秋野菜の花言葉まとめ！意味の由来や旬な季節など各野菜の特徴も解説！

秋野菜は、葉野菜よりもサツマイモ・ジャガイモ・ニンジンなどの根菜類が豊富です。根菜とは、植物の根を食用とする野菜のことです。植物の根は地上部が枯れた後、春に備えて冬に栄養を蓄えます。そのため根菜には独特のアクやエグミがあり、生食には向きませんが、煮たり焼いたりすることでおいしく食べられます。

畑から収穫したばかりの秋野菜は、デンプンや水分が多く、あまり美味しくありません。そこで追熟という作業を行い、デンプンを糖質に変えることで、甘味や栄養を増やします。

カボチャは、夏に黄色の花を咲かせて実を付けることから、夏が旬だと思われがちです。しかしカボチャは収穫後、数週間追熟する必要があり、追熟を経ておいしく食べられるのは秋です。種類も豊富で、イタリア料理で使われるズッキーニ、ひょうたん型をしたバターナッツ、ハロウィンで活用される観賞用カボチャなどがあります。

カボチャの花言葉は「広大」です。一株から無数のつるがどこまでも広がり、受粉後大きな実をいくつもつけることが由来です。また、毎年カボチャの産地では、カボチャの重さを競う大会が開かれます。重さ100kgの巨大カボチャもあるなど、その種類の豊富さも由来するといわれています。

カボチャの特徴は、一株に雄花と雌花が別々に開花するところです。この特徴は、ウリ科特有の性質です。蜂などの昆虫が雄花から花粉をもらい、雌花にある雌しべに花粉をつけます。昆虫が少ない地域では、花が咲く午前中に雄花から花粉を採取し、雌花に花粉を付ける人工授粉を行います。受粉が成功すると、雌花の下ある子房が膨らんでカボチャになります。

カボチャの収穫時期は夏ですが、旬は10月～12月ごろです。採れたてのカボチャは、甘味が少なく水分が多いため、料理に活用してもあまりおいしくありません。追熟させれば水分を抜け、味がはっきりします。

「畑の肉」と呼ばれている大豆は、ビールのおつまみで人気のある枝豆が熟した姿です。仏教では、魚や獣の肉を食することを禁じています。そのため大豆を、肉や魚に匹敵するほどの良質なタンパク質や、ポリフェノールの一種であるイソフラボンを持っている点に注目し、肉や魚の代用食として精進料理に用いるようになりました。

大豆の花言葉は「可能性は無限大」「必ず来る幸せ」です。「必ず来る幸せ」は、2月3日の節分時に、家に入ってくる鬼（災い）を、掛け声とともに大豆を投げつけて追い払い、福を呼ぶことが由来です。「可能性は無限大」は、大豆は収穫後、味噌や醤油、豆腐、納豆、きな粉など、さまざまな食品に加工することが由来といわれています。

大豆はマメ科の植物です。マメ科の植物には、根粒菌と呼ばれる菌が根についています。根粒菌は大気中の窒素を土壌の窒素（硝酸やアンモニア）に変換し、それらを根から吸収して、大豆の葉や茎に供給する役割を持っています。窒素分が多いと根粒菌の活動を悪くしてしまうため、家庭菜園などで大豆を育てるときは、窒素分の少ない肥料に与えます。

大豆の旬は、朝夕の気温差が大きい10月～12月です。真夏（7月～8月）に枝豆として収穫するときは、収穫後すぐに熱湯で茹でないと鮮度が落ちてしまいます。大豆として収穫するときは、葉が落ちて茎が茶色くなり、さやが完全に乾燥してカラカラと音が鳴るのを目安にします。

「サツマイモ」の名は、15世紀に琉球王国（現在の沖縄県）を経て薩摩国（現在の鹿児島県）へ持ち込まれたことが由来です。サツマイモは栄養の少ない荒れた土地でもよく育ち、江戸時代に天候不良などで起こった飢饉から人々を救いました。この経験により、幕府や諸藩の大名たちは、農民たちに非常食としてサツマイモを育てることを奨励したといわれています。

サツマイモの花言葉は「乙女の純情」「幸運」です。「乙女の純情」は、花色のピンクと、冬に焚火などで焼くサツマイモの甘い香りが乙女心をつかむことからつけられたと考えられます。また、サツマイモの花が沖縄県などの亜熱帯地域でないと見られません。本州などの温帯地方ではの開花が珍しく、見つけると運がよいことから「幸運」とつけられたといわれています。

サツマイモはヒルガオ科の植物で、アサガオにそっくりな花を咲かせます。早朝に花が開花して、夕方にはしぼむのが特徴です。またサツマイモは、ほかの芋類と同じように種芋から新芽を出しますが、畑などの植え付けについては、種芋から切り離して植えつけます。

サツマイモの収穫時期は9月～10月ですが、収穫後の追熟によって甘さ・美味しさが増すのは11月～1月です。追熟後の旬のサツマイモは、甘さだけでなく、食物繊維、ビタミンC、ビタミンE、カリウムといった栄養素も増しています。

里芋の名は、山地で自生している山芋に対し、人里で栽培されていることが由来です。栽培も縄文時代からで、里芋の代表品種「土垂（どだれ）」、海老の形をしている「海老芋」など、品種によって呼び名も異なります。

里芋の花言葉は「繁栄」です。親から子、さらに孫芋へ、一株にたくさんの芋をつけることから、子孫繁栄の縁起野菜として、人々に親しまれてきました。オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域では「タロイモ」と呼ばれ、現地の人々の大切な主食として重宝されています。

里芋の花は、同じサトイモ科の球根植物であるカラーにそっくりな花を咲かせます。里芋の茎には、赤色の「赤がら」と、緑色の「青がら」の2種類があります。「青がら」はアクが強く食用には向きません。しかし「赤がら」は「芋茎（ずいき）」と呼ばれ、アク抜きして乾燥させたものを「干し茎芋」として、災害時などの非常食に活用されています。

里芋は親芋を中心に、たくさんの子芋・孫芋がつきます。10月～11月の霜が降りる前が収穫時期です。里芋は追熟する必要はなく、旬以外の季節は冷凍された状態で市場に出回ります。旬の里芋は、ぬめり成分であるガラクタンとムチンが豊富で、里芋独特の風味が味わえます。

縄文時代から日本各地の山地に自生し、人々の食糧として重宝されてきた山芋は、地域によってさまざまな種類があります。自然界に自生している山芋は「自然薯（じねんじょ）」と呼ばれ、すり下ろすとコクのある粘りが出ててくるため、とろろ料理に活用されてきました。また市場に出回っている山芋は「長芋」と呼ばれ、水分が多く、さらさらとした粘りを持っています。

山芋の花言葉は「気長」「芯の強さ」です。どちらの言葉も、山芋と山芋を掘る人間との真剣勝負を意味しています。種類によっては、太く1m以上もある根を地中に張っています。山芋を途中で折ることなく掘るのは大変な作業で、粘り強い根気と集中力が必要です。

山芋は地中で根を長く伸ばし成長しますが、根を収穫して次の大きさになるには何年もかかります。そのため自然界の山芋「自然薯」は珍重とされてきました。山芋は夏の終りになると小さい白色の花を開花させ、「むかご」という実をつけます。むかごは地面に落ちると春に発芽し、数年かけて山芋として成長します。

山芋の旬は11月～1月で、地上のつるが枯れたら土から掘り起こします。山芋は収穫する長さによって、価値が変化します。特に自然薯は、途中で折らずに掘り起こしたものについては、高級品として市場で取引されます。

夏に個性的な花を開花させる秋野菜の花言葉は、野菜の性質が由来し、そのうえで縁起のよい言葉が用いられています。秋野菜は、多くの子孫を残すために、実や根に養分を蓄えています。秋野菜から栄養と花言葉の縁起のよさを分けてもらいましょう。