化学肥料の種類と選び方
化学肥料の分類
化学肥料にも多くの種類があります。成分や使い方が違うので、分類を大まかに掴みましょう。
化成肥料と配合肥料の違い
化学肥料は「単肥」「配合肥料」「化成肥料」に分類されます。単肥はN・P・Kのうち1種類だけを含みます。配合肥料は複数の単肥を混ぜ合わせたもの。化成肥料は2種類以上の成分を化学的に結合させてあります。
配合肥料は「単肥を混ぜただけ」なので根気があればピンセットで分けて単肥に戻せます。化成肥料は化学的加工で変性させてあるので、ピンセットでは単肥に戻ません。加工の仕方によって、化成肥料は液状、緩効性などの機能を持たせることができます。
これは、わかりやすいなぁ
何がどれだけ入っているか
配合肥料や化成肥料を買う時に確認したいのが成分組成。肥料袋に書かれている「5-5-5」のような数字が、成分組成を表す「窒素リン酸カリ比」です。1kgの化成肥料に「5-5-5」と表示してあったら、重量比率で「N:P:K=5%:5%:5%」、すなわちN・P・Kが50gずつ含まれているという意味です。「10-10-10」なら10%ずつ、つまり1kgに100gずつ含まれています。
なお、このN:P:Kは、それぞれの元素を単体に換算した時の重量比率です。窒素リン酸カリ比が一緒なら、有効成分の化合物名が違っていようが養分の量は同じです。
いつ施用するか
作物を植える前に土に混ぜておく「元肥」、途中で追加する「追肥」が基本です。元肥はN・P・Kが同比率のものが無難です。追肥は一般的傾向として、「葉を充実させるには窒素追加」「開花前にはリン酸追加」「成長が遅いようならカリ追加」です。
元肥は、同比率が無難・・・と。
欠乏症が起きた時の応急処置として「葉面散布」という方法もあります。水で希釈した肥料を霧吹きで葉の裏側(気孔が多いため吸収しやすい)に吹き付けます。根から吸収させるより即効性があります。
「無機肥料」を使った有機農業
現代農業で重要な化学肥料ですが、化学肥料を使わないオーガニック野菜に需要があるのも事実です。前もって計画的に土作りをする必要があるので、自分の栽培技術を試すために挑戦するのも面白いでしょう。
オーガニックに興味があるので、ぜひ知りたいわ。
「有機」には規格がある
オーガニック野菜を作るとき、どの肥料なら使っていいのか迷いますよね。「有機栽培」や「オーガニック」には農林水産省が定める日本農林規格(JAS規格)があり、使用できる肥料も挙げられています。
有機JAS規格では化学的加工を施した肥料を禁じているため、化学肥料は使えません。原則として有機肥料を使うことになりますが、園芸店で買う時は「堆肥」「油かす」「魚粉」「鶏ふん」など、品名から原料が分かる製品が無難です。「有機〇〇」など曖昧な名前の製品は「有機肥料を配合した化学肥料」という可能性もあります。成分表示をよく確認してください。
何も知らずに「有機肥料を配合した化学肥料」を使用しちゃった場合、JAS規格から外れちゃうってことよね? 気を付けないとね
「天然」なら無機肥料も可
作物に元気がなく応急処置が必要なとき、有機肥料では即効性がないというデメリットがあります。しかしオーガニック野菜に化学肥料は使えません。そんな時は「天然の無機肥料」を使う手もあります。原料が天然の鉱石などで、化学的加工をしていなければ、有機JAS規格で使用が認められているものもあります(石膏、塩化加里、硫酸苦土、消石灰など)。オーガニック野菜に挑戦する際は選択肢のひとつとして検討してみてください!
まとめ
今回はすごい勉強になったわね。
もう頭がパンクしそうだよ・・・。
試しながら使い分けましょう
「野菜を育てる」とは、土の中の養分を人間が食べられる形に変換する作業とも言えます。土を作ったり肥料を選んだりする段階から、もう栽培は始まっているのです。いろいろな肥料を試して効果を観察し、臨機応変に使い分けられる玄人を目指しましょう!
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こんがらがるね。もう少し簡単に教えて