イノコズチの見分け方
日本に生息しているイノコズチにはたくさんの種類がありますが、大きく分けるとヒナタイノコヅチとヒカゲイノコヅチに分けられます。ここでは、そんなイノコズチの見分け方について解説していきます。
ヒナタイノコヅチ
ヒナタイノコヅチは日当たりのよい道ばたや草地などに生息しています。日当たりが悪い場所には生えないので、森の中などには生えていないようです。ヒナタイノコヅチは葉が厚く、葉の先が短くとがっています。また、全体的に毛が多いのも特徴の1つなので、見分け方のポイントになります。
ヒカゲイノコヅチ
ヒカゲイノコヅチは日のあまり当たらない林内や竹やぶに多く生息しています。ヒカゲイノコヅチの茎の断面は四角形で、ヒナタイノコヅチよりも節が固いです。葉は節の両側から生える対生で、長楕円の形をしています。ヒナタイノコヅチに比べると葉の質は薄くて、葉の両面にまばらに毛があるのが特徴です。
その他のイノコズチ
ヤナギイノコズチ
ヤナギイノコズチは柳のように葉が細いことが名前の由来になっています。葉の形は広披針形で、葉の質は薄いです。全体的に毛がないことと、葉に光沢があるのが見分け方のポイントになります。
ムラサキイノコズチ
ムラサキイノコズチは、日当たりのよい道ばたや草地などでよく見られます。葉の形は卵状楕円形や楕円形で、乾燥すると葉が褐色に変化します。全体的に毛がないのもムラサキイノコズチの特徴です。また、ムラサキイノコズチの最大の特徴は、沖縄にしか生息していないというところです。
ハチジョウイノコズチ
八丈島に生息していることから、ハチジョウイノコズチと呼ばれています。しかし、ハチジョウイノコズチは八丈島固有の種類ではなく、九州南部や沖縄でも見られます。海岸沿いに多く生息しており、葉は長楕円形で光沢を帯びています。また、葉の表面に毛がないのも特徴です。
イノコズチの利用方法
イノコズチは種子を飛ばして動物や衣服にくっつけることから、「ひっつきむし」と呼ばれ、多くの人に知れ渡っている植物です。ここでは、そんなイノコズチの利用方法についてご紹介していきます。
薬用としてのイノコズチ
イノコズチを使った生薬に牛膝(ごしつ)というものがあります。牛膝(ごしつ)は乾燥させたイノコズチの根を細かくしたもので、利尿や強精、通径の薬として幅広く使われています。さらに、牛膝(ごしつ)には子宮収縮作用があり、堕胎薬としても使われていました。
食用としてのイノコズチ
イノコズチは食用としても利用できます。イノコズチの若葉やつぼみを茹でた後に水でひたすと、おひたしや和え物、炒め物として食べられます。他にも、イノコズチの葉を細かく刻んで燥させたイノコヅチ茶は健康茶の1つとして有名です。ちなみに、イノコズチの種子は食べられないようです。
まとめ
今回は、イノコズチについてご紹介してきました。イノコズチにはたくさんの種類があり、生薬としての利用方法もある植物です。イノコズチは食べられるので、興味のある方は試してみるのもいいでしょう。
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