アロニア(アローニャ)とは
アロニアの特徴
アロニアとは、黒い実をつけるバラ科の小果樹で「アローニャ」とも呼ばれます。原産地は北米で、ブルーベリーに似た見た目と独特の渋みが特徴です。生でも食べられますが、渋みが強く、ジャムやジュースに加工されることが多いです。別名「黒い実のナナカマド」や「チョークベリー」ともいわれます。
別名の名前の由来
「黒い実のナナカマド」は、主にロシアでの呼び名です。アロニアの花がナナカマドに似ていることから名づけられました。「チョークベリー」は、英語の「choke(むせる)」に由来があります。アロニアは渋みが強く、渋抜きをせずに食べるとむせてしまうことから、「むせるベリー=チョークベリー」と呼ばれるようになりました。
アロニアはどんな味?
生のアロニアは、甘味と酸味と渋みをあわせ持っています。ブルーベリーに比べると甘味や酸味より渋みが勝っており、全体的に苦さを感じる人が多いです。渋みの原因は、果実の黒い部分に含まれるポリフェノールにあります。渋みが苦手な人は、渋抜きや加工するとおいしく食べられます。
アロニアの購入方法
生(冷凍)のアロニアの購入方法
加工されていない状態のアロニアは、スーパーやデパートなどではほとんど見かけることはありません。手軽な購入方法としては通販がおすすめです。外国産のものが多いですが、日本では主に北海道で生産されています。北海道の一部の生産者によって通販や産地直送もされているため、冷凍や新鮮な生の国産アロニアを手に入れられます。
加工品の購入方法
アロニアの加工品には、ジャムやジュース、粉末、サプリメントなどがあります。スーパーではあまり見かけませんが、デパートや美容食品店などで購入できます。ただし、あまり品ぞろえが多くない場合が多いため、手軽な購入方法としては通販が人気です。通販なら数ある商品の中から好みのものを選べて便利です。
アロニアが持つ効能
効能①エイジングケア
アロニアの黒い果実の部分には、老化の原因である活性酸素を除去する働きを持つ「アントシアニン」と呼ばれる成分が多く含まれます。メラニン色素の生成を抑え、活性化酸素を抑制する働きを持つビタミンC含有量も豊富です。体内だけでなく肌表面のエイジングケア効果も期待できるため、美容と健康を維持したいと願う女性に特に人気です。
ブルーベリーとアロニアは、どちらのほうがアントシアニンを多く含んでいますか?
ブルーベリーもアントシアニン含有量が豊富なことで知られていますが、アロニアにはブルーベリーの約2~3倍の量が含まれています。黒い果実の部分にアントシアニン成分が多く含まれているので、ぜひ皮ごと食べてください。
効能②目の機能改善
アロニアに含まれる「アントシアニン」には、網膜の活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素はパソコンや携帯から放たれるブルーライトなどを通して、多かれ少なかれ目にダメージを与えています。活性酸素を除去する働きを持つアロニアは、視力改善や眼病予防などの効果が高く期待できる食べ物です。
効能③美肌・美髪
アロニアには、肌の調子を整え粘膜を保護する働きがある、「カロテノイド」が豊富に含まれています。皮膚の弾力性や保湿力を高め、肌を紫外線から守る役割も持っており、しわやくすみを減らす効果への期待が高いです。黒い果実部分に含まれる「アントシアニン」は、頭皮の活性酸素を除去する働きを持ち、美髪への効果も期待できます。
効能④ダイエット
アロニアに含まれる「アントシアニン」や「カロテノイド」には活性酸素を抑制する働きがあります。活性酸素が増えると血液循環が悪くなり、新陳代謝も悪化させ、肥満の原因やダイエットの妨げになりかねません。活性酸素を抑制する成分を多く含むアロニアは、肥満解消やダイエット効果が期待できる食べ物です。
効能⑤腸内環境改善
アロニアは、腸の働きに必須の「食物繊維」が豊富です。食物繊維は小腸でのコレステロールや糖の吸収の抑制、腸の働きの促進、有害物質の除去などの働きを持ち、整腸作用や便秘解消、大腸がん予防への効果が期待されています。アロニアは皮と果実を一緒に食べるため、効率的に食物繊維を体内に取り入れられる食べ物として人気です。
効能⑥生活習慣病予防
アロニアに含まれる「カロテノイド」や「ポリフェノール」が活性酸素を抑制し、動脈硬化やがんなどの生活習慣病になるリスクを低下させる効果が高く期待できます。アロニアは、現代病である生活習慣病予防におすすめの食べ物です。
アロニアの人気の食べ方【そのまま】
食べ方①生で食べる
アロニアはもちろんそのまま食べられます。ただし渋みがとても強いため、ヨーグルトやパンケーキのトッピングとして、ほかの甘いものと一緒に食べることをおすすめします。どうしてもそのまま食べたい場合は、渋抜きをしてから食べましょう。
渋抜きの方法
- アロニアの果実を凍らせる
- 自然解凍する
- 解凍できたら、水分を拭き取り再度凍らせる
- 自然解凍する
渋抜きする際の注意点
- 解凍するときは、半解凍ではなく完全に解凍する
- 解凍時に味見をして、渋みが抜けるまで冷凍→解凍作業を2~3回繰り返す
食べ方②アロニアサイダー
材料(1人分)
- サイダー:200mL
- アロニア:適量
- イチゴ:適量
- ラズベリー:適量
作り方
- 果実はすべて冷凍しておく
- コップに冷凍した果実を入れる
- サイダーを注ぎ、軽く混ぜる
アロニアサイダーを作るときのポイント
- 渋みが気になる人は、事前に渋抜きをしておく
- ベリー類は、家にあるものや好みのものを使用する
- サイダーを色をつけたい場合は、アロニアを軽くつぶしてからグラスに入れる
ボタニ子
アロニアの人気の食べ方【加工する】
アロニアを加工する場合は、果実をそのまま使用してもかまいませんが、渋みが気になる人は渋抜きしてから使うことをおすすめします。
食べ方①アロニアジュース
材料(1~2人分)
- アロニア:500g
- 牛乳:75mL
- 氷:1個
- はちみつ:小さじ1/2
作り方
- アロニアをさっと洗う
- 小鍋にアロニアと同量の水を入れ、10分ほど煮る
- 粗熱を取り、ミキサーにかける
- 再度小鍋に移し、ピューレ状になるまで煮詰めて冷ます
- 4を大さじ1、牛乳、氷をミキサーにかける
アロニアジュースを作るときのポイント
- 渋みが気になる人は、事前に渋抜きをしてください
- 残ったピューレは、ジップロックに入れて冷凍するか、瓶に入れ冷蔵庫で保管する
- 甘味を足したい人は、ピューレを作る段階でグラニュー糖を足してください
食べ方②ジャム
材料(約450g分)
- アロニア:250g
- グラニュー糖:125g
- 水:60mL
作り方
- アロニアの渋抜きをする(必要なければ省略可)
- 渋抜きしたアロニアと分量の水を小鍋に入れて火にかける
- 沸騰したら、弱火で10分ほど煮る
- 粗熱を取り、煮汁ごとミキサーにかける
- 小鍋に戻し入れ、強めの中火にかけて水分を飛ばす
- グラニュー糖を半量加え、混ぜながら強めの中火で焦がさないように煮る
- 残りのグラニュー糖を加え、混ぜながらテカリがでるまで煮詰める
- 熱いまま、清潔な瓶などの容器に入れ冷ます
- 冷蔵庫で保管する
アロニアジャムを作るときのポイント
- できあがり時に渋みを残したくない場合は、最初に渋抜きをする
- 水分が飛ぶに連れて焦げやすくなるため、詰める際は注意する
食べ方③アイス
材料(4人分)
- アロニア:30g
- 牛乳:150mL
- 生クリーム:50mL
- グラニュー糖:35g
- 卵黄:2個分
作り方
- ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡だて器で白っぽくなるまですり混ぜる
- 小鍋に牛乳と生クリームを入れ火にかけ、沸騰直前で火からおろす
- 2に1を入れ軽く混ぜ再度火にかけ、白っぽくとろみがつくまで混ぜながら火を加える
- 保存容器に3をザルで濾しながら流し入れる
- 4にアロニアをつぶしながら加え、氷水に当てながらかき混ぜつつ冷やす
- 熱が取れたら冷凍庫で冷やす
- 2時間後取り出してかき混ぜ、再度冷凍庫へ戻す
- 30分後に取り出してかき混ぜ、再度冷凍庫へ戻す
- 8の作業を4回繰り返す
アロニアアイスをつくるときのポイント
- アイスは甘味が強いため、渋抜きの必要はありません
- アイスをふんわり仕上げるために、手順7と8でしっかりとかき混ぜる
- アロニアは、果実ではなく液体のものでもかまいません
食べ方④果実酒
材料(約1.5L分)
- アロニア:600g
- 氷砂糖:200g~300g
- ホワイトリカー:1000mL
作り方
- アロニアを洗って、キッチンペーパーで水気を拭き取る
- アルコール消毒済みの瓶にアロニアと角砂糖を入れ、上からホワイトリカーを注ぐ
- 直射日光の当たらない冷暗所で管理し、2ヶ月後に果実を取り出す
- 1ヶ月ほど寝かせる
アロニアの果実酒を作るときのポイント
- ブルーベリーなどのほかの果実酒と同様の方法で作りましょう
- 砂糖の量はお好みで調整してください
- 果実酒は甘味が強く仕上がるため、渋抜きは必要ありません
アロニアを食べるときの注意点
注意点①授乳中の人や妊婦さんは気をつけよう!
アロニアに含まれるアントシアニンは、胎児の動脈管早期収縮を促す可能性が高いといわれています。「アロニアジャムをヨーグルトにかけて食べた」「アロニアアイスを1人前食べた」程度なら特に大きな問題はありませんが、アロニアを食べる場合は念のため医者に確認をとることをおすすめします。
注意点②過剰摂取に気をつけよう!
アロニア自体には特に副作用はありませんが、過剰摂取するのはよくありません。健康によいからといってたくさん食べ続けるのではなく、適量を心がけるようにしてください。
アロニアをおいしく食べよう!
アロニアは小さくて黒い果実の中に、体によい栄養素をたくさん持っています。まだまだ珍しい果物ではありますが、通販で簡単に手に入ります。渋みは強いですが、加工すると甘味と酸味のバランスがよくなり、おいしく食べられるためおすすめです。ぜひアロニアが手に入ったら、いろいろな方法で食べてみてくださいね。
次も引き続きアロニアの人気の食べ方を紹介するよ!