古くから日本人に愛されてきた桔梗の花
桔梗(ききょう)は、日本人に古くから愛されてきた草花です。万葉集にも美しい花の代表として歌われています。暑い夏の季節に開花する青い花は、冷房などがなかった当時の日本人の目には涼しげに映ったことでしょう。桔梗という名は木辺を除くと「吉」が「更に」舞い込むとされ、縁起のよい植物ともいわれています。
桔梗の花言葉
桔梗には、桔梗全体の花言葉と色別の花言葉があります。花言葉が色別にあるのは、日本人が桔梗を身近に感じ、大切に愛でてきたからでしょう。桔梗の花言葉は、夏に涼やかに咲く姿から連想されたためか、どこか気品や芯の強さを感じさせるような意味が多いのも特徴です。
桔梗全体の花言葉
桔梗全体の花言葉は、「気品」「誠実」「清楚」「従順」「永遠の愛」です。凛とした桔梗の花姿にぴったりの言葉ですね。また、「執念」という少し怖い花言葉もつけられています。
由来
桔梗の花言葉「誠実」「永遠の愛」は、桔梗の花の形に由来するといわれています。桔梗の花は五芒星のような形をしているのが特徴です。花弁が等しく咲いている姿が、完璧であるという意味に通じるため、このような言葉が生まれたといわれています。「清楚」や「気品」は、夏の暑い季節でも涼やかに咲く花姿からつけけられました。「従順」も同じく、花姿の凛とした佇まいが武士を連想させることに由来します。
本当は怖い桔梗の花言葉
桔梗の花言葉「執念」の由来は、怖い逸話です。恋人が戦争に行っている間に亡くなってしまった女性が、亡霊となって永遠に男性を待ち続ける、という伝説です。死んだあとも一途に恋人を待つ姿は誠実であり、死んでしまっているので愛は永遠に続くといえるでしょう。そのため、この伝説は「執念」だけではなく「誠実」「永遠の愛」の花言葉にも通じるという説もあります。少し怖い花言葉ですがロマンチックな雰囲気も漂います。
色別の花言葉①紫
紫は桔梗を代表する色です。自生している桔梗のほとんどが紫や青色をしており、昔から日本人になじみのあった色合いです。また、平安時代には藍色を帯びた紫色のことを「桔梗色」と呼び、十二単(じゅうにひとえ)の夏のかさね色目にも使われています。紫の桔梗には「気品」「高貴」「優しい愛情」「優しい温かさ」など花言葉がたくさんつけられているのも、古くから紫の花が愛されていた証拠といえるでしょう。
ボタニ子
ボタ爺
平安時代に誕生した女性用衣服の配色法じゃ!春夏秋冬の季節にあわせて色を組みあわせるんじゃよ!
由来
紫色の桔梗の花言葉「高貴」は、紫色が高貴な色であることから生まれた花言葉です。「優しい愛情」「優しい温かさ」は桔梗全体の花言葉である「清楚」と同じように、桔梗の持つ母性的な美しさが由来です。
紫は特別な色
昔の日本では、体に身に着ける色でその人の位を表す風習がありました。当時は紫色を作り出す染料「紫草(むらさきそう)」の栽培が難しく、とても珍しかったという歴史があります。そのため、紫色は貴重な色として皇族やその一族しか身に着けられませんでした。この風習は現在でも70歳を迎えたお年寄りに古希のお祝いで贈る紫のちゃんちゃんこなどに受け継がれています。
色別の花言葉②青
青色の桔梗の花言葉は「気品」です。桔梗には青や紫とはっきり区別できる色合いのものが少なく、多くは青紫色をしています。紫や青色の桔梗の花言葉で意味が重複しているものが多い理由のひとつに、色の混同があるといえるでしょう。その中でも特に青色が目立つ花に関しては、「気品」の花言葉の意味合いが大きくなります。
由来
「気品」は気高さを感じるような品のよさ、どことなく感じられる上品さという意味です。桔梗全体と花言葉にもあるように、夏の季節に凛と咲く花姿が由来といわれています。暑い夏の日に、野山に咲く青色の花は昔の日本人の目には涼やかに映ったのかもしれませんね。
色別の花言葉③白
白い桔梗はとても珍しく、自生しているものは少ないといわれています。もし野山で白い桔梗が咲いているのを見かけたらとても幸運といえるでしょう。そんな白い桔梗の花言葉は「清楚」です。
由来
白は一般的に純真無垢なイメージカラーとして、よく結婚式などで使われます。白い桔梗も同じように、真っ白な汚れのない花姿から「清楚」という花言葉が生まれたといわれています。白い桔梗の花は日本の花嫁衣裳である白無垢や角隠しなどにもよく似ているため、ぴったりの花言葉ですね。
色別の花言葉④ピンク
ピンク色の桔梗はとても珍しいため、鉢植えで販売されているものがほとんどです。また、咲き始めが一番ピンク色が濃く、中央から放射線状に赤い模様が入るのが特徴です。花が咲いたあとは少しずつ色が抜け、花びらが白色に変化していきます。そんなピンク色の桔梗の花言葉は「薄幸」です。
由来
ピンク色の桔梗の花言葉「薄幸」は、赤い模様や淡いピンク色から徐々に色が抜けていくさまが幸せが薄そうに見えることが由来という説があります。とてもかわいらしい色ですが、花言葉の意味を気にする方へのプレゼントには控えたほうがよいかもしれませんね。
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