平凡な庭も竹垣ひとつで日本庭園に早変わり!
竹垣は、日本古来の城や日本庭園、古い和風宿などによく見られる装飾のひとつです。竹がもたらす温かみや和風の雰囲気は、そこで過ごす人たちに安らぎや心地よさを与えます。竹垣には大きなものから小さなものまでたくさんの種類があり、素材も真竹に限らずさまざまです。平凡な庭に竹垣を取り入れて、おしゃれな和風ガーデン作りを目指しましょう。
竹垣の概要と使う目的
竹垣とは
竹垣とはその名のとおり「竹の垣根」のことで、竹を編んで作った仕切りや柵のことをいいます。内と外を分けるために作られる「垣根」の素材として、竹は古くから日本で好んで使われてきました。大きな竹垣を使って家と道路や隣家とを遮るのにはもちろん、小さな竹垣を庭や室内の和風装飾として取り入れるのもおしゃれでおすすめです。
竹垣を使う目的
①目隠し
竹垣を導入する理由で多いのが「目隠し目的」です。道路に面する一軒家やマンションなどの下の階に住む人にとって、他人の目は意外に気になるものです。竹垣を使って家の内と外を隔てることで、家の中をのぞかれることなくプライバシーを保てます。また、竹が持つ温かみのおかげで、外から見ても冷たい印象を与えることが少ないのも利点です。
ボタニ子
②景観アップ
庭に竹垣を取り入れる目的のひとつに「景観アップ」が挙げられます。庭をぐるっと竹垣で覆うと、植えている植物に関係なく和風ガーデンができ上ります。竹垣のよいところは、内側からだけでなく外側から見ても和風テイストに仕上がる点です。まるで城の外壁のような古きよき印象を、訪問者や前を通る人に与えます。
③敷居
和風テイストの家作りの際に、敷居に竹垣を使う人も増えてきています。敷居とは、門や出入口などの開口部分や部屋と部屋の間に置く横木のことを指します。庭を取り囲むタイプの竹垣と違ってコンパクトに和を楽しめ、限られた空間に取り入れやすい点も魅力です。また、庭の一部分だけを和風ガーデンに仕上げたいときにも、竹垣の敷居はおすすめです。
④暴風予防
竹垣はおしゃれなだけでなく、実は暴風予防にもなります。庭をぐるっと一周取り囲むことで、庭や家に暴風が吹きこむのを防ぎ、植えている植物や置いているもの、窓ガラスや玄関などを守ります。竹垣にはたくさんの種類があり風を通しやすいものもあるため、暴風予防目的の場合は選び方に気をつけましょう。
竹垣の種類【透かし垣】
竹垣は大きく「透かし垣」と「遮蔽(しゃへい)垣」の二種類に分かれます。まずは透かし垣の種類から見ていきましょう。透かし垣とは、垣根の間に隙間があり透けて見えるタイプの垣根のことです。日本庭園などで仕切りの目的で使われることが多く、主に内垣用として使われます。
①金閣寺垣
金閣寺垣とは太い竹をダイナミックに使った存在感のある竹垣で、金閣寺内に作られたことから名前がつけられました。丸い竹を十字に組み、半分に割った竹を上部に被せるのが特徴です。ほかの竹垣に比べて高さが50cmほどと低く、別名「足元垣」とも呼ばれています。通路と庭の境目や小さな日本庭園作りの際の装飾として人気です。
②光悦垣(こうえつがき)
光悦垣とは、緩やかな曲線と竹の存在感がみごとにマッチした柔らかい印象の竹垣です。サイズはさまざまですが、大きいものは10mを越し、日本庭園の主役としても使えます。どこかモダンな雰囲気も兼ね備えているため、洋風ガーデンにもピッタリです。細く割った竹で曲線を作り出すのは難しく、まさに職人技ともいえます。
③矢来垣(やらいがき)
矢来垣は江戸時代から広く作られてきた伝統的な竹垣のひとつで、別名「竹矢来」ともいわれます。矢来とは囲いを意味する言葉で、塀代わりや柵、ガーデン内の敷居として使われます。太い竹を二つ割りにしたものや丸竹を使い、先端を斜めにカットするのが特徴です。先端が尖らせた竹を用いることから、人の侵入を防ぐ目的としても使われます。
④四ツ目垣
透かし垣の中でも、一般の庭や公園、庭園によくみられるのが四ツ目垣です。竹を水平に4段に組み、そこに垂直に竹を組み入れる姿が四ツ目にみえることから名づけられました。シンプルなデザインですが高さや間隔を変えることでさまざまな雰囲気を楽しめるため、作りたいガーデンのイメージにあわせて調整しやすく人気です。
⑤龍安寺垣(りゅうあんじがき)
龍安寺垣は、金閣寺垣、光悦垣、矢来垣の要素を組み込んで作られた竹垣です。龍安寺にある垣根を原型に作られたことが名前の由来です。背が低いのが特徴で、通路と庭の境の装飾や家屋の一部として好んでよく使われます。割った竹を斜めに交差させ、上部を太めの割竹で抑えてあるのが特徴です。
ボタニ子
次も引き続き竹垣の種類について紹介していくよ!
目隠し目的なら、透けて見えない作りの竹垣を選んでね!