色と珍しい絞り模様は、空間を華やかに演出してくれるでしょう。機会があればぜひ育てて、自宅の庭や部屋を美しく飾ってみてくださいね。