ラ・フランスとはどんなバラ?
ラ・フランスはバラの歴史に名を残す名花で、とても人気があります。フランスの国名がそのまま花の名前となったラ・フランスとは、どのようなバラなのでしょうか。バラの歴史の中で革命を起こしたといわれるラ・フランスについて、その特徴や管理のコツなどをご紹介します。
ラ・フランスの特徴
ラ・フランスはうつむき加減にピンク色の大輪の花を咲かせ、大輪にして豊かな香りがあり、バラ好きならば1度は育ててみたい人気のバラといえます。
基本情報
系統 | ハイブリッドティー(HT) |
原産国 | フランス |
作出者 | Guillot(ギョー) |
作出年度 | 1867年 |
樹形 | 木立性(ブッシュローズ) |
樹高 | 1.2~1.5m |
花色 | ピンク |
花の特徴 | 大輪(10cm前後・香りが強い) |
咲き方 | 四季咲き |
ラ・フランスの花の特徴
花びらは雨にも弱いデリケートな一面をもちます。特徴的にくるりと丸まった花びらはややグレイがかったピンク色で、フルーティで蜂蜜のような甘いダマスク系の香りも人気です。ラ・フランスは品種改良に諸説ありますが、公式には「マダム・ファルコ」というティー種の実生とされています。
ハイブリッドティーのバラの原点
1867年にフランスでおこなわれた新種のバラ品評会で優勝したバラが、このラ・フランスです。ラ・フランスは当時のバラにはなかった特徴を持ち、のちに革命的ともいわれるようになるほど鮮烈で新しいバラでした。ラ・フランスの登場は新しくハイブリッドティーというバラの新系統を確立させ、その後の品種改良によってさまざまなバラが生まれるきっかけとなったのです。
オールドローズとモダンローズのバラの起点
ラ・フランスはたくさんのピンク色の大輪の花を咲かせ、ダマスク系の強い香りを放ち、そして初めて「完全な四季咲き性」を備えた画期的なバラでした。そのためラ・フランスを起点として、このバラ以前からあるバラをオールドローズ、のちに作出されたバラをモダンローズと呼ぶようになったのです。どれだけラ・フランスが衝撃だったかよくわかります。
ラ・フランスの育て方
ラ・フランスの育て方は他のバラと特に違いはありません。ハイブリッドティーはバラを主役とした庭づくりにはぴったりの人気のバラです。
基本の育て方
ラ・フランスの育て方は、基本的にはほかのハイブリッドティーと同じです。日当たりと排水、通風のよい場所に植え付けましょう。あまり大きくならないバラなので、鉢植えでも大丈夫です。マンションのベランダでも栽培できるので、「庭はないけれどバラを育ててみたい」という方にもおすすめできます。
用土
鉢植えにするときは、赤玉土7:ピートモス2:パーライト0.5:燻炭0.5の用土を使います。市販のバラ用の培養土を使うのもおすすめです。地植えにするときは深めに穴を掘って、完熟堆肥や油かす、骨粉などの元肥を土に混ぜたものをたっぷりと敷いてから植え付けましょう。
植え付け
地植えにする場合は、10月~2月が植え付け適期です。ポット苗の場合はそのまま鉢土を崩さないように植え付けてください。深めに掘った穴に元肥を入れてから軽く土を戻し、その上に苗を植え付けます。鉢植えの場合は8号ほどの鉢に鉢底土を3cmほど入れてから、地植え同様に根元を崩さずに植え付けてください。植え付けは午前中におこない、植え付け後にたっぷり水やりします。
水やり
地植えのときには基本的に水やりはしなくて大丈夫ですが、植えつけたばかりのときは、土が乾燥していたら晴れた日の午前中に水をたっぷり与えます。発芽が遅れているときにも水やりをするとよいでしょう。鉢植えの場合は乾燥したら鉢底から水が流れ出るまで与えますが、凍結の可能性があるときはコップ1杯だけにするなど少なめに与えます。
追肥
地植えの場合は元肥を与えれば追肥は必要ありません。鉢植えの場合は発芽後から毎月、油かすに骨粉が混ざった固形肥料を11月上旬まで与えてください。目安はキャラメル大の固形肥料を8号鉢で2個です。蕾が出てきたらバラ用の液体肥料も与えるとよいでしょう。地植えの場合も鉢植えの場合も、12月~1月ごろにかけて寒肥として堆肥を用土に混ぜ込みます。
病害虫
バラは病害虫が多い植物のため、薬剤散布が欠かせないとされています。ラ・フランスも病気では真夏以外はうどん粉病が、夏は黒星病が発生しやすいです。害虫も春先からアブラムシやハダニ、マイマイガ、コガネムシ、カミキリムシなど多くつきます。特に9月中旬~10月にはオオタバコガに注意が必要です。薬剤を散布して防除しましょう。
出典:写真AC