光るキノコって知ってる?光るキノコの種類や見られる場所を紹介!

光るキノコって知ってる?光るキノコの種類や見られる場所を紹介!

キノコの世界はとても奥が深く、解明されていな不思議がたくさんあります。光るキノコも、その一つです。キノコのどの部分が光るのか、なぜ光るキノコが存在するのか謎は尽きません。光るキノコの特徴や、種類、観察できる場所を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.光るキノコが存在する
  2. 2.光るキノコの種類①~⑥
  3. 3.光るキノコの種類⑦~⑪
  4. 4.キノコが光る理由
  5. 5.光るキノコを観察しよう

光るキノコが存在する

Photo byzhuwei06191973

ホタルやホタルイカ、サンゴの仲間のウミシイタケなど光る生物はいくつか存在しますが、キノコにも光る種類が存在します。光るキノコは世界には2018年時点で100種類以上あり、日本には14種類あるといわれています。実際は未登録のキノコが多く、夜の闇のなかでひっそりと光っている可能性があるため数は特定できません。

光るキノコの種類①~⑥

Photo by pellaea

光るキノコと一口にいっても、光り方や光る箇所、明るさはそれぞれの種類で異なります。また、同じ種類といわれるキノコでも個体差が大きいです。例えば、ワサビタケという光るキノコは、アメリカ産は光るものの日本産は光りません。同じ種類と分類してよいのかも判断が難しいとされています。

ボタニ子

ボタニ子

キノコによって、傘、茎、菌糸、胞子と光る箇所が違うの。全部光るっていうのもあるし、一カ所だけっていうのもあるわ。

ボタ爺

ボタ爺

キノコの観察をするときは、入ってよい場所かどうかの確認をしよう。私有地や立ち入り禁止の場所はだめだよ。

光るキノコ①アミヒカリタケ

アミヒカリタケは広葉樹林で見られる、白い光るキノコです。アミヒカリタケはブナやタブノキの枯れ木に、群生して発生します。アミヒカリタケの傘は1cm~3cmほどで、裏にはヒダではなく管孔(かんこう)があります。この管孔が傘の上からも透けて見えることが、アミヒカリタケの名前の由来です。アミヒカリタケの茎は1.5cm~4cmで、傘よりもよく光ります。

管孔(かんこう)とは

管孔とは、蜂の巣のように網目状になったものをさします。キノコは裏返すとヒダが密集しているものが多いですが、管孔状のものもあります。

よく見られる場所

アミヒカリタケの生息地は、暖かい地域です。よく見られるのが、八重山諸島の石垣島於茂登岳(おもとだけ)ふもと近辺や平久保、嵩田岳です。本来は夏のキノコですが、石垣島では冬でも見られます。山原(やんばる)と呼ばれる、沖縄県本島の北部の国頭村(くにがみそん)でも観察できます。

ボタニ子

ボタニ子

アミヒカリタケは南西諸島や九州、屋久島や関東でも八丈島なら見られるそうよ。生息地は暖かいところなのね。

ボタ爺

ボタ爺

アミヒカリタケは、ハラタケ目キシメジ科アミヒカリタケ属のキノコだぞ。クヌギタケ属に近いそうだよ。

光るキノコ②アリノトモシビタケ(仮称)

アリノトモシビタケは「蟻の灯茸」と書きます。アリノトモシビタケの傘の直径は1mm~3mmととても小さく、光も弱いです。傘や柄はゼラチン状のものでおおわれており、スダジイという木の仲間の花がらから発生します。アリノトモシビタケは生えたばかりの元気なときにはあまり光らず、キノコの形態の終わりになって光り出すのが特徴です。また、アリノトモシビタケは傘のみが光るという説と、柄も光るという説があります。

ボタニ子

ボタニ子

アリノトモシビタケはキノコが終わって倒れてしまっても、湿度があれば光り続けるわ。でも、とても弱い光なのよ。

ボタ爺

ボタ爺

キノコの傘の個体差が激しくての。同じ種類かどうかまだ特定できてないから、似たキノコを総称してこの名前で呼んでいるよ。

よく見られる場所

アリノトモシビタケは、関東では伊豆諸島八丈島が生息地で三原山付近でよく観察できます。2020年時点では八丈島のみを生息地としていますが、南西諸島に近い種類のキノコが発見されたという報告があります。アリノトモシビタケはまだ名前も仮称のキノコのため、今後あらたな発見があるかもしれません。

ボタニ子

ボタニ子

あまりにも小さくて食べるところもないから、食用に向くかどうかわからないわ。毒性の調べはついてないから食べないでね。

光るキノコ③エナシラッシタケ

エナシラッシタケは、柄がないラッシタケという名前です。キノコは管孔状で小さく、2mm~5mmほどの大きさで光はあまり強くありません。ビロウというヤシ科の植物の枯葉や花がらに発生し、分解して土に戻す働きをしています。1つずつは小さくても群生するため、生息地では夜になると発見しやすいでしょう。

よく見られる場所

エナシラッシタケは、宮崎県で2019年7月に人工栽培に成功しました。宮崎県では青島が生息地です。エナシラッシタケは、関東では小笠原諸島の父島長谷や八丈島中之郷で生息が確認されています。また、南大東島や石垣島、与那国島でも発見されました。

ボタニ子

ボタニ子

関東の八丈島に、都立八丈植物公園っていうのがあるの。夏の間だけ光るキノコを集めているコーナーがあるらしいわよ。

光るキノコ④ギンガタケ

ギンガタケは直径が2mm~3mmととても小さなキノコで、傘の縁と裏のヒダの縁がよく光ります。スダジイの生木の皮の腐った部分や、枯れ木に群生します。ギンガタケの一つ一つは小さなキノコで発光も弱いですが、群生し発光した姿は銀河を連想させるキノコです。5月~6月の梅雨や秋の長雨のあとが見ごろです。

ボタニ子

ボタニ子

ギンガタケっていう名前は2016年までは、仮称だったの。現在は晴れて、本当の名前になったのね。

よく見られる場所

ギンガタケは、八丈島でしか発見されていませんでした。八丈島八丈町の鴨川林道などで見られたようです。近年は屋久島の春牧集落や、高知県越知町横倉山のふもとなどでも見られます。ギンガタケは世界でも、八丈島、屋久島、高知県でしか見られない日本固有の光るキノコです。

光るキノコ⑤コンルリキュウバンタケ

コンルリキュウバンタケは裏側のヒダの間隔が広く、花の形に見えることがあります。朽ちたヤシ科のコミノクロツグや竹に群生するのが特徴です。傘の大きさは1mm~3mmで、柄の根元が濃い瑠璃色をしているのが名前の由来です。菌糸、茎、傘すべてが弱く光ります。コンルリキュウバンタケという名前は、2014年時点で仮称でした。

よく見られる場所

コンルリキュウバンタケは、沖縄八重山諸島の西表島の稲葉林道で観察できます。そのほかには与那国島、石垣島に生息しています。

光るキノコ⑥シイノトモシビタケ

シイノトモシビタケは、ヤコウタケに続いて明るく光るキノコです。傘の直径は1cm~2cm、柄は1cm~5cmです。シイノトモシビタケの傘は淡い褐色でひだがあり、柄、傘ともによく光ります。発生は梅雨時期~秋と長く、一定の降雨量と温度があれば見られます。ヤマザクラやホルトの木、スダジイなどの枯れた木に発生します。

よく見られる場所

シイノトモシビタケは1951年に八丈島で発見されました。八丈島固有のキノコかと考えられましたが、1995年に和歌山県紀伊半島の南側の沿岸部で大量に生息しているのがわかります。その後、大分県、宮崎県、兵庫県神戸市などでも発見されました。現在では、紀伊半島の三重県熊野~新宮、和歌山県串本~すさみ町の沿岸部で大量発生しています。宇久井(うぐい)半島の目覚山が多く見られる場所です。

ボタニ子

ボタニ子

宇久井半島は和歌山県の那智勝浦にある、陸繋島(りくけいとう)ね。元は島だったけれど今は陸とつながっているの。

ボタ爺

ボタ爺

八丈島では三原山近辺で、よく見られるそうだよ。屋久島でも見られるらしいぞ。

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光るキノコの種類⑦~⑪

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