カモガヤとは?
カモガヤという植物をしっていますか?カモガヤは世界的に有名な牧草のひとつに数えられていますが、花粉症の原因植物としても有名です。この記事では、カモガヤが二つの顔をもつようになった理由について解説するとともに、花粉症の対策方法や栽培方法についてお伝えします。
基本情報
学名 | Dactylis glomerate L. |
和名 | 鴨茅 |
英名 | Cock's-foot grass、orchard grass |
別名 | オーチャードグラス |
分類 | イネ科カモガヤ属 |
形態 | 多年草 |
名前の由来
カモガヤの英名のCock's-foot grassは、開花した穂の姿がニワトリの脚が開いた状態に似ていることが由来になっています。日本名の由来は、諸説ありますが、日本に伝来したときにCock(ニワトリ)をDuck(アヒル)と間違えたからといわれてます。別名のオーチャードグラスは果樹園の草という意味ですので、外国の生息分布をイメージできるでしょう。
ボタニ子
生息分布
カモガヤは、地中海から西アジアに自然分布しており日本には1860年頃に飼料用として持ち込まれました。生息分布は、北海道から九州までと広く、道端や公園、畑などでよく見かけられます。一方で、栽培に適した場所は夏場が冷涼でないと群生できないため、関東以西の分布では標高が高い場所に限られます。
カモガヤの特徴
形態的特徴
カモガヤの穂の形態的特徴
カモガヤの花序は先端円錐状になっており、1~2本の枝をつけ、開花時期が近づくにつれ水平に開きます。小穂は片側に偏って塊状に密集し、3~6の小花からなります。出穂直後の小穂は濃い緑色ですが、開花とともに黄色味を帯びだし、種子をつける時期になると白化します。
カモガヤの葉の形態的特徴
カモガヤの茎葉は短い根茎を持ち、株を形成し叢生します。葉の形は平べったい扁平状で、色はつやのない深い緑色で、触り心地は滑らかな質感です。葉の幅は3~15mmで長さは10~40cmで、葉舌は0.7~1.3cmの三角の形をしており、草丈は1.5mほどまで大きくなります。
生態的特徴
カモガヤの開花時期
イネ科植物の開花時期といえば秋をイメージするでしょうが、カモガヤの開花時期は関東以西では5~6月、北海道東北では6~7月です。5月ごろに出穂し、小花をつけると早朝におしべから花粉を飛ばします。カモガヤは出穂時期までにどの茎から穂を出すか決まっているため、すべての茎から出穂しません。
カモガヤの増殖方法
カモガヤは種子と地下茎からの再生によって繁殖します。種子は動物に食べられても消化されず発芽能力を維持したまま糞を介して生息分布を拡げます。地面に落ちた種子は秋ごろに芽を出しますが、冬時期は休眠状態に入り草丈はほとんど伸びません。また、カモガヤには高い再生力があり、2回程度刈り取られても1~1.3mの高さまで茎葉が伸びます。
ボタニ子
つぎはカモガヤの花粉症被害やその対策について紹介するよ。
もしニワトリのままだったら、「トリノアシガヤ」って名前になっていたんだって。