バジルとは
基本情報
シソ科メボウキ属
バジルは、インドから熱帯アジア原産のシソ科の植物です。栽培種は150種類あるといわれています。英名をバジルと言い、イタリア語のバジリコと呼ぶ事もあります。生育温度が高いため原産地では多年草、日本では野外で越冬出来ないので一年草として扱われています。
ガーデニング初心者におすすめ
生育がさかんなバジルは初めて育てるハーブとして人気があり、茎の高さは30cm~50cmで良く分岐してたくさん収穫ができます。また、挿し木や水差しなどで増やすこともできて、キッチンバジルとしても楽しめます。ベランダでプランターや鉢でも簡単に育ち、秋の初めまで収穫ができます。
バジルの基本的な育て方
バジルの栽培カレンダー
バジルの生育に必要な温度は20℃から25℃となりますので、八重桜が終わって地温が上がり始めた頃がよいでしょう。ですので、4月半ばから6月に入るころまでに栽培をスタートします。梅雨に入ったくらいの頃から蒸れの予防を兼ねて挿し木(挿し芽)や水差しで伸びてきた茎を使い増やすことができます。
種から育てる方法
バジルの種まきは発芽温度20~25℃が最適です。またバジルは日当たりを好み寒さには弱いので、基本的には一年草として扱い、プランターや鉢や畑に直播きします。種は光がないと発芽しないので覆土はしません。乾燥させないように水やりをすると5~7日で発芽します。本葉が2~4枚になったころに、しっかりとした茎のバジルだけ残して間引きをしましょう。
種まきのコツ
- 気温20℃以上になってから種をまく
- 種は覆土しない(土をかけない)
- 発芽まで乾燥させないようにする
苗を植える方法
種まきより手軽なのは4月になると出回る苗を購入して植える方法です。本葉もたくさん出ているので育てやすいです。苗を選ぶときは茎がしっかり太く葉が濃いい緑色のものを選ぶとよいでしょう。下葉が黄色くなったり茶色になっているバジルはさけましょう。プランター65cmのものでしたら3~4株植えられます。畑の場合は15cm間隔で植えます。
苗の植えつけのコツ
- 苗を購入するときは葉色が濃いい苗を選ぶ
- 下葉が黄色の苗はさける(根腐れのおそれがある)
- 株間は15cmとる
バジルの増やし方①(挿し木)
バジルの挿し木の方法
挿し木(挿し芽)は20cm以上に成長した苗を使って行います。枝数を増やす目的でカットした10cmくらいの枝を挿し木用の培養土に挿す増やし方です。根が出るまでは土を乾かさないようにします。
挿し木(挿し芽)のコツ
バジルの葉をよくみると葉の付け根に新しい葉が出ようとしているのがわかります。挿し木にするにはその部分のすぐ上でカットします。土に挿す前にメネデール溶液につけると失敗が少ないです。発根するまでは半日陰で育てないとすぐに弱ってしまいますので、管理場所には気をつけましょう。
バジルの挿し木の注意点
- 枝数を増やすために摘心(切り戻し)を行う
- カットした枝をメネデール溶液につける
- 清潔な赤玉土や挿し木用の土に挿す
- 発根するまでは半日陰で管理する
バジルの増やし方②(水差し)
バジルの水差しの方法
水差しとは文字通りコップなどに水を入れた中に、カットしたバジルを差す増やし方です。メネデールなどを入れた水の方が早く発根します。3日ほどで葉の付け根から根が出て来ます。水がよごれる茎が茶色になり水も臭くなります。失敗しないために、できるだけ水は毎日替えるようにしましょう。
水差しのコツ
水差しは簡単な増やし方で、一年中室内であれば栽培出来ます。夏場は水が温まり藻が発生する事がありますので、あまり直射日光が当たる場所はさけましょう。根がたくさん出てきたあとは、普通の土に植え替えると、たくさん葉が出てバジルを増やすことができます。茎が茶色になった枝は水差しが失敗なので捨てるようにしましょう。
バジルの水差しの注意点
- 茎を10cmくらいにカットしてメネデール溶液につける
- 明るい室内で育てる
- 発根したら水は毎日替える
- 茎が茶色になったら捨てる
バジルの増やし方③(水耕栽培)
バジルの水耕栽培の方法
バジルの水耕栽培には、2つのやり方があり、1つは土を使わずに専用の高温で焼いた「ハイドロボール」という土の代用品で育てる方法と、もう1つは、スポンジなどで種をまく増やし方です。いずれも土を使わないので虫などの心配もなくキッチンバジルを楽しめます。
水耕栽培のコツ
土のついたバジルの苗は使いません。①水差しで発根させた枝を「ハイドロボール」の入った容器で育てる方法と、②種をスポンジに小さな穴をあけて発芽させ育てる方法、となります。いずれの場合も水だけでは大きくなるのに限界がありますので、水耕栽培用の肥料を与えるようにしましょう。
バジルの水耕栽培の注意点
- 土付きの苗を使わない
- 水差しで発根させたものを使う
- 給水させたスポンジで種まく
- 明るい室内で管理する
- 水耕栽培用の肥料を使う
バジルの増やし方④(株分け)
バジルの株分けの方法
バジルの根は細かいひげ根と呼ばれる根っこがたくさん出ています。苗を購入した時に一本立ではなく細いものが数本植わっていることがあり、そのような苗の場合は株分けという増やし方もできます。一つのポット苗に数本が出ているラッキーな場合にだけ、株分けが可能というわけです。そのため、やさしく根をほどかないと失敗します。
株分けのコツ
株分けは買った苗が何本かまとまって植わっている場合の増やし方です。バジルは直根ではなくたくさんの細かい根が生えています。苗をバケツに水をはり土ごとつけて振り洗いするように株分けをします。そのあと植え付けます。
バジルの株分けの注意点
- 買った苗が数本立の時は株分けで増やせる
- 株分けをするときはバケツの中で振り洗いする
- 株分けした苗の鉢は1週間は日光に当てないで管理する
バジルの食べ方
バジルソース(ジェノベーゼ)
増やしたバジルを使ってバジルを一年中楽しめる保存食もできます。収穫したバジルを松の実やオリーブオイル、パルメザンチーズとミキサーにかけて作ります。冷凍保存もできて便利です。
カプレーゼ
スライスしたトマトの赤とモッツァレラチーズの白にバジルの緑がアクセントのきれいなサラダです。かんたんで素敵な前菜となります。
まとめ
バジルはとても丈夫で初心者にも失敗が少ない植物です。一鉢あるとパスタやサラダなどに利用出来て食卓が華やぎます。有名な保存食のジェノバソース(バジルソース)も自家製で作れますし、上手に育てると秋のはじめまで楽しめます。摘心や挿し木でキッチンバジルをどんどん増やし役立てましょう。
出典:写真AC