毒キノコと食用キノコ
見た目で毒キノコだとはっきりわかるキノコであれば、何の問題もありません。しかし実際のところ、毒キノコと食用キノコの見分け方は難しいものが多いです。一見食べられそうに見えても、毒があるかもしれません。毎年のようにキノコで食中毒が出るほど、毒キノコと食用キノコの見分け方は困難です。そのため、キノコ狩りに行く場合にはきちんとした見分け方を知っておく必要があります。
食用キノコは天然は少ない
スーパーなどに出回っているキノコは、たいていが生産されたものです。シイタケなども原木シイタケ、という木から生やしたシイタケが美味しいとよく言われますが、天然物はあまり見かけません。その理由は、食用キノコと間違えて毒キノコを入れてしまえば、危険だからです。キノコに詳しい人でも間違えてしまうほど、毒キノコと食用キノコを見分けるのは難しいのです。
松茸が天然の理由
そんなキノコ類の中でも、天然で売られているキノコがあります。松茸だけはなぜか天然物が重宝され、高値で取引されていますよね。実際松茸はまだ栽培方法が確立されておらず、栽培できないというのが理由の一つです。またマツタケには独特の香りがあり、その形も似たような毒キノコがほとんどないために間違うということがまずないからといわれています。
食用キノコと間違いやすい毒キノコ
一目見ただけでは毒キノコとわからず、それどころか美味しく食べる食用キノコによく似た毒キノコはたくさんあります。しかしそういったキノコほど、間違って食べると大ごとになってしまうものではないでしょうか。ここでは食用キノコと間違いやすい毒キノコとその毒、見分け方などをご紹介していきます。
①ツキヨタケ
科 | ホウライタケ科 |
属 | ツキヨタケ属 |
分布 | ブナ林 |
時期 | 夏~秋 |
夏の終わりから秋にかけて出てくるキノコです。林などではどこでも普通に見かけるキノコで、切り株や立ち枯れた木などによく生えているのを見たことのある人も多いのではないでしょうか。一見すると毒キノコには見えないために、よく食用キノコと間違って食べることがあります。
特徴
ツキヨタケの特徴は、かさの裏側にあるひだの部分が発光することです。とはいえ、発光するのはかさが十分に開ききった後の、ほんの2,3日程度という短い期間になります。ツキヨタケを食べると、だいたい3時間以内には中毒症状が現れるでしょう。症状は主には下痢や嘔吐ですが、お腹が痛くなったり、中には幻覚が見えたりすることもあります。稀に重篤になると死亡することもあるので、注意しましょう。
間違いやすい食用キノコと見分け方
ツキヨタケと間違いやすいのは、シイタケやヒラタケでしょう。小さいうちはシイタケによく似ていて、大きくなるとヒラタケに似てくるキノコです。そのため秋になると、間違ってツキヨタケを食べるという事故が多くあります。見分け方は暗闇でかすかに発光すること、柄の付け根にあるという黒いシミですが、発光する期間は短く、シミのないものもあるので注意しましょう。
②クサウラベニタケ
科 | イッポンシメジ科 |
属 | イッポンシメジ属 |
分布 | 広葉樹に多い、地上に生える |
時期 | 夏~秋 |
クサウラベニタケは、湿っているときと乾いているときでは色が違うのはご存じでしょうか。また若いときには白いですが、年を取るにつれ淡紅色になっていくという、変色する少し変わったキノコです。
特徴
間違いやすい食用キノコと見分け方
特徴はその独特の臭いでしょう。とはいえ、松茸や香茸のようないい香りではなく、不快臭とされています。漢字で書くと「臭裏紅茸」となり、キノコの特徴をよくあらわした名前です。地方によってイッポンシメジやササシメジ、ニセシメジなどの呼ばれ方をしており、シメジと間違えやすいのかシメジの名前が入ったものが多くみられますが、食べることはできないので注意しましょう。
クサウラベニタケの食中毒件数も多く、よく食用キノコと間違えて食べてしまいがちです。もっとも間違いやすいのは、やはりホンシメジやハタケシメジといったシメジの仲間でしょう。見分けるのは非常に困難で、中には販売されているもので食中毒を起こした例もあるほどです。食べると嘔吐や下痢、腹痛、発汗といった一般的な食中毒の症状が出ます。
③ヒカゲシビレタケ
科 | モエギタケ科 |
属 | シビレタケ属 |
分布 | 半日陰に生える |
時期 | 春~秋 |
ヒカゲシビレタケは、半日陰であれば特別林や森の中でなくても発生するキノコです。また時期も春~秋と長く、公園や家のそばなどにも生えるために、食べることのないよう注意しましょう。
特徴
特徴としては茶褐色で釣り鐘型のかさ、というのが挙げられます。大きくなるとかさは開きます。本州の、特に暖かい地方によく群生しているので、見かけても取採ることのないようにしましょう。
間違いやすい食用キノコと見分け方
小さい時はナメコやナラタケ、ハタケシメジなどと間違えることがよくあります。見分け方としては、傷を付けると傷ついた部分が暗い青い色に変色するので、食べる前に試してみましょう。幻覚作用のある毒をもっているために、食べると幻聴や幻覚、倦怠感、血圧の低下などの症状があらわれる、とても危険なものです。
ボタニ子
食用キノコと間違いやすい毒キノコはまだまだあるよ!