世界中で愛されるバラの香り
お祝いの席や女性へのプレゼントに使われる花として、もっとも代表的な花のひとつがバラでしょう。美しくゴージャスな咲きぶりはもちろん、甘く官能的な香りも愛される理由です。「香りのしないバラは笑顔のない美人と同じ」という言葉があるほど、バラにとって香りはとても重要な意味を持ちます。
バラの香りは「香水の砂糖」
バラの香料は、女性用香水の9割以上に使用されているといわれています。においのスペシャリストである調香師の世界でも、バラの香りは「香水の砂糖」と呼ばれるほどです。かのクレオパトラもバラの香りを好んでまとっていたとされます。うっとりするような甘さのある香りは、女っぷりを上げてくれそうですよね。
バラの香りの種類
バラの香りといっても、大きく分けてなんと7つもの分類を持っています。含んでいる香り成分によって分類分けがされていて、香りの持つ印象も非常に多彩です。7つの分類それぞれの名前と、香りの特徴について見ていきましょう。
種類①ダマスク・クラシック
バラのにおいとしてもっとも一般的なのがこのダマスク・クラシックです。古典的で、甘く華やかな香りが特徴。現在流通しているバラにはこの系譜の品種はあまり多くないので、ティーあるいはフルーティー・ノートがやや強く香る傾向にあります。
種類②ダマスク・モダン
ダマスク・クラシックの成分を受け継いだダマスク・モダンは、香りもダマスク・クラシックにやや似ています。ただ成分の含有バランスが異なっていて、ダマスク・クラシックよりも情熱的で、洗練された都会的な香りが楽しめます。
種類③ティー
現代のバラの香りの中核をなしているのがティー・ノートです。中香種のものが多い傾向にありますが拡散性が強く、優雅で品のある香りがあたりに漂います。
種類④フルーティー
ダマスク系、ティー系それぞれの特徴的な成分がバランスよく含有されています。それによって桃やアプリコット、リンゴのようなさまざまなくだもののにおいを連想させるのが、フルーティー・ノートの特徴です。
種類⑤ブルー
青バラ系の品種のほとんどに共通するのがブルー・ノートです。ダマスク・モダンとティーの香りの混ざった、独特の香りが印象に残ります。青い花色のバラはまだ歴史が浅いので、香り成分についても研究が進められているところです。
種類⑥スパイシー
ダマスク・クラシックの古典的な甘さを基調として、クローブ(チョウジ)やカーネーションに含まれる「オイゲノール」という成分を多めに含んでいます。濃厚な甘さと、スパイシーなにおいが特徴です。
種類⑦ミルラ
ハーブのアニスに似ているので、アニス様の香りとも称されます。アニスに比べるとやや甘さは控えめで、若々しく青くさいにおいが強いことが特徴です。
ボタニ子
ボタ爺
次のページでは、それぞれの香りの代表的な品種を紹介するぞ。
香りのタイプには7つもの種類があるんだね!