竹炭とは
竹炭とは、字のとおり竹を材料として作った炭のことです。炭自体の歴史は大変古く、人類が火を使い始めたころから存在するといわれています。日本へは平安時代に中国から炭がやってきました。昔から神社仏閣の建物の底には炭が敷かれ、建物を湿度から守ってきたといわれています。人間の歴史と生活の知恵がつまっているのが炭です。
竹炭と木炭の違い
炭には大きく分けて2種類あります。一つは木炭です。比較的多く流通しており、燃料としてよく使用されています。キャンプの道具として欠かさず持っていく方もいるでしょう。もう一つは竹炭です。木炭に比べて炭作りの手間がかかるため、あまり多く流通してはいません。近年では竹炭の効能や用途が広く知られるようになり、竹炭が注目を集めるようになりました。
作り方が難しいのは竹炭
燃え続けると灰になってしまう木材を、燃える途中で酸素を遮断して蒸し焼きにして作るのが炭です。比較的低温でも簡単に炭になりやすい木とは違い、竹は構造上焼き入れが難しく、高温で焼き続けないと炭になりません。また竹の内部には水分が多く含まれているため、炭になる過程で曲がったり割れたりすることもあり、作り方が難しいとされています。
竹炭の特徴
木炭に比べ作り方が難しい竹炭ですが、竹炭ならではの特徴もあり、木炭には変えられない魅力と効果があります。竹炭の特徴を知れば、竹炭を作ってみたいという気持ちになるかもしれません。特徴を知っていると実際に竹炭作りをするときに役に立ちますね。
細かい穴がたくさんある
竹炭の組織を顕微鏡でのぞくと、細かな穴がたくさん開いているのが分かります。穴は蜂の巣のようにきれいな構造です。この穴があるため竹炭は吸収力が高く、湿度や臭い、有害物質を吸う働きをします。竹炭は天日干しすると吸収していたものを外に放出することから、除湿・消臭・除菌効果を継続的に期待できる優れた素材です。
ミネラルが含まれる
竹にはカリウム、珪素などのミネラル分が豊富に含まれています。飲料水やお米を炊くときに竹炭を使用すると栄養素が高くなるため、簡単にミネラル摂取できるよう飲食用の竹炭パウダーやカプセルも商品化されています。
ボタニ子
ボタ爺
食用以外の用途で楽しむんじゃぞ!
BBQコンロを使った竹炭の作り方
木炭と比べるとハードルが高いイメージの竹炭作りですが、初心者でも簡単でチャレンジしやすいのがBBQコンロと空き缶を使った方法です。キャンプや自宅でBBQコンロを使う方におすすめの作り方です。途中で中断してもまた続きから焼くことができ、忙しい人でもすきま時間にチャレンジできますよ。
用意するもの
- BBQコンロと焼き網
- 空き缶
- 炭にする竹
- のこぎりとなた
- 千枚通し
- 薪と着火剤
- うちわもしくはBBQ用送風機
作り方
①竹を切って缶につめる
缶のふたが閉まる程度の高さに竹をカットします。カットした竹を縦半分に切り、節も落としておきましょう。縦半分にして節を落とすと形が整い、炭化するときのゆがみを軽減できます。形をそろえた竹をできるだけすきまがないように缶の中につめこんでください。できれば缶をひっくり返しても竹が落ちないくらいつめこみましょう。
②缶のふたに穴を開け、コンロに火をつける
空き缶のふたに通気口となるように5箇所ほど穴を開けます。BBQコンロに燃料を入れて火をつけてください。このとき、もしあれば笹や木の葉っぱを入れましょう。着火剤の役割をして火がよく燃えるように助けてくれます。炭にするためにカットした竹が余っていれば燃料として使ってもよいですね。
③火力を強める
できるだけ強い火で焼いていくため、コンロの火はBBQをするときよりも強めの炎になるように調節します。このとき、空気を送り込むのにうちわを使用してもよいのですが、送風機を使用するとより大量の空気を送り込めて、簡単に火の勢いを強くすることが可能です。持っている方はぜひ使ってみてください。ハンディタイプの扇風機も同じように使用できます。
④焼き網の上で缶を焼く
起こした火が安定してきたらBBQコンロの上に焼き網をセットします。竹をつめてふたをした缶を網の上に置いて、いよいよ焼いていきます。このとき、火が小さくならないよう見守りましょう。火が小さくなったら適宜空気を送り込んで火力を強くしてください。焼き網をコンロの対角線に配置しておくと、網のすきまから途中で簡単に燃料を追加できます。
⑤黄色い煙が出なくなるまで焼く
火力と竹の量にもよりますが、1〜3時間程度火を燃やし続けてください。竹が酸化していく過程で、缶のふたに開けられた穴から黄色くて鼻につく臭いのする煙がいきおいよく出てきます。この煙が出なくなったら火を止めましょう。時間がなければ一度作業を中断して、また都合のよいときに火を入れることもできます。
⑥缶が冷えるのを待つ
缶は非常に熱いため、すぐにさわるとやけどする危険があります。完全に冷えるまで待ってから開けてください。缶を開けてみて中の竹がしっかり黒くなっていれば竹炭の完成です。もしまだ生焼けの状態であれば火入れが足りないため、その場合はもう一度火にかけて焼いてみましょう。
手作りする竹炭にはタールが残っている場合があって、体に有害なので口に入れることはおすすめできないの…。