サシガメってどんなカメムシ?作物へ与えうる被害と防除・駆除方法を解説!

サシガメってどんなカメムシ?作物へ与えうる被害と防除・駆除方法を解説!

黒くて細長いカメムシの仲間、サシガメについて紹介していきます。作物や人体への被害はあるのでしょうか。また刺された時にはどうしたらいいのでしょうか。サシガメを防除・駆除する方法やカメムシとの違いについてなど、お役立ち情報をまとめてみました。

記事の目次

  1. 1.サシガメとは
  2. 2.サシガメによる被害
  3. 3.サシガメの駆除方法
  4. 4.サシガメの防除方法
  5. 5.まとめ

サシガメとは

サシガメの特徴

Photo byJamesDeMers

サシガメはカメムシの仲間

サシガメとはカメムシ目カメムシ亜目のサシガメ科の総称です。一般的なカメムシに比べ細長い体つきで、頭部が小さくその先に太くて短い鉤状の口器があるのが特徴です。また、一般的なカメムシが植物食性なのに対して、サシガメの仲間は肉食性で昆虫を食べるという特徴があります。中には哺乳類の血液を主食としている吸血性の種も存在します。他の害虫を食べてくれるという点では益虫ともいえるでしょう。

カメムシと同じように臭い?

サシガメの全ての種が他のカメムシと同じように臭い汁を出すわけではありません。日本に生息するオオトビサシガメはバナナの香りがするという人もいるようです。とはいえ、他のカメムシと同じように強い臭いを出す種もおり、触れるとしばらく臭いがとれないので、見かけても刺激をしないようにするのがよいでしょう。

カメムシと同じように食べられる?

近年食材や香辛料としても注目を浴びているカメムシの仲間ですが、サシガメの仲間を食用にするという情報は確認されませんでした。むしろ、中南米のサシガメは下に記述するような病気を持っているおそれがあるため、海外では食べない方がいいとの声もありました。日本のサシガメではそのような危険はないようですが、気になる方はもう少し情報を見つけてから挑戦した方がよいでしょう。

主な生息場所

Photo byCouleur

熱帯地域を中心に幅広く生息しており、世界中では25亜科6000~6500種、日本でも50種ほどが確認されています。ほとんどの種が山の中の木の上や地上に生息しますが、一部民家の周辺の他の昆虫を食べるために民家に住み着いてしまい、そのまま屋内で越冬する種も確認されているようです。また、主にアリを食べる、ヤスデを食べるといった狭食性の種はそれぞれの獲物の巣の近くに生息していることが確認されています。

日本で見られるサシガメ

ヨコヅナサシガメ

光沢のある黒い体色に白い斑点があるのが特徴で、成虫の体長は16~24mm程度になります。日本では関東地方以南で見られ、成虫はサクラやケヤキ、クス、ヤナギといった大樹の上に、幼虫はそれらの木の幹にある窪みや落ち葉の下などに生息しています。幼虫も昆虫食で口吻で刺すことが知られているため、上に挙げたような木の周りを素手で触る際は注意が必要です。

オオトビサシガメ

茶褐色の体色で脚や触角の第1節が長いのが特徴で、成虫の体長は20~27mm程度になります。日本では本州以南の低地から山地にかけての日当たりのよい木や草の上に生息しており、地上に降りてくることはほとんどありません。サッシや外壁材の隙間で集団越冬をすることもあるため、越冬前の10~11月と越冬後の4月は特に注意が必要です。

似ているカメムシ

サシガメはカメムシの中では大型であるため、他の大型のカメムシと見間違えられることがあります。似ているカメムシとしてやや体の細いマツヘリカメムシが挙げられますが、やや体長が小さいこと、体色が赤みがかった褐色であることから判断できます。

サシガメによる被害

作物への被害

Photo bydbreen

ガーデニングや家庭菜園をしていると、虫による作物への影響を心配する人もいるのではないでしょうか。しかしながら、サシガメの作物への被害は確認できませんでした。むしろ、他のカメムシを含む植物の汁を吸う他の昆虫を食べてくれるため、ありがたい存在ともいえるかもしれません。

人体への被害

Photo byphotoAC

基本的には昆虫食性のサシガメですが、素手で捕まえようとすると刺されてしまうことがあります。また、種によっては刺すと同時に強力な毒を注入してくるため、蜂に刺されたのと同じくらい痛いと感じることもあります。刺された後、数日間手を動かせなかったという報告もあり、非常に危険です。サシガメを見つけても絶対に素手で触るのはやめましょう。

サシガメを媒体とする感染症

Photo byqimono

シャーガス病

吸血性のサシガメに刺された時は、感染症にも注意が必要です。サシガメを媒介とした感染症としてはシャーガス病が代表としてあげられます。これは、吸血後のサシガメの糞に現れる「クルーズトリパノソーマ」という寄生虫が傷口を擦ってしまったことにより、人間の体内に入ってしまうことで発症します。主な症状としては、患部の腫れ、かゆみ、下痢、頭痛、発熱があげられます。
 

日本国内の感染はなし

日本に生息する吸血種は主にネズミから吸血するオオサシガメという種のみ確認されています。かつては民家に住むネズミを狙い木造建築に住み着いていました。当時は駆除により減少したネズミの代わりに人間を刺すこともありましたが、駆除にコンクリート建築が主となった現在ではその数自体が減少しているため、被害も少なくなっているようです。

フリー写真素材ぱくたそ

また、日本のサシガメには「クルーズトリパノソーマ」は寄生していないため、刺されてもシャーガス病になることはないようです。海外で刺されたことにより帰国後に感染することはありますが、シャーガス病は人から人への感染はしないため、現状日本でサシガメによる感染症のおそれはないようです。

刺されたときの対処法

Photo by_Alicja_

サシガメに刺された後は絶対に擦らずにすぐに流水で洗い流しましょう。傷口の近くに感染の元となる小さな糞がついていないか注意深く観察しましょう。念のため、消毒液で傷口を洗浄しておきましょう。感染症の恐れがなければ自然に治るはずです。万が一、腫れがひどくなったり痛みが引かなかったりといった症状が見られるようであれば、病院での診察を受けることをおすすめします。

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サシガメの駆除方法

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