茶色く小さい虫が大量発生！死番虫（シバンムシ）の生態や駆除方法を紹介

死番虫（シバンムシ）とは、全長2mm～3mmほどの貯穀害虫です。色は茶褐色や黒色をしたものが多く、見た目はカブトムシの雌に見えます。また死番虫は、食品工場や倉庫、一般家庭のキッチンの食品害虫として知られているのです。乾物の中でもハーブやアロマを好むタバコシバンムシは、別名「ポプリ虫」と呼ばれています。

死番虫は、日本や世界各国に広く分布しています。成虫は主に夜行性です。夏季になると行動が活発になりますが、死番虫は気温20℃～30℃の環境を好むため、家庭の空調設備によって冬季でも発生することがあります。

死番虫の英語名は「Deathwatch」です。これを「死の見張り番」と訳されたことが理由で、死番虫の名前の由来となったといわれています。またヨーロッパでは死番虫の出すコチコチという音を「死神が持つ時計の秒針の音」と呼んでいます。

シバンムシアリガタバチは死番虫の幼虫やさなぎを好物とする昆虫で、死番虫のいる場所には必ずシバンムシアリガタバチが寄生しています。一見ありがたい存在ですが、シバンムシアリガタバチは、人を刺す害虫でもあるため、発見したら早急に駆除をする必要があります。

死番虫は乾物の食品や粉物が大好物で、使用後に袋にいれたまま保管をしておくと袋の隙間から侵入します。死番虫は成虫、幼虫ともにアゴが丈夫で袋を食いちぎって侵入することさえあります。

たたみを食害する死番虫は、おもにタバコシバンムシとクシヒゲシバンムシです。タバコシバンムシは藁床（わらとこ）だけを食しますが、クシヒゲシバンムシは畳表（たたみおもて）を食害します。

死番虫は、ドライフラワーも食べつくす害虫としても知られています。インテリアとしてドライフラワーを飾っている家庭も多いのではないでしょうか。ドライフラワーがボロボロと崩れた場合、死番虫の存在を疑ってよいでしょう。

死番虫は、種類により古本や古雑誌を食害することがあります。特に和紙を使用する書籍や掛け軸の食害も多く報告されています。骨董品として価値の高い書籍は害虫対策が必要です。

死番虫が繁殖した場合、1匹ずつ退治していたらきりがありません。根こそぎ退治することが大切です。

家の中で死番虫が飛び回る姿を見かけるようになったら、要注意です。必ず死番虫の発生源となる巣があります。また、死番虫がいる時点でアリガタバチがいる可能性もあります。アリガタバチに刺される前に、できるだけ早く発生源となる巣を見つけましょう。

死番虫は、ビニールや紙製の袋に入った食品の中やドライフラワーで大繁殖をします。一旦大繁殖をすると、食品と死番虫の仕分けは難しいです。繁殖した食品やボロボロになったドライフラワーは、死番虫の巣窟だと考えてすぐ処分をしましょう。繁殖の大元を断つことで駆除につながります。

死番虫は、繁殖力が強く短期間で数が増えます。食害された食料の処分で駆除しきれない場合は、駆除薬で駆除する方法もあります。

死番虫は、放置しておくとどんどん繁殖してしまいます。繁殖を防ぐには日ごろからの対策が重要です。繁殖防止対策の一例をみていきましょう。

死番虫の食害の対象としてよく知られているのが、小麦粉などの粉類や乾物です。乾物や粉類の食品は購入をしたらすぐに密閉容器に移し替えましょう。保管場所も清潔にしておくことが重要です。

古くなった書類やダンボール箱は、放置しておくと死番虫の餌になってしまうことがあります。不要となった書類やダンボールは、すぐに処分しましょう。

和室のあるご家庭は、可能であればたたみの日干しをしましょう。日干しが難しい場合は、燻煙剤を利用するか、業者にお願いするのもおすすめです。日ごろから部屋の換気をして、風通しをよくしておくことがポイントです。

死番虫は、多くの家庭や食品工場で食害する厄介な害虫です。死番虫の被害にあわないためにも、日ごろから乾燥食品や粉類の保管は密閉容器に移し替えて冷蔵庫で保管しましょう。万が一死番虫の被害にあったら即発生源を特定し、被害にあった食品を処分し確実に駆除することが大事です。