イシクラゲとは
イシクラゲは、ネンジュモ科ネンジュモ属に分類されている陸に生える藻です。プルプルした緑色の塊の中に、細胞が糸状に連なっています。その様子が念珠に似ていることから、念珠藻(ねんじゅも)と名づけられました。イシクラゲのほか、「イシワカメ」や「姉川クラゲ」とも呼ばれています。
水分があるとプルプルになる
イシクラゲはわかめと同じように、乾燥しているときは小さな黒い塊になり目立ちません。しかし、水分を含みだすと細胞から寒天質を出し、プルプルした塊になるという生態をとっています。イシクラゲは、乾燥しパリパリした状態でも枯れてしまったわけではなく、雨が降り繁殖できる状態になるのを待っているだけです。
発生場所は土だけではない
イシクラゲは繁殖力が強いため、北海道から九州までの日本各地で生息し、土の部分だけでなく芝生やコンクリートに覆われた駐車場にも発生します。そのような場所にわかめのようなものがあるのは違和感がありますし、踏むとぬるぬるして滑ることもあります。イシクラゲが生えていると、気になる方は多いのではないでしょうか。
イシクラゲの発生原因
イシクラゲは藻類に分類され、胞子が植物の種の役割をします。胞子は空気中に漂っており、発生原因がある場所でしか繁殖しません。この章では、イシクラゲの発生している庭にどのような発生原因があるのかを紹介します。
イシクラゲの発生原因①水はけが悪い
イシクラゲはパリパリした乾燥状態ではなく、水分を含んだ状態で増える生態をとっています。そのため、水はけが悪いと土の含む水分が多くなり、イシクラゲが発生しやすくなるのです。また、庭の中でも人の通り道になっている部分は、イシクラゲの発生が多い場所になります。そのあたりは人の通りにより土が踏み固められて、水はけが悪くなりがちになるためです。
イシクラゲの発生原因②アルカリ性の土
庭に石灰がまかれることがありますが、それは土の酸性度を中和したり、植物の養分となるアンモニアやマグネシウムを補給したりするためです。もともと日本の土は弱酸性ですが、石灰をまいた土はアルカリ性に傾きやすくなります。イシクラゲはアルカリ性の場所で繁殖する生態があり、石灰をまいたあとの庭はイシクラゲの発生が増えるようです。
コンクリートやセメントの影響もある
また、コンクリートやセメントもアルカリ性の性質があります。庭の中ではアーチを固定するときに利用されていたり、庭の近くでは駐車場や家の土台に使われていたりします。使用されているコンクリートから、アルカリ性の成分が溶け出し、雨水にまぎれて拡がります。これにより庭の土がアルカリ性に傾くことも、イシクラゲの発生原因です。
イシクラゲの発生原因③栄養が少ない土
イシクラゲは成長に必要な栄養を光合成により自分で作りだせるため、土の養分は必要としません。かえって、栄養分が豊富な土では増えにくい生態があります。このことより、肥料を与えず土の栄養分が少ない場所では、イシクラゲの発生が多く見られるのです。
次のページでは、イシクラゲの駆除方法をご紹介します。
出典:写真AC