ナスタチウムは細い茎がつる状に伸び、あざやかなオレンジ色や黄色や赤などのハーブの花を咲かせます。有機種子で栽培すると花もエディブルフラワーとして食用にもなり、マスタードの香りがする葉はサラダやサンドイッチなどにも利用できます。切り戻し剪定をすれば夏の蒸れにも強く、晩秋まで楽しめるハーブです。
基本情報
名称 | ナスタチウム(ナスタチューム) |
和名 | キンレンカ・金蓮花・ノウゼンハレン |
科名・属名 | ノウゼンハレン科・ノウゼンハレン属 |
原産 | ペルー |
形態 | 非耐寒性1年草~半耐寒性(0~3℃で越冬) |
花色 | 赤色・黄色・オレンジ色・クリーム色 |
草丈 | 20~300m(つる性) |
開花期 | 初夏から初秋 |
用途 | 食用(有機種子)・鉢植え・庭植え |
花の特徴
ハーブの花の中でも鮮やかな美花を咲かせるのがナスタチウムです。大きめ(5~6cm)の5弁の花と、はすの葉に似た丸形の濃い緑色は初夏の庭をいろどるハーブとして欠かせません。つる性なのでハンギングバスケットの鉢植えもすてきですし、つるを生かして庭植えにしてもグランドカバーになります。
ナスタチウムの育て方
ナスタチウムの種は大きめでかたい殻におおわれています。水に2~3日浸しておくか、種子に傷をつけると発芽率がよくなります。春の種まきは3月下旬からおこなえます。また秋まきの9~10月で発芽させてあたたかい場所で管理するのもおすすめです。その場合はプランターや鉢植えで、室内か霜が降りない地域であれば軒下で越冬可能です。夏の蒸れをきらうので、梅雨がおわったころには切り戻し剪定を行います。
⑤マロウ(マロー)
マロウはアオイ科の植物で夏の庭でみかけるタチアオイなどの仲間です。タチアオイなどにくらべると草丈が低く、ハーブの花の美しさをたんのうできます。また芳香もあり初夏の庭にぴったりのハーブの花です。マロウブルーとよばれるハーブティーは、お湯を注ぐとブルーに発色するハーブとしてよく知られています。
基本情報
名称 | マロウ(コモン・マロウ)・ムスクマロウ |
和名 | ゼニアオイ・ウスベニアオイ・ジャコウアオイ |
科名・属名 | アオイ科・ゼニアオイ属 |
原産 | 西南アジア・ヨーロッパ |
形態 | 耐寒性多年草 |
花色 | 紅紫色・薄紫色・白色 |
草丈 | 30~150cm |
開花期 | 初夏から初秋 |
用途 | 食用(有機種子)・鉢植え・庭植え |
花の特徴
ムスクマロウ
5~8cm位の大きめのロート形の5弁の花を初夏に咲かせます。葉は円形で10cmほどあり、縁が浅く3~9つに裂けています。コモンマロウとよばれるウスベニタチアオイの花は、咲いた日に収穫してお湯を注ぐとブルーに変わるきれいなハーブティーとなります。ムスクマロウは白色の花で中心部が薄いピンク色になり、初夏の庭の沈殿した空気の中で香ります。
マロウの育て方
マロウは移植をきらいますので、じかに庭植えをするか大きめの鉢に鉢植えをするとよいでしょう。春まきは3~4月で、秋まきは9~10月に行います。耐寒性が強いので鉢植えは軒下などに鉢を置き、庭植えは敷きわらなどで株元を保護するのが安全です。梅雨から夏に入るころに切り戻し剪定をして夏場の蒸れをふせぎます。
⑥センテッドゼラニウム
ゼラニウムやペラルゴニウムなどと同じペラルゴニウム属のうち、葉に香りをもつものを総称してセンテッドゼラニウムとよびます。日当たりのよい乾き気味で肥沃な土地を好みます。肥料切れと寒さや多湿に気をつけると丈夫に育ちます。
基本情報
名称 | センテッドゼラニウム・ローズゼラニウム |
和名 | ニオイテンジクアオイ |
科名・属名 | フウロソウ科・テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属) |
原産 | 南アフリカ |
形態 | 多年草 |
花色 | 淡紅色 |
草丈 | 60~80cm |
開花期 | 初夏から夏 |
用途 | ポプリ・鉢植え・庭植え |
花の特徴
センテッドゼラニウムの葉は緑色で、羽のような切れ込みがはいっています。よく枝分かれして、適地では木質化している場合もあります。別名ローズゼラニウムの通りに、バラに似たよい香りがします。香料用の精油抽出のために古くから栽培されてきました。庭植えするとバラのような香りがにおい立ち、淡紅色のハーブの花は初夏の庭にいろどりをあたえます。
センテッドゼラニウムの育て方
日当たりのよい乾き気味の土地を好みます。耐寒性にはやや劣るので、霜の降りる地域では鉢植えにするとよいです。温暖な地域では庭植えもできますが、冬場は株元に敷きわらをして寒さから守るとよいです。センテッドゼラニウムは日本においての栽培では種はほとんどつけません。増やし方切り戻した枝を使う挿し木で、春3~6月と秋9~10月に剪定した枝でさし穂をつくります。
ボタニ子
次ページからはセイジ(セージ)について紹介します。
出典:筆者撮影