アネモネってどんな花?
アネモネは、どのような花だと思いますか?白、赤、ピンク、青などたくさんの色があり、種類や大きさもさまざまです。また、花言葉もアネモネの色ごとに意味が違います。そんなアネモネの特徴や、花言葉を色別に詳しく解説していきます。まずは、アネモネの基本情報を知っておきましょう。
アネモネの基本情報
学名 | Anemone coronaria |
原産地 | ヨーロッパ南部から地中海沿岸 |
毒性 | あり |
開花期 | 2月~5月 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
アネモネの名前の由来
可愛らしくて華やかなイメージのアネモネですが、アネモネの名前の由来は、実は悲しいギリシャ神話が元になっています。愛し合っていた二人の男女が深く関係しているアネモネの名前の由来を紹介します。
実は怖い名前の由来
アネモネはフローラに仕えていた妖精で、西風の神ゼフュルスに愛されていました。フローラはゼフュルスが自分ではなくアネモネを愛していたことに腹を立て、アネモネを追い出します。そして、フローラとの平和を保つため、ゼフュルスがアネモネを花の姿に変えてしまうのです。女性の怖い嫉妬から生まれた花には、アネモネの名前がそのままつけられました。アネモネの変わらぬゼフュルスへの愛から、花言葉が誕生しています。
アネモネの特徴
アネモネは主に地中海沿岸に生息する球根植物です。科目はキンポウゲ科アネモネ属で、日本では昭和初期から「花一華」「牡丹一華」「紅花扇草」と呼ばれるほど華やかで人気があります。アネモネはよい日当たりを好みますが、耐暑性はありません。また、寒さに当てることでつぼみができるため、屋外で育てることがポイントです。
アネモネの種類
アネモネは花の色や花びらの形など、さまざまな種類があります。好きな色や形が選べるのも、アネモネの人気の理由です。また、日本だけでなく海外にもアネモネは存在しています。そんなアネモネの色や花びらの形を紹介します。
数百種類以上あり品種改良も盛ん
アネモネの種類は、日本には10種類ほど、海外には数百種類が存在します。品種改良も行われているため、大きさや色などさまざまなタイプのアネモネが育てられています。毎年のように新しい品種が誕生しているのも魅力の一つです。赤やピンク、白や青や紫など色の種類も豊富ですが、花びらも一重や八重、半八重など大きさの異なる多くの品種があります。
アネモネの毒
見た目が可愛らしいアネモネですが、アネモネの花には茎や葉など花全体に毒があるため、ガーデニングなどでアネモネを取り扱うときには注意が必要です。一体どのような毒があるのか、触ると出てくる症状などを説明します。
花全体
アネモネはあまり知られていませんが全ての部位に「プロトアネモニン」という毒があります。アネモネを間違えて食べてしまうと胃腸がただれてしまい炎症を起こします。犬や猫などのペットを飼っている場合は、誤って口にしてしまわないよう注意が必要です。
葉や茎
アネモネの葉や茎の部分にも毒があり、取り扱いには注意が必要です。葉をちぎったり、茎を折ったりしたときに出る汁に触れてしまうと、ひどいやけどを負ったようになります。汁に触れてしまった部分が腫れて水ぶくれができ、皮膚炎を引き起こすこともあるため、園芸時には手袋をしっかりとつけるなど対策が必要です。
アネモネの仲間
アネモネの仲間には、誰もが知っている人気の花が多く存在します。アネモネと同じように幾重にも花びらが重なる花、花が少ない時期に彩りを与えてくれる花、ツルを伸ばしながら綺麗な花を咲かせるガーデンプランツとして有名な花もあります。
キンポウゲ科の植物
アネモネはキンポウゲ科の植物です。アネモネと同じキンポウゲ科の植物には色とりどりで個性的な花が多く、ガーデニングでも人気の花が多くあります。そんな魅力的なキンポウゲ科の植物をいくつかご紹介します。
ラナンキュラス
豪華で可愛らしいラナンキュラスは、幾重にも重なる花びらがとても美しく華やかな花です。色もたくさんあり、花瓶に色とりどりのラナンキュラスを挿して飾るだけで、パッと明るい印象を与えます。アネモネと同じく3月から4月ごろに花を咲かせる球根植物です。
クリスマスローズ
「冬の女王」とも呼ばれるクリスマスローズは草や木が枯れ落ちる時期に、ピンクや白の優しい花を咲かせます。花が少ない季節にロマンチックな彩りを与えてくれるクリスマスローズは、耐寒性も強く初心者にも育てやすい植物です。
クレマチス
クレマチスは丈夫なツルを伸ばしながら成長し、綺麗な花を咲かせます。ガーデンプランツとしても人気があり、作りたい庭のイメージに合わせて色や品種が選べるのも魅力の一つです。バラのようなトゲもなく、ツルも柔らかいため、形を好きにコントロールすることも可能です。
アネモネの色別花言葉
アネモネは色によって花言葉が違います。アネモネ全体の花言葉は「はかない恋」「嫉妬のための無実の犠牲」「見捨てられた」「見放された」「恋の苦しみ」「薄れゆく希望」です。希望もなく怖いものばかりで、平和な春を待つ季節に不釣り合いな花言葉が多いといえます。ここからは、色別の花言葉を詳しく紹介します。
白いアネモネの花言葉
潔白で誠実なイメージのある真っ白なアネモネには、「真実」「期待」「希望」という輝かしい花言葉があります。白色は安らぎや安心感を与えられます。未来への希望や光を連想させる真っ白なアネモネは、大切な人へのプレゼントにぴったりです。
赤いアネモネの花言葉
真っ赤なアネモネには、情熱的で「君を愛す」という花言葉があります。告白やプロポーズのときに真っ赤なバラではなく真っ赤なアネモネを贈るのも素敵です。大好きな人に「君を愛す」という思いを伝えたいときにおすすめです。
ピンクのアネモネの花言葉
ピンクのアネモネには「待ち望む」という花言葉がつけられています。一般的にピンクの花にはポジティブな意味の花言葉が多いのですが、アネモネの場合は少し悲しい花言葉です。これはアネモネの名前の由来にもつながっていて、「待ち望む」という希望と不安の混ざった恋心を表しているかのようです。
青いアネモネの花言葉
青色には人を冷静にさせたり、落ち着かせたりする効果があります。青いアネモネには「固い誓い」という花言葉がつけられています。冷静にものごとを考え、未来を見据えて約束を守り続けるという意味が込められているのでしょう。
紫のアネモネの花言葉
紫のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」です。紫は昔から高貴な色で長寿の象徴とされています。紫のアネモネの花言葉は、長い時の流れをイメージしてつけられています。愛する相手を信じて、ずっと待ち続けている人の姿を連想させる花言葉です。
まとめ
アネモネの特徴や名前の由来、花言葉などをご紹介しました。色や形が可愛らしいアネモネですが、神話の悲恋が由来しているため、意外な花言葉もあります。毒があるということだけは注意して、春の始まりを告げるアネモネを育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC