ハマボウフウとは?葉や茎の特徴や野菜としての食べ方・効能をご紹介!

ハマボウフウとは?葉や茎の特徴や野菜としての食べ方・効能をご紹介!

北海道などの海岸に自生するハマボウフウは、砂地の荒廃や乱獲によって、絶滅が危惧される貴重な植物です。ハマボウフウの特徴、野菜としての食べ方や作用、薬としての効能、防風との違い、旬の時期、下処理の方法、おすすめレシピなどをわかりやすく解説します。

記事の目次

  1. 1.ハマボウフウの概要
  2. 2.ハマボウフウの薬としての作用
  3. 3.ハマボウフウの栽培方法
  4. 4.ハマボウフウのおいしい食べ方
  5. 5.ハマボウフウのおすすめレシピ①
  6. 6.ハマボウフウのおすすめレシピ②
  7. 7.ハマボウフウのおすすめレシピ③
  8. 8.まとめ

ハマボウフウの概要

出典:写真AC

ハマボウフウとは、北海道をはじめとする日本全国の海岸の砂地に自生する海岸性のセリ科の多年草です。野菜として食用になるほか、漢方薬・民間療法薬として利用され、かつては日本の各地で身近な植物として親しまれてきました。しかし、近年では生育する砂地の荒廃によって自生地が減少し、貴重な存在となっています。

ハマボウフウとは?

出典:写真AC

日本で昔から山菜として食べられてきたハマボウフウは、同時に漢方薬や民間療法薬としての作用が古くから利用されてきました。すばらしい効能や栄養のある植物なので、需要も高く、乱獲によって絶滅寸前にまで追い込まれています。現在、流通しているハマボウフウは、ほとんどが栽培されたものです。北海道、鳥取、新潟、島根、岩手、埼玉、茨城などで栽培されています。

ハマボウフウの特徴と見分け方

出典:写真AC

ハマボウフウの葉の特徴と見分け方①

つぎに、北海道などの海岸に自生するハマボウフウの特徴と見分け方を解説します。葉っぱは分厚くてツヤツヤ、ギザギザした楕円形です。地面を覆うように葉を這わせます。

ハマボウフウの茎と丈の特徴と見分け方②

茎は短いのが特徴で、根元から延びる葉には赤紫色の柄があるので見分け方のヒントとして覚えておきましょう。多数の白い毛が生えています。高さは5cm~15cm程度になり、花が咲く時期以外、葉の丈が高く伸びることはありません。

ハマボウフウの花と種の特徴と見分け方③

香りは、セリ科の植物が持つ独特の強い香りがあります。5月~7月に花が咲き、その花は肉質で白く、カリフラワーのように半球状に密生します。果実は長さ4mm程度の楕円形で、種子の側面には6本前後のひだと柔らかい毛が見られます。

ハマボウフウの名前の由来

根はゴボウのように地中深く伸ばすことも他の植物との違いです。浜辺の砂地では、水分がすぐに乾燥してしまうので、地上部の10倍もの長さになり、水を吸い上げています。根が深いことで、地上の砂が風によって飛び散ってしまうのを防ぐ作用があるため、「ハマボウフウ」の名がついたといわれています。「防風」「浜菅菜(はますがな)」「八百屋防風 (やおやぼうふう)」 など多くの別名を持ちます。

ハマボウフウの学名の意味

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ハマボウフウの学名「Glehnia littoralis」の、Glehniaは「ハマボウフウ属の」という意味で、カラフト植物の研究科の名前からとったものです。littoralisは「海岸の」という意味です。

ハマボウフウの薬としての作用

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ハマボウフウは、栄養のある山野草として食用に用いられてきたと同時に、日本人の健康を保つための民間療法薬、漢方薬としての効能も認められています。ここでは、ハマボウフウの薬としての作用や特徴、民間療法でどのように使われてきたか、「防風」との違いをまとめてみました。

ハマボウフウの効能

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ハマボウフウは、昔から民間療法薬として、根の部分に発汗、解熱、鎮痛などの効能が認められます。風邪、肩こり、頭痛、関節炎、婦人病などの症状に用いられてきました。また、根の部分は、漢方では「北沙参(ほくしゃじん)」と呼ばれ、痰(たん)を取り去る、咳(せき)をしずめるなどの効能・薬効があり、香りが強いものが効能も高いとされています。

ハマボウフウの薬草風呂

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乾燥させたハマボウフウの根や根茎は、入浴剤としても利用されてきました。木綿の袋に乾燥させた根や根茎を入れ、鍋で煮だして袋ごと浴槽に入れます。入浴体をあたため、血行をよくする作用で、疲労回復や筋肉痛の緩和、風邪予防などに効果があると言われています。この薬草風呂は、寒い時期でも湯冷めしにくくなるので、ぜひ試してみたい利用法です。

ハマボウフウの薬としての加工方法

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真夏の気温の高い暑い時期に2年以上の株を選び、根を掘り起こします。水洗いが終わったら、風通しのよい日陰でしっかり乾燥させます。根の部分はカビやすいので陰干しの後、さらに日の当たる場所で約1日天日干しをします。根を細かく刻んで干すと早く乾燥させることができます。乾燥したものは、生薬の浜防風(はまぼうふう)として利用されます。

ハマボウフウと防風との違い

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漢方薬の「防風(ぼうふう)」は、姿が似ていることから間違うことがありますが、日本の浜辺に自生しているハマボウフウとは植物的には異なる分類です。同じセリ科で、根に強い香りを持つことは共通していますが、防風は中国北部、モンゴルに分布し、日本には自生しません。

ハマボウフウの栽培方法

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現在、流通しているハマボウフウの多くは、栽培されたものです。先述したとおり、自生のハマボウフウは絶滅の危機に瀕しているため、採集は避けたいところです。インターネットなどで苗が簡単に手に入るうえ、栽培方法も難しくはないので、挑戦してみるのもよいでしょう。

ハマボウフウ栽培のプロセス

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冬にハマボウフウの種をまくと春には新芽が出ます。夏は青々と葉が生い茂り、薬用の根の収穫の季節です。秋には葉が枯れはじめ、冬になると地上部には何もない状態になります。根茎は土の中で3~4年かけてじっくりと成長し、30cmほどの長さにまで達します。毎年、春になると新芽が出てくるので、食用に利用します。冬には防寒対策も必要です。

ハマボウフウの育て方のポイント

出典:写真AC

ハマボウフウの栽培に適するのは、日当たりのよい砂地です。排水がよいことがハマボウフウ栽培のもっとも重要なポイントで、砂質土や火山灰土などが適しています。土寄せや盛り土をすることで茎や葉をを柔らかくする軟化栽培で良好に育ちます。根が長く深くなりますので、鉢植えやプランターでの栽培は難しいでしょう。表面の土が乾いたら十分に水を与えます。油粕などの肥料は季節や状況に応じて与えますが、多くは必要ありません。

収穫のポイント

出典:写真AC

食用にする場合は、早春に若葉を摘み取って食べます。砂を掘って、根の際から葉っぱにつながる柄をはがすようにして採集します。砂をしっかり落とすことを忘れないようにしてください。薬効のある根の部分は、前述の通り、 2年以上の株を掘り起こして、水洗いをしてから、日陰で乾燥させて保存します。

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ハマボウフウのおいしい食べ方

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