アーティーチョークについて
アーティーチョークは地中海地方が原産のキク科の植物です。夏に開花時期を迎えますが、つぼみは食用として楽しめます。日本ではまだメジャーではありませんが、欧米ではポピュラーな食べ物で薬の代わりとしても使われてきました。
基本情報
科目 | キク科チョウセンアザミ属 |
分類 | 多年草 |
草丈 | 1~2m |
原産地 | 地中海沿岸 |
開花時期 | 6~8月 |
収穫時期 | 6~7月 |
学名 | Cynara scolymus |
英名 | ArtichokeまたはGlobe artichoke |
別名 | チョウセンアザミ |
名前の由来
アーティーチョークという呼び方は、「巨大なアザミ」という意味を持ったアラビア語が語源です。また、別名の「チョウセンアザミ」は日本で使われる呼び方です。アーティーチョークが日本に伝わったのは江戸時代で、当時は外国のことを朝鮮といっていました。そのことから「海外から来たアザミ」という意味があります。
特徴
アーティーチョークは花の大きさが15cm、草丈は1~2mと草花としては大型に分類されます。花はアザミのような紫に近い青色でも、アザミの仲間ではありません。品種によってはがくや茎にもトゲが生えているため、取り扱いには注意してください。
味と匂い
火を通したアーティーチョークは、ホクホクとした栗のような食感です。生で食べると苦みを感じる場合があり、好みがわかれます。生の状態はほぼ無臭で、加熱したアーティーチョークは少々青臭い匂いがします。
収穫時期
アーティーチョークの収穫時期は、季節が初夏に移り変わる6月ごろからです。食べ物として用いるときは、花が咲く前に収穫していきます。6月下旬ごろには花が咲きはじめてしまうため、収穫時期はおよそ1か月と短いです。花が咲いてしまった場合は、切り花として楽しめます。
食べごろはいつ?
アーティーチョークは、つぼみが小さいうちが食べごろです。大きくなると固くなるので、購入する際は、なるべく小さいものを選びましょう。やわらかくて重みを感じるものも美味しく食べられますよ。
ボタニ子
アーティーチョークの食べ方
アーティーチョークの可食部分は、基本的には花が咲く前のつぼみです。しかし、採れたてで新鮮なものは茎も食べられます。茎を食べる場合は、中心部に近いところがやわらかくておいしいので、すべて余すところなく食べましょう。
食べ方①下処理をする
アーティーチョークを調理する前は、がくをすべて外します。がくも食べられるので、捨てずにとっておきましょう。花びらやワタのような部分は食べられないので、きれいに取り除いてください。アーティーチョークは空気に触れると変色しやすいので、手早く作業しましょう。レモン汁につけながら作業していくと、変色を防げます。茎は表面の皮を厚めにむいたら、縦に割って調理します。つぼみ同様、茎も変色しやすいので気をつけてください。
ボタニ子
がくにはトゲがついています。ケガに気をつけて、トゲをきれいに取り除きましょう。
食べ方②蒸すまたは茹でる
アーティーチョークを蒸す場合は、せいろを使います。頭を下向きにしてせいろにいれたら、塩をひとつまみ加えて、30分ほど蒸してください。茹でる場合は、大きめの鍋に入れて水から茹でていきます。がくが簡単に外れる状態が、茹で上がりのサインです。
どうやって食べる?
アーティーチョークのがくは、歯を使ってそぐように食べます。花を取り除いた中心部分はそのまま食べるのもおいしいですが、ひと手間加えるとより味わい深いですよ。
アーティーチョークのおすすめの食べ方
レシピ①アーティーチョークの蒸し焼き
鍋に油を敷いて作る蒸し焼きはシンプルな味つけで、アーティーチョークのうまみが感じられます。バルサミコ酢を振りかければ、上品な大人の味になりますよ。
作り方
- アーティーチョークを縦半分にカットする
- 下処理したら、油を引いたフライパンに断面を下にして並べる
- 塩をひとつまみ振ってから火をつけて、15分ほど弱火で蒸し焼きにする
- 焼き色がついたらひっくり返して、塩ひとつまみと水を大さじ2加える
- ふたをして、10分ほど弱火で蒸し焼きにする
- 水分が飛んでしっかり焼き色がついたら、再びひっくり返す
- 強火で2分ほど焼き、皿に盛りつけたら完成
レシピ②アーティーチョークのチーズ焼き
アーティーチョークはチーズとの相性がよく、グラタンなどのトッピングにもおすすめです。味にクセがないので食べやすく、お酒ともよくあいます。
作り方
- アーティーチョークを細かく切る
- ボウルに材料を入れてよく混ぜる
- 耐熱容器にいれて、オーブンで焼いたら完成
レシピ③アーティーチョークのフリッター
アーティーチョークは、揚げ物にするのもおすすめです。食事の前菜や酒のつまみにもなるので、日々の食卓だけでなくおもてなしの一品としてもよいですね。
材料 (4人分)
アーティチョークの水煮:1缶
卵白:1個分
アーティチョークの汁:大さじ1
卵黄:1個分
薄力粉:70g
水:70g
塩:少々
塩胡椒:適量
オリーブオイル:大さじ6程度
ベーコン:トッピング用
塩:トッピング用
作り方
- アーティーチョークの水気をふき取り、塩・コショウを振る
- 卵白を混ぜてメレンゲを作る
- 卵黄に、薄力粉・水・塩を加えて、メレンゲと混ぜる
- アーティーチョークに衣をつけて、オリーブオイルで揚げる
- 膨らんできたら油を切る
- 角切りベーコンを炒めて、つまようじでアーティーチョークに添える
- 皿に盛りつけたら完成
アーティーチョークの栄養と効能
アーティーチョークは欧米ではとてもポピュラーな食べ物で、健康をサポートするハーブとして用いられてきました。煎じることでハーブティーとして飲めるので、日々の暮らしに上手に取り入れてみましょう。
栄養と効能①コレステロールの抑制
アーティーチョークにはポリフェノール成分の一種であるシナリンが含まれているため、コレステロールや血圧の上昇を抑える効果があります。シナリンには肝臓の働きを助けたり、脂肪の分解を促したりする効果があるので、体型が気になる人におすすめです。
栄養と効能②むくみの予防
アーティーチョークは、カリウムを含みます。このカリウムは体内の余分な水分を排出させる効果があるため、むくみの解消が期待できます。カリウムには筋肉のけいれんを抑える働きもあるため、足がつりやすい人にもおすすめの栄養です。
栄養と効能③骨をサポートする
アーティーチョークには、骨の形成に欠かせないマグネシウムやカルシウムが含まれています。健康を維持するためにも大切な栄養なので、積極的に摂取したいですね。マグネシウムとカルシウムは、同時に摂取することでより効果が期待できるため、アーティーチョークは理にかなっている食べ物といえるでしょう。
栄養と効能④女性の強い味方
アーティーチョークは、葉酸が豊富に含まれています。葉酸は生理障害を整えたり、妊娠中の赤ちゃんの成長を助けたりと女性の強い味方です。とくに妊娠中は、葉酸だけでなくカルシウムなども不足がちになります。食事の中にアーティーチョークを取り入れて、赤ちゃんのための体作りを心がけたいですね。
栄養と効能⑤美肌効果
アーティーチョークの葉に含まれているシナロピクリンには美肌効果があり、毛穴の黒ずみやターンオーバーの乱れに効果が期待できます。アーティーチョークの葉を精製してエキスにしたり、ハーブティーを飲んだりすることでも効果が得られるでしょう。いろいろな使い方を試してみてくださいね。
まとめ
アーティーチョークは日本ではなじみが浅いものの、そのまま食べたりハーブティーにしたりと楽しみ方はさまざまです。美容と健康によく、つぼみはもちろん茎やがくも食べられるので、ぜひ捨てずにおいしく食べてください。
アーティーチョークは、ドライフラワーとしても楽しめるよ。ぜひ、インテリアにも取り入れてみてくださいね!