酒米とは?定義・特徴・種類や食べるお米との違いを詳しく解説!

酒米とは?定義・特徴・種類や食べるお米との違いを詳しく解説!

酒米は日本酒を造るためのお米ですが、普段食べられているお米と何が違うのか不思議に思う人もいるでしょう。この記事では酒米の定義やさまざまな種類、普段食べるお米と比較した特徴、炊飯器で炊いて食べたときの違いなどを解説します。

記事の目次

  1. 1.酒米とは
  2. 2.酒米の特徴
  3. 3.酒米の種類【酒造好適米】
  4. 4.酒米の種類【一般米】
  5. 5.酒造好適米と一般米を食べたときの違い
  6. 6.酒米を知って美味しく飲んだり食べたりしよう!

酒米とは

出典:写真AC

酒米の定義

酒米の定義は「日本酒の原料となるお米」です。日本酒は「酒造好適米」や日本酒造りに適した種類の「一般米」を原料とします。定義とは少し異なりますが、昔から大部分の日本酒が酒造好適米を使い造られていたために、近年でも酒造好適米を指して酒米と呼ぶ場合があります。

ボタ爺

ボタ爺

一般米とは普段ご飯として食べている米のことじゃよ。一般米であるササニシキやコシヒカリからも日本酒は造られているぞ。

酒造好適米と一般米

出典:写真AC

酒米の定義にある酒造好適米や一般米は、うるち玄米と呼ばれる同じ種類のお米です。農産物検査法の公示による農産物規格規定により、用途別に3つに分類され銘柄が記載されています。おもにお酒の原料とされるお米は醸造用玄米として分類され「日本酒原料米」や「酒造好適米」と呼ばれています。

うるち玄米の分類

玄米 ごはんとして食べられる一般米
もち玄米 もちやおこわの原料
醸造用玄米 酒の原料

ボタ爺

ボタ爺

うるち玄米はどれも炊飯器で炊いて食べられるぞ。

酒米の特徴

出典:写真AC

酒米の中でも酒造好適米は味のよい日本酒造りを目的として品種改良されているために、一般米と比較するとさまざまな特徴があります。

特徴①米粒が大きい

酒造好適米は一般米と比較して大粒です。食べる米は外から10%ほど削って精米しますが、酒米は35%以上を削り、雑味の原因である脂質やたんぱく質などを取り除きます。米粒が削りやすく壊れにくいように品種改良されて、通常の一般米より大粒になっています。

特徴②脂質やたんぱく質が少ない

酒造好適米は脂質やたんぱく質の含まれる量が食べるお米と比較して少ないです。お米の脂質やたんぱく質は食べたときにアミノ酸に分解されておいしいと感じますが、日本酒を造ると雑味となり、口当たりがなめらかでおいしい日本酒になりません。

ボタ爺

ボタ爺

雑味は日本酒の味の欠点を表すんじゃ。甘みや旨みといった日本酒の味のバランスが崩れてたときに使われるぞ。

特長③心白がある

酒米には、食べるお米にあまり見られない心白(しんぱく)と呼ばれる部分があります。米粒の中心部分に白く濁ったように見えるところが心白です。心白には中央が白い球状心白のほかに縦に筋が入った線状心白があります。

ボタ爺

ボタ爺

心白にはたくさんあるでんぷん質のすき間があって、底に麹菌が入り込むことで、米の中からでんぷん質を分解するぞ。

ボタニ子

ボタニ子

酒造好適米は心白米(しんぱくまい)とも呼ばれています。

特徴④晩生の品種が多い

出典:写真AC

酒造好適米は、粒を大きく育てるためにゆっくりと育つ晩生の品種が多いとされています。近年では、農家の負担軽減や寒い地域での栽培期間を考えて品種改良された早生の品種も増えてきました。

特徴⑤酒を造るのに適した性質

Photo by Spiegel

酒造好適米には、そのほかにも食べるお米と比較して水を含みやすい、外側が硬く内側が柔らかいなどの特徴があります。酒米は精米したときに割れにくい硬さや、もろみにしたときにすぐに溶けてしまわない強さが必要で、麹菌が硬い外側よりも柔らかい内側にしっかりと入るほどよい酒が造れます。

ボタ爺

ボタ爺

もろみは原酒を絞って濾す(こす)前の、米と酒が入り混じったどろどろとした液体じゃよ。

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酒米の種類【酒造好適米】

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