どくだみ茶とは
どくだみ茶とは、ミネラル・フラボノイドといったさまさまな効果・効能をもつ成分を豊富に含んだ植物『どくだみ』を乾燥させ、煮出し(煎じ)て飲むお茶です。健康茶として古くから日本人の生活の中で活躍してきた実力に反して、その鼻を突くような独特の匂いや下痢をするなどといううわさのせいで、むしろ嫌われ者として冷たい扱いを受け続けてきた印象もあります。
どくだみ茶の効能
近年では社会的な健康志向の高まりを受けて自然派成分が見直され、さまざまなカテゴリーで天然をうりにした商品が注目される傾向にあります。そこで、浮上してきたのが『どくだみ茶』。無限とも思われるほどの幅広い効果・効能をもつどくだみですから重宝されるのも納得です。その性質を理解し正しく利用すれば下痢など副作用の心配もなく、手軽にデトックス体験(体内に溜まる有害な毒物を排出させること)できます。
どくだみとは
独特な匂いと生命力の強さが特徴の植物
どくだみとは、日本国内どこでも目にすることができる独特な匂いと生命力の強さが特徴の植物です。裏庭の日陰にいつの間にか群生していて、決して良い香りとはいえない強い匂いを放ち、どんなに抜いても、またすぐに蔓延ってしまう。まさに厄介な雑草というイメージにぴったり。反面、その可憐な真っ白い花と鮮やかなグリーンの葉っぱのコントラストが爽やかな初夏を感じさせてくれます。
どくだみの特徴
しかし、花弁のように見える白い部分、これは実は花弁ではなく総苞片(そうほうへん)というもので、実際の花は、その中央に伸びる黄色い部分だったというのはトリビアではないでしょうか。どくだみの特徴でもある匂いの成分はデカノイルーアセトアルデヒドといって、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌などの細菌に有効な抑制機能を持ち、傷口の止血や再生に効果的な成分です。その効能が優れた民間治療薬として多くの人達から高い支持を受けてきたのです。
さまざまな利用方法
どくだみは十薬(じゅうやく)という生薬名が示すように、たくさんの薬効をもつ万能薬です。風邪や便秘、高血圧には煮出し(煎じ)たお茶を飲む、冷え症にはお風呂に入れて入浴する、蓄膿症には直接鼻腔に詰める、傷やお肌トラブルにはフレッシュ、あるいは火であぶったどくだみの葉を患部に貼るなど、その利用方法もさまざまです。最近では、そのデトックス効果に注目し美容のために取り入れている方も増えています。
オススメの利用法
その優れた効用のおかげで、どくだみはさまざまな場面で役立ち、健康な暮らしにはなくてはならない存在だったというわけですね。なかでもオススメの利用法といえば、なんといっても「どくだみ茶」でしょう。どくだみパワーをギュッと凝縮し余すところなく身体に取り込む一番の方法です。仄暗い日陰で育つ嫌な匂いの厄介者などというマイナスイメージはどくだみに失礼ですね。
どくだみ茶の作り方
健康や美容に効果抜群のどくだみ茶の作り方ですが、もちろん市販のどくだみ配合の商品を購入し、ご家庭で飲むという手もありますが、せっかくですからゼロから始めてみるのをおすすめします。意外にやってみれば簡単、少し時間は必要ですが自家製どくだみ茶をご自身で作ってみるのも良いのではないでしょうか。美味しいどくだみ茶を作る際のポイントは、なんといっても乾燥と煮出し方(煎じ方)です。
どくだみ茶の作り方(どくだみの採集)
どくだみ茶の作り方の第一歩は、なんといってもどくだみ茶の元となるどくだみを採集すること。どくだみの生息地は半日陰のじめじめした場所です。おすすめの道具は鎌。地上すれすれの部分を刈り取るには鎌が一番使い勝手が良いでしょう。そして、肝心なのは収穫時期です。
どくだみ採集に最適な時期
どくだみの持つ効能・効果を最大限に行き出すためには、植物自身が成分や栄養を最も蓄えているタイミングで摘み取り、お茶にするのがベストなのはいうまでもありません。つまり、どくだみの収穫に最適な時期は、開花期である5~7月頃。なかでも開花前の蕾の時期に刈り取ることが、どくだみパワーを最大限に閉じ込めたどくだみ茶を作る鍵となります。
どくだみ採集の注意点
周囲を見渡してみると思わぬところでフレッシュなどくだみに出会えることもあるものです。それを摘み取り乾燥させるというひと手間をかけることで美味しいどくだみ茶を飲めるのですから、一度チャレンジする価値はあるはず。もちろん収穫する場所は、車通りの多い所やワンちゃんのお散歩コースを避けるのはいうまでもありません。
どくだみ茶の作り方(どくだみの乾燥)
最高の時期に刈り取ったどくだみは、即、洗浄・乾燥作業に入ります。どくだみ茶作りの中でも、この「乾燥」の作業が一番重要なプロセスになります。しっかり洗浄し、きれいになったどくだみを5~6本の束にして、雨露のかからない風通しの良い日陰の軒下などに吊るし、自然乾燥させます。
どくだみ乾燥に必要な時間
どくだみは天気が良ければ、1週間から10日で完全に乾いた状態になります。パリッと音がする位に乾燥したどくだみを適当な長さにカットし、乾燥材と一緒に密閉容器にいれれば、美味しいどくだみ茶の完成です。
どくだみ乾燥の注意点
せっかく時間をかけて美味しく仕上がったどくだみ茶ですが、正しい保存・管理法ができていなければだいなしです。どくだみ茶の保存で重要なのも、乾燥です。常に乾燥状態を保ち、カビなどが発生しないように気を配るのが大事です。念のため、フライパンなどを使用してカラ煎りしてみるのも良いでしょう。
どくだみ茶の作り方(どくだみ茶の煎じ方)
さて、これをお茶にして飲むわけですが、ここにもポイントがあります。やかんや急須で煮出し(煎じ)て淹れるどくだみ茶ですが、いずれも、とにかくゆっくり時間をかけて成分を煮出し(煎じ)切ることを意識します。とても時間はかかりますが、どくだみ茶を美味しくいただくためにはこの「煮出し(煎じ)」の時間も、とても大事な条件なのです。
どくだみ茶煎じ方の注意点
手間暇かけて美味しく仕上がったどくだみ茶ですから、正しい淹れ方ができていなければ意味がありません。どくだみ茶を煮出す際には決して沸騰させず、適温でしっかり煮出し(煎じ)たあとは、早急に茶葉を取り除かなければ美味しさも半減してしまうのです。