④ニガクリタケ
科 | モエギダケ科 |
属 | クリタケ属 |
分布 | 広葉樹、針葉樹問わず切り株などに発生 |
時期 | 一年中生える |
アメリカやヨーロッパにも発生するキノコで、非常に強力で危険な毒をもっています。発生場所のみならず苦みなどにも個体によって大きな違いがあるため、複数種類ある可能性が指摘されていました。近年では未報告の種類も含まれていたことも判明しています。
特徴
特徴は、その名前の通り苦みがあることです。ただし苦みは加熱すると消えてしまうため、加熱してから味見をしても気づくことはできません。苦みは消えますが、毒性は消えることはないため、「加熱すれば苦くないし食べられる」と勘違いしないよう注意しましょう。
間違いやすい食用キノコと見分け方
クリタケやナラタケと見た目が似ているために注意が必要です。食用のキノコと、見た目だけで見分けるのは困難でしょう。生のまま口に含み、苦みがあるかどうかでニガクリタケを判別できます。ただし飲み込まないよう注意しましょう。一部地域では毒抜きをして食べることもあるようですが、ニガクリタケの毒は下痢や嘔吐、腹痛などを引き起こし重症化した場合死に至る危険なものです。
⑤カキシメジ
科 | キシメジ科 |
属 | キシメジ属 |
分布 | 広葉樹、針葉樹問わず、林や森などの地上に生える |
時期 | 秋 |
色は茶色や黄色味がかかったものなどいくつかありますが、ツキヨタケなどと並ぶほどに食中毒の多いキノコでしょう。昔は色が茶色などの地味なキノコは食べられる、といわれていたために食用と間違えて食べてしまうことが多かったといわれています。
特徴
湿ると粘性があるのが特徴のキノコで、シイタケのような茶褐色をしているために、ラテン語では「焦げている」という意味の言葉がつけられました。日本でも地域によって呼び名が違っていますが、毒性は変わらないため注意が必要です。
間違いやすい食用キノコと見分け方
特に茶褐色のものは見た目では判断がしづらく、間違う危険性が高いキノコでしょう。シイタケやチャナメツムタケとよく間違えられるキノコですが、地域によっては食用キノコであるニセアブラシメジと混同されたのか、同じ名前で呼ばれることもあります。その毒は食べた量にもよりますが、頭痛や腹痛、下痢などの一般的な中毒症状を引き起こします。病院で適切な治療を受ければ死亡するほどではありません。
⑥ドクササコ
科 | キシメジ科 |
属 | Paralepistopsis属 |
分布 | 竹藪などの地上に発生 |
時期 | 秋 |
稀に広葉樹林やスギ林などにも発生しますが、多くは竹藪など竹やささの付近に発生するキノコです。小さい頃は白く、やがてクリーム色になります。
特徴
日本海側に多く分布しますが、四国でも発見されています。しかし北海道や九州では、いまだ発見されていません。落ち葉や枝などを栄養として育っている可能性は高いですが、はっきりと発生環境が解明されてはいないようです。今までは日本の固有種と思われていましたが、韓国でも発見されました。
間違いやすい食用キノコと見分け方
カヤタケやナラタケとよく似たキノコで、見分けるのは非常に困難でしょう。食べると非常に変わった中毒症状が出ます。一部地域でヤケドタケといわれるように、手足がやけどをした時のような状態になり、酷い時には関節などもそのような状態になるといわれています。また水泡のような状態になることもあり、末端が壊死することもあるため軽視はできません。長くは一か月以上も中毒症状が続くことがあります。ごくまれに死亡することもあるため、注意しましょう。
⑦ニセクロハツ
科 | ベニタケ科 |
属 | ベニタケ属 |
分布 | シイ林 |
時期 | 夏 |
とても危険な毒をもつキノコですが、あまり間違って食べることはありません。しかしその毒により、死亡例も確認されています。日本以外でも分布しており、外国では中毒患者も多く出ていて死亡者もかなりの数に上りました。その死亡率は2割以上とも言われています。
特徴
わずか2~3本で致死量に達するという猛毒を持つのが特徴です。成長するとかさのヘリが上を向き、中央が窪んで浅い漏斗のような形になります。毒をもたない未知の種類もいくつか発見されているようで、いまだ謎の多いキノコといえるでしょう。
間違いやすい食用キノコと見分け方
クロハツやクロハツモドキとよく似ていて、見分けるのは非常に困難です。また中毒症状は一般的な下痢や嘔吐がありますが、その後全身の痛みを訴えるようになり、呼吸困難に陥ることもあります。多臓器不全や血尿、腎不全なども引き起こし、重篤になると死亡してしまうでしょう。死亡までは至らずとも、人工透析が必要になることもあるので、食べることのないよう注意が必要です。
ボタニ子
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