イタリアンライグラスとは
イタリアンライグラスは、ヨーロッパ原産のイネ科の植物です。日本ではよく見かける雑草の1つで、河川敷や畑、道端など、いたるところに生えています。元々は日本には分布していませんでしたが、明治時代に牧草として使うためにヨーロッパから輸入されました。しかし、繁殖力が非常に強く、日当たりがよく温暖な気候を好むため、あっという間に日本全国に広がり、現在では要注意外来生物に指定されています。
基本情報
学名 | Lolium multiflorum |
科名 | イネ科 |
属名 | ドクムギ属 |
別名 | ネズミムギ |
原産 | ヨーロッパ |
分布 | アジア、アフリカ、オセアニア、南北アメリカ |
生息環境 | 樹園地、路傍、空地、河川敷、牧草地、荒地 |
形態 | 越年草 |
草丈 | 0.3~1.0m |
繁殖携帯 | 両性花、風媒花 |
ネズミムギは別名
イネ科の花粉症に悩まされている方は「ネズミムギ」という植物の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。ネズミムギは、イタリアンライグラスの別名です。海外ではイタリアンライグラスと呼ばれますが、日本ではネズミムギと呼ばれています。
イタリアンライグラスの用途
現在では強害草として日本中に広がったイタリアンライグラスですが、元々は使用目的があってヨーロッパから日本に輸入されました。ここからは、イタリアンライグラスの用途について紹介します。イタリアンライグラスは現在でも目的をもって使われているため、しっかり管理すれば有用な植物です。
用途①牧草
イタリアンライグラスは、元々ヨーロッパで牧草として使われていました。現在でも牧草として使われているため、酪農家向けに種子が販売されています。また品種改良も行われており、より品質のいい飼料になるよう日々研究開発が進んでいます。現在の日本の酪農では飼料の自給率向上が大きな課題であるため、繁殖力の強いイタリアンライグラスは国産飼料として注目です。
用途②法面緑化
イタリアンライグラスには法面緑化という用途もあります。法面とは、掘削や盛土によってできた傾斜面のことで、植物で覆って法面が崩れてしまうことを防ぎます。高速道路などで、人工的に植物で覆われた斜面を見たことがある人も多いのではないでしょうか。イタリアンライグラスも主に河川の法面緑化の植物として使われています。