水中花とは
水中花は、水の中に花を沈めるフラワーアレンジメントで「サブマージフラワー」とも呼ばれます。結婚式のテーブル装花として使われることが多く、自宅のおしゃれなインテリアとしてもおすすめです。美しく高級感のある水中花は、花の本数が少なくても豪華に見えますよ。
ボタニ子
水中花といえば、水の中で花を咲かせる水草もあるんだって!
ボタ爺
川などに自生するバイカモのことじゃな。バイカモは水の中で白い小花を咲かせる水草なんじゃ。
かつての水中花
水中花は江戸時代に中国から伝わったといわれています。もともとは酒の席での遊びとして楽しまれていました。当時の水中花は、水や酒などに入れると花が開くものでした。材料は、カミヤツデという植物で作られる「通草紙」という紙などです。その後、水中花は縁日などで売られ、夏の風物詩となりました。今でも水中花は夏の季語です。
ボタニ子
昨今では通草紙は手に入らなくなったけれど、今でも和紙などを使えば懐かしい雰囲気の水中花が手作りできるよ。
ボタ爺
通草紙は和紙のようにも見えるけれど、和紙とは異なる特性を持っていたと考えられておるぞい。
80年代に流行った「水中花シフトノブ」
マニュアル車が主流だった1980年代には、車の内装をおしゃれにカスタマイズすることがブームとなり、水中花デザインのシフトノブが流行しました。なお、シフトノブとは車の運転操作に使われるパーツの一つです。水中花シフトノブは近年でもネットショップなどで販売され、レジンなどで手作りしている人もいます。
水中花のレジンアクセサリーなども人気
水のように透明なレジンの中に花を封じこめた水中花のレジンアクセサリーなども人気があります。レジンアクセサリーの材料であるレジン液などは100均でも多数販売されているため、気軽に手作りしてみるのもおすすめです。中に入れる花は、生花ではなく劣化しにくい造花やドライフラワーなどを使いましょう。
水中花とハーバリウムの違い
水中花とハーバリウムは材料が違う
水中花とハーバリウムは見た目が似ていますが、使われる材料が異なります。花の周りを満たす液体は、水中花では水ですが、ハーバリウムでは専用のオイルです。また、中に入っている花も、水中花は生花や造花などを使いますが、ハーバリウムはドライフラワーやプリザーブドフラワーなど乾燥した花を使います(生花は使えません)。
キャンドル使用や長期保存できるかが異なる
材料などの違いから、水中花とハーバリウムは異なる特徴を持ちます。水中花はキャンドルと一緒に飾れますが、オイルを使うハーバリウムは引火の恐れがあるためキャンドルは使用不可です。また、ハーバリウムは手入れが不要で長期保存できますが、水中花は長期保存に向きません。特に生花を使った水中花は数日程度しか持たず、水換えなどの手入れも必要です。
水中花とハーバリウムの違い
- 保存可能な期間:ハーバリウムのほうが長い
- キャンドル使用の可不可:水中花では使えるが、ハーバリウムでは使えない
- 使える花材:ハーバリウムは乾燥した花のみだが、水中花は生花も使える
- 花の周りを満たす液体:ハーバリウムは専用のオイル、水中花は水である
ボタニ子
水中花は生花を使いたいときやキャンドルと一緒に飾りたいときにおすすめだよ。
ボタ爺
ハーバリウムは長期保存したいときや水換えなどの手間を省きたいときにおすすめじゃ。
映える水中花の簡単な作り方【造花】
造花を使えばサブマージフラワーは簡単に手作りできます。丈夫で長持ちする造花なら、扱いやすく手入れもほとんどいりません。手頃な価格で作れるのも魅力です。リアルさや高級感を追求したいときには、アーティフィシャルフラワー(生花をよりリアルに再現した造花)を使うのがおすすめですよ。水は汚れが気になるときにだけ換えてくださいね。
用意するもの
- 造花:1~3本くらい
- 剣山:1個
- ビー玉:適量
- 水:適量
- 透明な容器(ガラス製の花瓶・コップなど):1個
- ペンチ:1個
- ピンセット(割り箸でも代用可):1個
- お好みで飾り用のアイテム(フローティングキャンドル・ミラーなど):適量
ボタニ子
造花の茎は硬くて切りにくいのでペンチを用意してね。
ボタ爺
100均で買えるアイテムばかり(ガラス製の花瓶のみ200円商品)じゃよ。
作り方
①造花の茎を切る
②容器に剣山・ビー玉を入れる
ビー玉で剣山を隠しましょう。ビー玉が光を反射して美しく見せてくれます。
③造花を剣山にさす
④容器に水を注ぐ
⑤全体を整えて飾り用のアイテムを飾る
フローティングキャンドルを浮かべたり、ミラーを敷いたりしても華やかになります。
次のページでは、生花やポリ袋を使って水中花を作る方法を紹介します。
出典:写真AC