和風な庭を自作するために
落ち着いた和の要素を庭に取り入れて自分で和モダンな庭作りをしてみたいという人は多いかもしれません。純粋な日本庭園のようなものではなくても、和のデザインや要素を上手に取り入れるだけで簡単に和モダンの庭をDIYできますよ。西洋の庭造りとは違う、和モダンの庭を造るために必要な要素を見ていきましょう。
和風な庭の魅力
日本庭園は日本だけではなく海外でも大人気で、多くの国に日本庭園が存在します。日本では島根県の足立美術館が美しい日本庭園を見られるスポットとして人気です。自宅に和モダンな庭造りを考えているなら、ヒントになることも多いので、日本庭園に足を運んでみてはいかがでしょうか。
和風な庭のデザイン
日本庭園には一般的に石、水、木を配置し、もちろんビジュアルとして美しいのですが、それだけにとどまらず、日本人の自然観や精神が投影されています。あらゆるものに紙が宿るという日本人の自然に対する畏敬の念がこめられているのです。
和風な庭のデザインの特徴
日本庭園のデザインは、海や川を表現した池を中心として土地の起伏を楽しむ、庭石を置く、四季の植物を楽しむなど庭を眺める楽しみを作り出します。また、庭だけでなく建物や周囲の自然やその場所がもつ雰囲気を総合的に計画されるのも特徴で、借景(しゃっけい)は外の風景を含めてデザインされます。
和風な庭のデザインが表現するもの
日本庭園にあるものは水と山を表現し、枯山水は水を使わない庭という意味を持ちます。水を使わずに石や砂、植物で水の流れを表現する「枯山水(カレサンスイ)」は日本庭園独特のデザインのひとつです。また坪庭という玄関や中庭の小規模な庭は里山を表現します。
和風な庭の作り方①デザイン
庭の環境を確認する
ガーデニングを取り入れた和風の庭をDIYする場合は、庭の環境をしっかり確認しておきましょう。大きさや高さ、日当たり、温度、水はけなど庭の環境条件にあわせた庭造りをデザインします。特に中庭など家の中に自分で庭造りをする場合は、床に防水シートなどを貼っておくと浸水トラブルを防げます。
配置を決める
ガーデニングを楽しむ和風の庭をDIYするときには、まずどこに目線を向けさせたいのかを考えてください。目線が集中するもっとも背の高いものや大きなものを中心に置きます。庭の中心となるものを配置した後、植栽や植物をレイアウトします。
和風な庭の作り方②資材
自分で和モダンの庭を作る場合に役立つDIY素材を考える場合には、日本庭園にあるものからピックアップしてみましょう。和風の素材を選ぶことで簡単に落ち着いた雰囲気をもたらしてくれるので、日本庭園にあるものを自作の庭造りのための参考にしてみてはいかがでしょうか。
和風な庭のための石
和風の庭造りで重要な要素が石です。日本庭園にあるものの中では御影石(ミカゲイシ)や大谷石が代表的です。御影石は敷石や飛び石に使用され、周囲の植物をひきたてる効果ももちます。小さな御影石を花壇の縁取りにするのもおすすめです。大谷石は白っぽい地に茶色い斑点が特徴で庭に趣きをもたらします。
石のレイアウト方法
庭造りに使う石は色や大きさ、高さなどの他、レイアウトで雰囲気がガラリと変わります。飛び石や石畳などの他、池の周囲に使用する、置物の下に置く、水を入れるなど使い方はさまざまです。DIYでの石の基本的な使い方は平坦な庭に高低差をつけて奥行きを出すことです。
石の使い方
石のレイアウトを考えたら、石を置く場所に沈みを防ぐための砂利などをひきます。次に砂利の上にコンクリートボンドなどで石を固定し、石の周囲に植物を植えます。石と石の間に土を入れて、山野草や苔を配置するのもおすすめです。
砂利
砂利や砂は自作の庭造りに活躍する素材です。砂利には、那智黒(ナチグロ)、五色玉砂利、白玉砂利などの種類ががありますので、作りたい庭のイメージにあうものを選びます。砂利を敷く場合は、石やレンガで縁取って、地面を掘り、砂利を敷きます。庭の状態によっては排水をよくする工夫も必要です。
日本庭園にあるもの以外の素材
日本庭園にあるものだけでなく、レンガやセメント、枕木など洋風の庭に使うような素材も組み合わせによって和モダンの庭に効果的に使えます。自由な発想で素材を取り入れられるのも自分で庭をつくるときの醍醐味です。
次のページでは、和風の庭造りのための置物、庭木、植栽について解説します。