ラベンダーの増やし方を知りたい!
ラベンダーはハーブの一種として知られ、古くから不安や不眠を改善し、精神安定に効果があるとされてきました。交雑種を生じやすい性質があり、ヨーロッパ各地で盛んに品種改良が行われたため、葉や花の形もさまざまなラベンダーが出回っています。紫が定番ですが、白やピンクのラベンダーも人気です。葉に細かい切れ込みのあるレースラベンダーも高評価を得ています。
ラベンダーはさまざまに利用できる
ラベンダーはポプリやサシェで香りを楽しむのもよいですし、ドライフラワーやラベンダーバンドルズ(ラベンダースティック)としてインテリアに取り入れるのも素敵です。ハーブテイーやお風呂に入れることもでき、いろいろな使い方ができます。お気に入りのラベンダーを増やして、香りに包まれて暮らしてみたいと思う方もいるかもしれません。
知っておきたいラベンダーの性質
ラベンダーを増やすために、知っておきたい基本的な性質があります。それは、ラベンダーが木本性(もくほんせい)だということです。ラベンダーは草花のように思われることが多いですが、木部が発達しており低木に分類されます。もともとは高さ1~2mに育つ多年草で、葉は対生です。また、原産地が地中海沿岸で、高温多湿を苦手とします。
ラベンダーの最もかんたんな増やし方:挿し木
ラベンダーを増やしたいと思ったら、挿し木(挿し芽)が一番簡単で成功率が高い方法だといわれています。挿し木は早く育てられる上に、元の株の性質をそのまま受け継いだ株が増えるのが利点です。ラベンダーが低木だと知っていれば、挿し木がかんたんで最も適していることも不思議ではありません。早速、挿し木によって増やす方法をご紹介しましょう。
挿し木に適した時期と準備
挿し木の適期は春と秋
挿し木(挿し芽)に適した時期は、4~6月と9~10月になります。昼と夜の気温差が小さく適度な湿り気があり、ラベンダーの生長が活発で発根しやすい時期です。挿し木をする鉢に鉢底ネット、鉢底石、無菌のバーミキュライトか挿し木専用土を入れたものを用意します。切った挿し穂を水上げするための水と、よく切れるはさみも必要です。
挿し穂を切る場所
新芽の部分を使い、切り口は斜めに切る
挿し穂には、新しく伸びた新芽の部分7~10cmを切って使います。株元の木質化した場所は生長が活発でなく、根が出にくいので適しません。切る場所は、節(葉が出ている場所)のすぐ下か、節と節の間です。切断面を広くして水上げをよくするために、切り口をよく切れるはさみかナイフで斜めに切り直します。
下の方の葉は切り落とす
挿し穂の下から2~3節分の葉は、はさみで切って落とします。手でむしるのはおすすめできません。葉の基部(つけ根)から新しい根が出ることが多いからです。その場所を傷つけないように、葉の根元がほんの少し残るような状態に切り落としましょう。挿し穂は用意した水に下3~4cmを浸けて、1時間ほど水上げします。
挿し木の方法と管理
発根促進剤を使うと成功確率が増える
発根促進剤を使う場合は説明書をよく読み、希釈して用いるタイプなら水上げ用の水に混ぜ、挿し穂の下3~4cmが浸かるようにして3~4時間おきます。粉末タイプなら水上げ後に切り口に薄くまぶしましょう。挿し木をする土はあらかじめ水を含ませておくことが大切です。土に割りばしなどで、挿し木を入れる穴を開けます。
発根するまでは乾燥させない
挿し穂の葉を落とした部分が土に隠れるくらいまで挿し込んだら、たっぷりと水やりをしましょう。挿し木の周りを軽く押さえ、挿し穂と土の隙間がないようにします。根が出るまでは明るい日陰の場所で管理し、土が適度に湿っている状態を保つことが大切です。霧吹きで葉にも水をかけてあげます。
発根後の挿し木の管理
3~4週間ほどで挿し穂が発根したら、3号ほどの植木鉢に植え替えます。植え替え前には一度水やりを止め、土を乾燥させるのがポイントです。ハーブ用の培養土かラベンダー用専用土を用意し、根を傷つけないように植え替えて水やりをします。土が乾いたのを確認して水やりをしながら、少しずつ日光の当たる場所に移動させましょう。
挿し木を失敗する原因
失敗には2通りある
ラベンダーの挿し木は初心者にも簡単だといわれますが、失敗することもあります。失敗には2通りあり、挿し木に失敗するケースと、親株の栽培に失敗するケースです。挿し木に失敗するケースでは、発根しない場合や、発根後に植え替えたら枯れる場合があります。
挿し木失敗の原因の多くは水やり
挿し木に失敗の原因としては、水やりが適切でないことが挙げられます。発根するまでは土を乾燥させないことが大切です。しかし根が出て植え替えてからは、土が乾いたのを確認してから水やりをします。それはラベンダーが高温多湿を嫌うからです。失敗の原因としては他に、挿し木の時期や切る場所、切り方などが適切でないことがあります。
親株栽培の失敗の原因は切る場所
親株の栽培に失敗するケースでは、挿し穂を切った後で親株が枯れたり、花が咲かなかったりすることがあります。原因の多くは、挿し穂を切る時に茎を切り過ぎたことです。新芽として伸びた部分から挿し穂を切り取り、残った茎には最低4~6枚程度の葉が残っているようにしましょう。
ボタ爺
ラベンダーは挿し木で増やすのが一番かんたんなのじゃが、種まきで増やすこともできるぞ。
出典:写真AC