センテッドゼラニウムの概要
センテッドゼラニウムとは、フウロソウ科テンジクアオイ属の植物のなかで、香りがよいことからハーブとしても扱われている品種群の総称です。香りの種類は品種によってさまざまで、バラの花のような香りの品種もあれば、レモンやオレンジのような柑橘系の香りの品種、シナモンのようなスパイス系の香りを持つ品種もあります。これらの品種は、ヨーロッパでは古くから香料として扱われていました。
センテッドゼラニウムは、日本でもハーブを扱っている園芸店で多くの品種を取り扱っていますよ。
エッセンシャルオイルやお菓子の香りづけ、乾燥させた葉をポプリや入浴剤にするなど、ハーブとしても幅広く利用されているよ。
センテッドゼラニウムの基本データ
学名 | Pelargonium Scented-leaved Group |
科名 | フウロソウ科 |
属名 | テンジクアオイ(ペラルゴニウム)属 |
別名 | ニオイゼラニウム、ニオイバゼラニウム |
原産地 | 南アフリカ |
草丈・樹高 | 30cm~100cm |
開花時期 | 4月~7月 |
花色 | 白、赤、ピンク、紫、複色 |
センテッドゼラニウムの特徴
特徴①品種によって香りが違う
センテッドゼラニウムは、前にも触れたように品種によって香りが違うのが、もっとも大きな特徴です。バラに似た香りの「ローズゼラニウム」、レモンに似た香りを持つ「レモンゼラニウム」という風に、香りにちなんだ名前がつけられている品種が多いのも特徴といえるでしょう。好みに合った香りの品種を選んでくださいね。
香りだけでなく、花色や葉の形なども品種によって違います。品種選びの際には、できるだけ多くの品種を見比べてみてくださいね。
特徴②虫よけ効果がある
香りがよいことで知られているセンテッドゼラニウムですが、虫にとっては「不快な匂い」であるため、蚊除けの効果があるとされています。センテッドゼラニウムの鉢植えを窓辺に置いておくと、蚊が近づきにくくなるので、蚊にかまれやすいという方は試してみましょう。
あくまでも蚊が近づきにくくなるというだけで、殺虫剤みたいな劇的効果はないから過信は禁物だよ。
センテッドゼラニウムの種類・品種
ローズゼラニウム
センテッドゼラニウムの代表的品種です。多くの園芸品種の作出にも利用されました。名前のとおりバラのような香りが特徴で、料理やお菓子の香りづけ、エッセンシャルオイルなど、非常に幅広く利用されています。乾燥させても香りが残るので、ポプリにも利用できますよ。その華やかな香りと、センテッドゼラニウムのなかでも丈夫で育てやすいことから、人気が高い品種です。
ローズゼラニウムのエッセンシャルオイルは、ローズオイルの代用品として利用されることもあります。
レモンゼラニウム
名前が示すように、レモンに似た爽やかな香りが特徴の品種です。この種からレモン系の香りを持つ園芸品種が多く作出されました。他の品種と比べると花つきはよくありませんが、草姿のバランスがよいため、鉢植えにするとスッキリときれいにまとまります。
アップルゼラニウム
葉茎に甘いリンゴのような香りを持つ品種です。ほふく性の植物なので草丈は30cm~40cmと低く、花も小さいという特徴を持っています。ほふくして横に広がる性質を活かして、ハンギングバスケットにすると素敵な作品に仕上がりますよ。甘いリンゴの香りもあいまって、見た目も香りも楽しめるハンギングバスケットになるでしょう。
センテッドゼラニウムの育て方
ここからは、センテッドゼラニウムの育て方を紹介しましょう。センテッドゼラニウムは総じて丈夫で育てやすい草花です。野趣に富み、香りも楽しめるセンテッドゼラニウムは、繊細で優し気な見た目も合って、和風にも洋風にもよく合います。あなた好みの香りを持つセンテッドゼラニウムを植えて、香りも楽しめるお庭にしてみましょう。
センテッドゼラニウム:1年間の管理スケジュール
主な作業 | 作業の適期 |
開花時期 | 4月~7月 |
植え付け | 4月~5月/9月~10月 |
肥料(鉢植え) | 4月~11月上旬 |
肥料(地植え) | 4月~11月上旬 |
上記の表は、センテッドゼラニウムを管理するために行う1年間の作業を、大まかにまとめたものです。ただし、作業の適期は品種やその年の気候、栽培環境によってズレることがあるので、あくまでも目安程度にとどめておきましょう。この他にも、用土や水やり、剪定や病気・害虫対策と、センテッドゼラニウムの管理作業はたくさんあります。これらについては、下記をご覧ください。
育て方のポイント①栽培環境
日当たりと風通しのよい場所を選ぶ
寒さや高温多湿な環境が苦手なので、日当たりがよく、風通しもよい場所が絶対条件です。また、長雨に当たると草姿が乱れたり、花が腐ったりします。鉢植えの場合は雨の当たらない軒下に移動させましょう。地植えの場合は、水はけのよい環境を整え、10cmほど盛り土をして高植えにするなど、過湿な環境にならないように工夫してくださいね。
出典:写真AC