芍薬(シャクヤク)の概要
芍薬は中国~シベリアを原産とする多年草です。日本での歴史も非常に古く、平安時代にはすでに育てられていたといわれます。もともとは根を薬草にするために渡来しましたが、花の美しさから観賞用としても人気になりました。江戸時代には「茶席に飾る花」の代表として、とても重宝されたそうですよ。現代においても多くの園芸品種が開発され、白やピンク、黄色、青などさまざまな色があります。
花名 | 芍薬(シャクヤク) |
別名 | 恵比寿草(エビスグサ)、ピオニー |
分類・形態 | 草花・多年草 |
原産地 | 中国東北部~シベリア |
開花期 | 5月~6月 |
花色 | 赤、ピンク、白、紫、黄色、青 |
暑さ / 寒さ | 普通 / 強い |
特徴 | 香りがある、落葉性 |
名前の由来
芍薬という名前は、中国から渡来してきたときの「芍薬」という漢字をそのまま音読みにしたことが由来といわれます。中国で「芍」には「美しい」という意味があり、「芍薬」は直訳すると「きれいな薬草」です。これは芍薬が漢方として用いられていることにちなんでいます。同じような理由から、日本では恵比寿草(エビスグサ)という名前でも呼ばれます。また、「ピオニー」というのは、ギリシャ神話の精霊の名前です。
芍薬の花言葉は怖い?
怖い花言葉を持つのは「紫色の芍薬」
芍薬は咲きぶりがゴージャスで香りもよく、誕生日や結婚式などのお祝いの場にぴったりの花です。花言葉もほとんどはポジティブなものですが、紫色の花にだけは「怒り」「憤怒」という花言葉がつけられています。芍薬のあでやかさに似合わない、少し怖いフレーズですね。花束やアレンジメントなどギフトバリエーションも豊富で人気の芍薬ですが、強いこだわりがない場合は、紫色は避けたほうが安心でしょう。
怖い花言葉の由来
紫色の芍薬の花言葉は、ギリシャ神話にちなんだものです。優雅で美しいニンフ(精霊)のピオニーは、全知全能の神・ゼウスの子であるアポロンと恋に落ちました。その仲睦まじいようすを見つけたのが、アポロンの大叔母である美の女神・アフロディーテです。アフロディーテに見られていることにはじらうピオニーはとても可憐で、アフロディーテは嫉妬しました。その怒りによって、ピオニーを花に変えてしまったという逸話です。
ボタニ子
「怒り」「憤怒」という花言葉には、かわいらしいピオニーに嫉妬したアフロディーテの気持ちが表現されているんだね。
ボタ爺
花に変えられてしまったピオニーは、精霊だったとき以上に万人から愛される存在になったといわれているぞ。
芍薬の花言葉(紫色以外)
紫色を除けば、芍薬につけられているのはやわらかく優しい花言葉ばかりです。誕生日や愛の告白、結婚式など、さまざまなシーンを素敵に彩ってくれますよ。伝えたいメッセージにぴったりの花色を選んで、アレンジメントや花束に仕立てましょう。大輪の芍薬を主役にしたフラワーギフトは、インパクトも抜群ですね。また、芍薬全体に共通する花言葉は「つつましさ」です。青色や黄色には、その色独自の花言葉はありません。
赤い芍薬の花言葉
赤い芍薬の花言葉は「威厳」「誠実」「はにかみ」です。くっきりと情熱的な花色にぴったりの、凛々しい印象を与えるフレーズですね。八重咲き種は真っ赤な花びらが存在感抜群で、パーティー会場の装飾や大きなサイズのアレンジメントにも活躍します。一重咲きのものは花芯の黄色が目立つ分、ややソフトな印象です。大ぶりの花を束ねた花束は、フラワーギフトの王道「真っ赤なバラ」にも劣らぬ美しさです。
ピンクの芍薬の花言葉
ピンクの芍薬には「はじらい」「はにかみ」という花言葉がつけられています。女性らしい色合いにふさわしい、可憐な雰囲気のフレーズです。青みがかったピンクや淡く白っぽいピンクなど、濃淡によってもがらりと印象が変わります。花の根元がほんのり黄色を帯びた品種も、かわいらしくて素敵ですよ。アレンジメントは白や黄色などの花とあわせると明るく春らしい雰囲気が、紫や青の花とあわせるとシックな雰囲気が漂います。
白い芍薬の花言葉
白い芍薬の花言葉は「幸せな結婚」「満ち足りた心」「はにかみ」です。純白のウェディングドレスによく映える、幸せいっぱいのフレーズですね。白い花びらと緑色の葉とのコントラストも、さわやかでとても人気があります。またイノセントな印象の白い芍薬は、花嫁のブーケにも最適です。白一色でしっとりまとめても、ピンクや黄色と組み合わせて華やかに仕立てても素敵ですよ。
ボタニ子
フリルみたいな花びらでとてもゴージャスな花なのに、芍薬には奥ゆかしい雰囲気の花言葉も多いんだね!
ボタ爺
夕方になると花を閉じてしまう性質や、つぼみのときにはうつむきがちなことから、遠慮がちで恥ずかしがりやのイメージがついたんじゃよ。
出典:写真AC