酒米とは?定義・特徴・種類や食べるお米との違いを詳しく解説!

酒米とは?定義・特徴・種類や食べるお米との違いを詳しく解説!

酒米は日本酒を造るためのお米ですが、普段食べられているお米と何が違うのか不思議に思う人もいるでしょう。この記事では酒米の定義やさまざまな種類、普段食べるお米と比較した特徴、炊飯器で炊いて食べたときの違いなどを解説します。

記事の目次

  1. 1.酒米とは
  2. 2.酒米の特徴
  3. 3.酒米の種類【酒造好適米】
  4. 4.酒米の種類【一般米】
  5. 5.酒造好適米と一般米を食べたときの違い
  6. 6.酒米を知って美味しく飲んだり食べたりしよう!

酒米の種類【酒造好適米】

出典:写真AC

酒造好適米は100~120種類のお米が分類、登録され、どのお米もそれぞれの地域の気候や風土にあわせてさまざまな特徴を持ちます。酒造好適米の生産は山田錦、五百万石、美山錦だけで7~8割をしめています。

ボタ爺

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酒造好適米の中には酒造会社が独自に改良、生産するお米もあるぞ。

酒造好適米①山田錦

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読み方 やまだにしき
おもな銘柄 山田錦、獺祭(だっさい)、くどき上手、白糸など
生産地 兵庫県、岡山県、山口県、広島県など
早晩性 晩生

山田錦は日本国内で生産量が最も多い品種です。米粒が大きく含まれるたんぱく質が少ない酒米で、山田錦を原料に造られた日本酒はスッキリとして香りが高く、米特有の甘みがあるとされています。蔵元にとって酒造りがしやすく、飲み手にはよく知られ「酒米の王様」とも呼ばれる品種です。

酒造好適米②五百万石

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読み方 ごひゃくまんごく
おもな銘柄 久保田、八海山、〆張鶴(しめはりづる) 純など
生産地 新潟県、富山県、福井県、石川県、福島県など
早晩性 早生

五百万石は2001年に山田錦に抜かれるまでの40年以上の間、国内生産高トップの酒米でした。心白が大きいために50%以上削るのが難しく高級酒には不向きといわれますが、麹の造りやすい酒米とされています。五百万石で造られた日本酒は、端麗辛口でスッキリした味わいで飲みやすい酒に仕上がります。

酒造好適米③美山錦

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読み方 みやまにしき
おもな銘柄 楯野川純米大吟醸中取り美山錦、名城美山錦本醸造、彗(シャア)39マックノート純米大吟醸美山錦など
生産地 長野県、秋田県、山形県、福島県、宮城県など
早晩性 早生

美山錦は国内生産高3位、粒が大きく心白が雪のように白いのが印象的な酒米です。寒さに強く心白がやや小さく、削ったときに砕けにくい特徴があります。美山錦で造った日本酒はなめらかでサッパリとして口当たりがよいとされています。

酒造好適米④雄町

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読み方 おまち
おもな銘柄 大吟醸雄町燦然、純米大吟醸雄町50、木村式奇跡のお酒純米大吟醸原酒など
おもな生産地 岡山県、広島県、福岡県など
早晩性 晩生

雄町は1859年に岡山県の上道郡高島村字雄町で発見された酒米で、現存するいくつかの酒米のルーツといわれています。心白が大きくお米が柔らかいために削りにくいという欠点がありますが、香り控えめ飲みごたえがある味の酒になります。愛飲家の間では山田錦と人気を二分する酒米です。

酒造好適米⑤秋田酒こまち

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読み方 あきたさけこまち
おもな銘柄 田酒純米大吟醸四割五分秋田酒こまち、阿櫻特別純米無濾過原酒秋田酒こまち、天花純米吟醸生原酒秋田酒こまちなど
生産地 秋田県
早晩性 晩生

秋田酒こまちは、秋田県で開発された秋田県オリジナルの酒米です。粒が大きくて削りやすく、蒸したときには弾力があって表面が乾きにくいために、麹が作りやすいという特徴があります。たんぱく質が少なく、秋田酒こまちで造られた日本酒は雑味が少なく上品な香りと甘みがあるといわれ、軽い後味が人気です。

酒米の種類【一般米】

Photo byallybally4b

普段食べるお米に分類される一般米からも日本酒は造られています。酒造好適米に比べて価格が安く、粒が小さく削りにくいために普通酒向きとされていますが、中には日本酒造りにすぐれた特性を持ち酒米だけに利用される品種も数多くあります。

ボタ爺

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一般米の中で日本酒の原料として有名なお米は「酒造適正米」と呼ばれているのじゃ。

一般米①亀の尾

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読み方 かめのお
おもな銘柄 純米大吟醸亀の尾、黒ばくれんなど
生産地 山形県、新潟県、秋田県など
早晩性 中生

亀の尾は寒い地域でもよく育ち、味がよいために東北地方で食べるお米として栽培されました。小粒ですが酒米としての評価が高く、明治初期には「西日本の雄町東日本の亀の尾」と呼ばれた品種です。亀の尾で造られた日本酒はドライな味わいとほかにはない酸味があるといわれ、亀の尾にこだわる酒蔵も多くあります。

ボタニ子

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亀の尾は一度栽培されなくなりましたが、その後復活して人気となった酒造適正米です。

一般米②オオセト

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読み方 オオセト
おもな銘柄 悦凱陣(よろこびがいじん)手造り純米オオセト、大倉特別純米オオセト、川鶴特別純米オオセトなど
生産地 香川県
早晩性 早生

オオセトは香川県で1980年から使用されている酒造適正米です。粒の大きさはやや小さめですが、粘り気がなく麹菌が入りやすい特徴があります。オオセトで造られた日本酒はまろやかな香りとスッキリしたキレを持ちます。

ボタ爺

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オオセトは兵庫県や京都府など数多くの酒造メーカーに人気の品種なんじゃ。

酒造好適米と一般米を食べたときの違い

違い①味

フリー写真素材ぱくたそ

出典:写真AC

酒造好適米は炊飯器で炊いて食べると、一般米よりあっさりとして甘みが少ないといわれています。これは脂質やたんぱく質が少ない分旨味が少ないためと、心白があり甘みのもとになるでんぷん質が少ないためです。

違い②食感

酒造好適米は炊飯器で炊いて食べると、一般米と比較して粘り気が少なくパサパサしている品種が多いといわれています。これは、酒造好適米には心白があり、すき間が多いためです。酒造好適米は炊飯器で炊いても、一般米ほどの芳醇な香りやもちもちの食感は期待できません。

ボタ爺

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酒造好適米はリゾットやチャーハン、パエリアなどにして食べるのがおすすめじゃよ。

酒米を知って美味しく飲んだり食べたりしよう!

出典:写真AC

酒米は、日本酒の味を決めます。数多くの酒米の種類や特徴を知って日本酒の味や風味を比較するのも、楽しみのひとつとなるでしょう。また、普段はなかなか個人向けに販売されていない酒造好適米も、少しずつ手軽にネット通販などで購入できるようになりました。ぜひ一度購入して味わってみましょう。

日本酒の原料を知りたい!有名・人気の酒米(酒造好適米)8選!のイメージ
日本酒の原料を知りたい!有名・人気の酒米(酒造好適米)8選!
日本酒の主な原料は、米と水です。特に米は、日本酒造りに適した種類である酒造好適米が主に使われています。さらに酒造好適米には、さまざまな種類があります。ここでは有名な酒造好適米を比較しながら、それぞれの違いと特徴を見ていきましょう。
umeko
ライター

umeko

ガーデニングと絵本と旅行好きの主婦です。私にとって花や緑は心の栄養です。

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