グラジオラスとは
グラジオラスとは
花色から花姿まで種類豊富なグラジオラス
『グラジオス』といえば、スラリと長い葉と、ひと茎に大輪の花が縦に連なっている姿が印象的かもしれません。一般的に夏咲き種は花色が豊富で背丈が高く、14〜16cmの大輪の花を咲かせる、グランディフローラ系の種類に分類されますが、背丈が低く4〜5cmの小輪の花をつけるピクシオーラ系と呼ばれる種類もあります。インパクトのある姿から控えめな姿まで、種類がとても豊富です。
グラジオラスの基本情報
分類 | アヤメ科グラジオラス属 |
学名 | Gladiolus Tourn |
和名 | グラジオラス |
英名 | Gladiolus、Sword lily |
原産 | 南アフリカ、地中海沿岸 |
日本での別名 | トウショウブ、オランダアヤメ |
花色は白、赤、黄、橙、紫、複色とさまざまです。秋に植えて春に咲く『春咲き(早咲き)』の種類と、春に植えて夏に咲く『夏咲き』の種類に大きく分けることができます。歴史としては、18世紀〜19世紀中頃にオランダやイギリス、フランスのヨーロッパ地方での品種改良が進みました。(熱帯アフリカや、南アフリカのケープ地方にある主な原種を交配させ、さまざまな種類のグラジオラスが生み出されました。)その結果、現在でも、植え付け時期をずらすことで、グラジオラスの花を長く楽しむことができます。
グラジオラスの誕生花
誕生石があるように、生まれた月や日を象徴する『誕生花』という考え方があります。諸説あるようですが、グラジオラスの誕生花は色別のものもあり、ピンクが6月14日、紫が6月24日です。
ボタニ子
限定的な日にちだからこそ、特別なプレゼントとしては最適だね!
ボタ爺
実は、6月以外にも誕生花になる月があるのじゃ!
花期の長いグラジオラスは、他の月にも誕生花として登場します。色別にはなりませんが、当てはまる日付があるかチェックしてみてくださいね。
グラジオラスの誕生花
- 3月23日、3月29日
- 7月13日
- 11月26日
誕生花が生まれた土地
誕生花とは、古代ヨーロッパから広まった思想であるというのが一説にあります。いろいろな匂いや形、色が存在する植物に、神秘的なメッセージを感じた古代ヨーロッパの人々は、『花にも神々からのメッセージが宿っている』という考えを持っていたようです。
ボタニ子
昔の人々はとてもロマンチックな考えを持っていたんだね〜。
また、誕生花は1年のうちの1番の見頃の時期に割り当てられているので、花束の贈り物なども喜ばれますよ。カードに花言葉を添えてあげるのも素敵ですね。
ボタニ子
さらに、グラジオラスの花期ごとに分類して見ていくよ!
グラジオラスの種類
品種改良によって、1000近くの園芸品種があるグラジオラスの花を、咲く時期によって大きく分けることができますよ。春に咲くものは夏に咲くものと区別しやすいよう『早咲き』と表記されることがあります。『早咲きグラジオラス』と書いてあったら、『春咲き』の事だなと思ってくださいね。ここでは、春咲き(早咲き)と夏咲きの違い、さらに草花には珍しい冬咲き種のグラジオラスを見ていきましょう。
①春咲き(早咲き)グラジオラス
春咲き(早咲き)のグラジオラスは夏咲きよりも背丈が低く小さめの花を咲かせ、コルビリー系やトリスティス系などがあります。耐寒性は夏咲きよりも強く、球根は9〜10月頃に植え付け、3〜5月頃にかけて開花します。花が小さめなので、花束よりも切り花として飾るのがおすすめです。
②夏咲きグラジオラス
夏咲きのグラジオラスは、背丈が高く大きめの花が咲き、花色も赤・黄・オレンジ・青・紫・白・複色などの種類が豊富にあります。耐寒性はやや弱く、耐暑性が強い種類です。球根は3〜7月頃に植え付けをします。暖地では球根の植え付けを7〜8月頃に遅らせることで、秋にもグラジオラスの花を見ることができますよ。
③冬咲きグラジオラス
暖地での生育環境になりますが、原種の『グラジオラス・プリオリー』は秋に球根の植え付けをして、11〜1月頃に花を咲かせます。花は夏咲きの種類とは違い、ひと茎に2〜3つ程の花をつけます。紅葉のような赤色も魅力的なグラジオラスです。
花が大きく折れやすいので注意が必要
グラジオラスの種類にもよりますが、夏咲きのグラジオラスは背丈が高く茎が細いため開花時期には花の重みで傾いたり、茎がとても折れやすくなります。蕾がついたら、支柱を立ててグラジオラスを支えてあげましょう。
グラジオラスの花言葉
グラジオラスは、何かに努力をしている人や、日々の努力が実って、何かに勝利した人へのプレゼントとしてもいいかもしれません。グラジオラスにまつわる名前の由来を説明した上で、グラジオラスの色別の花言葉を見ていきましょう。
グラジオラスと呼ばれる由来
『グラジオラス』の語源となっているのは『gladius(グラディウス)』で、ラテン語です。『小さい剣』と訳すことができ、古代ローマ時代にローマ軍や、剣闘士に使われた剣と、葉の形が似ていることが由来となっています。グラジオラスの花は古代ローマで戦いの象徴の花だったのですね。
ボタニ子
名前の由来は戦いに使っていた『剣』だったんだね!確かに、似ている。
グラジオラス全般の花言葉
グラジオラスを表す花言葉には『挑発』『勝利』『忘却』『用心』『密会』があります。花言葉は、古代ローマ時代より後の、18世紀頃にヨーロッパに入ってきた習慣ですが、ここでも戦いをイメージするような『挑発』『勝利』などの花言葉が並びます。『勝利』『忘却』はフランス革命や、大きな戦争が起こっていた時代背景が由来となっているようです。『密会』の花言葉にも、どのような由来があるのか見ていきましょう。
フランス革命などの時代背景が関係していた
『忘却』は、悲しい記憶を忘れたいという思いを表した花言葉です。古代ローマ時代から時が過ぎ、フランス革命などの大きな戦乱が起こったフランスで、グラジオラスの、剣に似た葉姿を見て『もう戦争を思い出したくない』という思いから、『忘却』という花言葉がついたようですね。また、恋人たちの間では、秘密のメッセージのやり取りとして、グラジオラスの花の本数で会う時間を伝え合っていたことが由来して、『密会』の花言葉がついているようです。
ボタニ子
『忘却』の花言葉はとても切ないね・・。
ボタ爺
時には、忘却も大事じゃ・・。
次ページより、グラジオラス色別の花言葉をご紹介!
出典:写真AC