ナギナタガヤとは?
ボタニ子
そうだね。生えてほしくない場所の植物は雑草になってしまうのだけど、ナギナタガヤにはすごい利用方法があるんだよ。
ボタニ子
へーっ。どんな利用方法なんだろ。気になるね。
ナギナタガヤの基本情報
学名 | Festuca Myuros L. |
英名 | Rat's tail |
別名 | ネズミノシッポ |
分類 | イネ科ウシノケグサ属 |
形態 | 1年生または越年草 |
原産地および分布
ナギナタガヤの原産地は、北アフリカやユーラシア地方などの温帯域です。現在は世界中の温帯地域に分布しており、日本や北アメリカに帰化しています。日本には明治時代に牧草として導入され、本州や四国、九州などの空き地や牧草地で普通にみられる雑草となっています。
名前の由来
ナギナタガヤの名前の由来は、小穂をつけた姿が薙刀(なぎなた)に似ている特徴的な見た目からきています。ナギナタガヤの穂先の小穂は片側に偏っており、穂が傾いたときに外側に小穂が並んでみえます。この小穂には、長さが5~15mmの芒(のぎ)がついており、先端が近くなるにつれて短くなるため、名前のとおり刃先が大きく沿っている薙刀のように見えるのです。
ナギナタガヤの特徴
形態的特徴
ナギナタガヤは草丈が10~70cmになる植物で、穂をつけた立ち姿が薙刀のようにみえます。葉は地面から直接生え、線状に細く内巻きしています。茎は細く何本も密になって生えるのが特徴的です。穂は円錐花序という根元に近いところほど長い枝を伸ばす形状をしており、先端部分は短く片側に偏っているため、傾いたときに薙刀のように見えます。
生態的特徴
ナギナタガヤは秋に出芽し、5cm程度の大きさで越冬して、春になると大きくなります。開花時期は5月~6月となっていますが、その後枯れてべたっと地面を覆いかぶさるように倒伏するのが最大の特徴です。稈(かん)が密に生えているため、倒れることによってわらのカーペットのようになり、地面の下の雑草への光を遮ります。
草生栽培の概要
草生栽培とは?
草生栽培とは、字のとおり草を生やしながら作物を育てる方法です。特に果樹園では、ライムギやナギナタガヤなどの特定の植物種をわざと生やし、他の雑草の生育を遮る特性を上手に利用することで、草刈りや除草剤の利用などによる雑草管理の省力化につながるので、プロの農業者のあいだで積極的に導入されています。草生栽培の逆は清耕栽培といい、除草剤や草刈りをして草を全く生やさない管理手法です。
草生栽培の仕方
草生栽培に取組むときは、樹園地に生えてくる雑草の中から厄介なものだけを抜いて放置することから始められます。高い効果を得るためには、ライムギやナギナタガヤ、センチピードグラスなどの特定の草種の播種(はしゅ)が必要です。いずれの手法も管理をしやすくするために定期的な草刈りが必要になりますが、ナギナタガヤの場合は、初夏になると枯れはじめてワラを敷いたようになり雑草の生育を妨げるので、除草剤散布や草刈りの手間を省けます。
ボタニ子
次のページでは草生栽培のメリットとデメリットについて紹介するよ。
ナギナタガヤかぁ。カヤって聞くと、じゃまな雑草な感じがするね。