センテッドゼラニウムとは？特徴や花言葉から利用法・効果までご紹介！

アロマオイルで人気のゼラニウムのなかでも「センテッド（芳香のある）」の名前のとおり、葉に芳香のあるものが「センテッドゼラニウム」と呼ばれています。種類や育て方、効能や利用方法などの特徴を知ると、ガーデニングやアロマ・ハーブクラフトの楽しみが広がりますよ。

センテッドゼラニウムは南アフリカが原産です。植え付けは真冬と真夏以外ならいつでも可能で、地植えの場合はほとんど水やりの手間もなく丈夫な植物といえます。長雨を嫌うため、地植えの際は盛り土をするか植え穴にバーミキュライトを混ぜて水はけをよくするのがおすすめです。凍結にも弱く、冬は鉢を風の当たらない軒下に移すなどの寒さ対策が必要です。寒冷地では鉢を室内に避難させて冬越しします。暖地では特に弱い品種でなければ地植えのままでも越冬可能です。

センテッドゼラニウムは枝差し（挿し木）で簡単に殖やせる植物です。

1. 鉢に挿し木用の土を入れて割りばしで植穴をあける
2. 花を除いた新枝を10cmくらいに切って差し穂をつくり植穴に差す
3. 底から流れ出るまで水やりをする
4. 1カ月ほどは根元を動かさず乾燥に注意し、風の当たらない明るい日陰で管理する

センテッドゼラニウムの花言葉は「恋煩い」「選択」です。ゼラニウムの全般的な花言葉には「思いがけない出会い」「真実の愛情」「好み」「変わらぬ信頼」「上機嫌」などがあります。赤い花の花言葉は「君がいて幸福」、深紅は「憂鬱・メランコリー」、ピンクは「決心」、白は「あなたの愛は信じない」と色によって変わるため、贈る際は要注意です。

センテッドゼラニウムは多くの種類が栽培され、定番のローズゼラニウムをはじめフルーツ系、ハーブ、ナッツ、スパイスなどさまざまな香りがあります。学名ではP.odorantissimumがローズ系が多く、P.graveolensはリンゴの香りがすることで知られています。アップルゼラニウム、シナモンゼラニウム、レモンゼラニウムは特に人気の品種です。

センテッドゼラニウムのなかでもローズゼラニウムの精油にはさまざまな効能があり、昔から傷や肌トラブル、腹痛などの治療に利用されてきました。利尿作用とデトックス効果もあるとされ、むくみ予防にも用いられます。精神的には不安とストレスをやわらげて心を高揚させる働きがあるといわれています。また殺菌効果がありニキビや湿疹、しもやけにも効果的とされているようです。

センテッドゼラニウムに含まれる芳香成分はテルペン類のシトロネロールやゲラニオールが代表的で、バラのような香りはこの成分のためです。心身のバランスの乱れを整える効能があるといわれ、特にホルモンの働きを調節するため生理不順や更年期障害など女性ならではの不調に効果的とされています。また殺虫効果や虫よけ効果も期待できるでしょう。

ボーダーガーデンの手前や通路側には草丈低め（15～30cmくらい）の種類が利用しやすいです。歩くたびに衣類が触れて香りが立ち、簡単に香りの庭（センテッドガーデン）が叶います。普通のゼラニウムにくらべて葉や茎が繊細なため混植にもよくなじみます。大きくなる品種は鉢のまま並べて栽培するとコンパクトに管理できるでしょう。

センテッドゼラニウムはハーブ扱いで無農薬栽培のものも販売されています。食用やアロマクラフトの利用にはこちらを選ぶとよいでしょう。葉には苦みがありますが加熱すると消える特徴があるため、くせのないリンゴなどの果物と煮込んでジャムにするなど加熱調理が一般的です。香りを移したら葉は取り出します。

剪定の際に出た葉や茎をカップに入れて熱湯を注げば気軽にアロマセラピーが楽しめます。皮脂のバランスを整える効能があるとされ、どのような肌質にも合うためフェイシャルスチーマーとしても有効です。ただし、葉には刺激成分があるという点に注意しましょう。敏感肌の人は量には注意し、妊娠中の人は使用を避けます。葉をブーケにするのも手軽な楽しみ方です。

センテッドゼラニウムは豊富な種類と香りが魅力で、たくさんの効能を持つため一枝あれば日常的にいろいろな楽しみ方ができます。収穫をかねた剪定作業も香りで癒されるリフレッシュタイムになるでしょう。冬越しにさえ気をつければ初心者にも育てやすい植物です。ぜひ、センテッドゼラニウムの栽培にチャレンジしてみてくださいね。