シャコバサボテンとは
シャコバサボテンの基本情報
科名 | サボテン科 |
属名 | カニバサボテン属 |
学名 | Schlumbergera truncata |
英名 | Christmas Cactus(クリスマスカクタス) |
別名 | カニバサボテン・デンマークカクタス |
原産地 | ブラジル |
形態 | 多肉植物・草花 |
開花期 | 11~3月 |
花色 | ピンク、赤、白、黄色など |
耐暑性 | 普通 |
耐寒性 | 弱い |
名前の由来
シャコバサボテンは葉茎が節によって繋がり、各節には小さな突起があります。見た目がシャコに似ていることからシャコバサボテンと名付けられました。厳密には原種に付けられた名前ですが、近年では交配種を含めたグループのことを指します。デンマークカクタスや、クリスマスカクタスと呼ばれることもあります。
カニバサボテンとの違い
シャコバサボテンに似た種類に、カニバサボテンがあります。こちらはシャコバサボテンと比べてやや小さく、開花期が遅いのが特徴です。近年では両種を交配した品種も多く、ひとくくりにシャコバサボテンの名で流通することが多いです。
シャコバサボテンの花が咲かない原因と対策方法
シャコバサボテンの魅力は何といってもその美しい花の姿です。しかし、育ててみてもなかなか花が咲かないこともよくあります。シャコバサボテンの花を咲かせるためには、少しコツがいります。
咲かない原因①日長時間が長い
シャコバサボテンは短日植物といい、日が当たる時間より、当たらない時間が長くならないと花芽を形成しません。照明などの人工の光が当たってしまい、夜間も陽光を浴びているような状態になってしまうと、花芽を形成するためのホルモンが放出されず花が咲きません。
対処方法
日長時間が長い場合の対策として、短日処理と呼ばれる方法があります。まず、シャコバサボテンがすっぽり入るサイズの段ボールを用意してください。あとは、夕方から翌朝にかけて、この段ボールを被せて人工的な暗室を作り上げるだけです。暗室状態を1日12時間以上作り、1カ月ほど継続すると、花芽を形成し始めます。
咲かない原因②気温が低い
シャコバサボテンは、耐寒性が弱い植物です。秋以降に花芽を形成しますが、地域や天候によって気温がグッと下がる日もあるでしょう。5℃を下回るとシャコバサボテン自体が弱ってしまい、花芽を形成できず、花芽を形成していても落下してしまいます。
対策方法
シャコバサボテンは、寒い時期でも10℃を下回らない環境で栽培しましょう。屋外で栽培している場合は室内か、園芸用のビニールハウスに移動してください。環境によっては朝方に冷え込むこともあるので、園芸用のヒーターで保温するとより安心できます。
咲かない原因③葉茎が未成熟
シャコバサボテンの花芽は、十分に成熟した葉茎の先に形成されます。その年の秋以降に伸びてきた若い新芽には花芽が形成されません。葉茎の先が新芽ばかりでは、その株には花が咲かなくなります。
対処方法
シャコバサボテンが秋以降も成長し続けている場合は、若い葉茎を摘み取りましょう。若い葉茎は少し赤いので、簡単に見分けがつきます。根元の葉茎を指で固定し、若い葉茎を摘まみながらねじるときれいに摘み取れます。
咲かない原因④環境の変化
シャコバサボテンは、環境の変化に弱い植物です。花芽がついた状態で置き場所を移動すると、せっかくの花芽が落ちてしまうことがあります。また花芽が付いた状態で購入して自宅に持ち帰ると、やはり花芽が落ちてしまうことが多いです。
対策方法
シャコバサボテンの開花期である秋以降は、なるべく置き場所を変えないように管理してください。気温が下がりきってから室内に移動するのではなく、余裕をもって早めにしましょう。万が一移動せざるを得ない場合は、移動後のストレスを減らすために、しばらく最小限の手入れのみにしてください。
シャコバサボテンの育て方
丈夫で育てやすいシャコバサボテンですが、きれいな花を咲かせるには健康に育っていることが大前提です。まずは、育て方や手入れの基本を押さえておきましょう。
育て方①用土
シャコバサボテンの用土には、市販のシャコバサボテン用の用土を使用するのがおすすめです。市販の用土であれば、水はけや水保ちが適切に調整されているので、手軽に栽培を始められます。自分で配合する場合は、赤玉土2:鹿沼土2:軽石1の割合で配合しましょう。
育て方②置き場所
春~秋の置き場所
シャコバサボテンの生育期は春から秋です。この時期はなるべく屋外で管理すると、太陽の光を浴びて健康的に成長します。高温多湿は苦手なので、直射日光を避け、風通しのよい場所で管理してください。室内に置く場合は、南向きの明るい部屋の窓際が適しています。
冬の置き場所
シャコバサボテンは寒さに弱いので、冬季は室内で管理しましょう。日当たりがよく、暖かい南向きの部屋が適しています。短日処理をしない場合は、夜間になるべく照明が当たらない場所にしてください。
育て方③日々の手入れ
水やり
生育期のシャコバサボテンには、1週間に2回程度たっぷりの水やりをしてください。秋以降、花芽が形成される時期は、頻度を少し落とし、1週間に1回程度行います。休眠期の12月以降は1カ月に1回程度で、乾燥気味に管理しましょう。
肥料
シャコバサボテンへの肥料は、生育期に与えます。4~7月頃に市販の緩効性肥料を株元に置いてください。また1カ月に1回程度、水やりを兼ねて液体肥料を与えます。真夏以降に肥料を与えると新芽が形成されやすくなるので、この時期は肥料を与えないようにしましょう。
剪定
シャコバサボテンは、冬を越した後に草姿が乱れていることが多いです。そこで、春になったら剪定をして草姿を整えてあげましょう。先端の葉茎から2節目の節を基本として、草姿を見てバランスを整えながら剪定してください。剪定することで、葉茎の分枝を促す効果も期待できます。
まとめ
シャコバサボテンは、花の少ない冬の時期に開花する植物です。開花させるためには、手入れにコツがいりますが、慣れてしまえばそれほど難しくありません。寒い時期のお部屋の彩りにぴったりなので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
出典:写真AC