ハオルチア・オブツーサ(雫石)とは
ハオルチア属の一種「オブツーサ」は、光を浴びると透明に透き通って見える葉と、丸みのあるシルエットが特徴の多肉植物です。和名では、その葉を雫に例えて「雫石」とつけられています。育て方は初めての人でも簡単です。今回は上手に育てるコツをご紹介します。
基本情報
植物名 | ハオルチア・クーペリー・変種トゥルンカータ |
学名 | Haworthia・cooperi・var.truncata |
科名 | ツルボラン科 |
和名 | 雫石 |
属名 | ハオルチア属 |
原産地 | 南アフリカ |
オブツーサの特徴
窓を持つ希少価値が高い人気の多肉植物
オブツーサは流通名で、正式名は「ハオルチア・クーペリー・変種トゥルンカータ」という多肉植物です。斑入りや黒い葉をした種類など、さまざまな種類が存在あり、希少価値も高く、愛好家のなかでは人気があります。ぷっくりと膨らんだ葉の形をしており、太陽の光を浴びるとキラキラ光っているように見えるのが特徴です。透明な部分は「窓」とも呼ばれ、光をここから吸収して育ちます。
南アフリカ原産の育てやすい植物
原産地は南アフリカですが、直射日光はあまり好まない植物です。生長する季節は春と秋で、夏と冬はほとんど生長しません。ハオルチアの種類のなかでは、育て方も難しくないので初めての人にもおすすめです。花色は白で、2~6月ごろに花茎が伸び始めます。大きさは、最大で15cmほどに育ちます。
ハオルチアの種類
硬葉系と軟葉系の2種類ある
ハオルチアは葉の特徴の「硬葉系」と「軟葉系」の2種類に分けられます。硬葉系は葉が硬く、いくつもの葉が扇のようにスッとまっすぐ伸びるのが特徴です。反対に軟葉系は、ひとつひとつの葉が丸くて小さく、また窓と呼ばれる透明な部分があります。
ハオルチア・オブツーサの育て方①用土
元気にスクスクと上手に育てるには、植物にあった用土選びが大切です。自分で配合が難しい、手軽に済ませたいときに使える市販の培養土のおすすめ品もご紹介します。
用土:自分で配合する
赤玉土は園芸の基本の土
赤玉土は関東ローム層の赤土で、花や盆栽など、園芸でよく使われる土です。保水性もありますが、排水性を高めたいときは、中粒以上の赤玉土を使用します。使っているうちに粒が崩れて排水性が下がるため、植え替え時に粒の状態をチェックするようにしましょう。
鹿沼土は赤玉土と組み合わせて使う
鹿沼土は黄色っぽい色をした土で、栃木県鹿沼市で採れることからこの名前がついています。赤玉土よりも崩れにくく、また水で濡れると色が変わるのが特徴です。鉢底に軽石の代わりに入れて、底まで水が乾いたかどうかのチェックにも使えます。
くん炭・ゼオライト・バーミキュライト
これら3種は、土壌改良や根腐れ防止などの目的で使用します。ほかにもピートモスや腐葉土を取り入れるなど、土の配合は育てている人によってかなり違います。あくまでも組み合わせの一例とし、自分の育て方、栽培環境にあわせてアレンジしてください。
用土:市販品を使う
多肉植物用の土を使えば大丈夫
「自分で配合するのが難しい…」そんなときは、多肉植物用の土で大丈夫です。市販の培養土は、水はけがよく初めての人でも失敗しにくいように、土の種類をバランスよく配合してあります。なかでもおすすめの商品はこちらで、土の色で水の乾き具合が分かります。
ハオルチア・オブツーサの育て方②水やり
水やりは株の根元から水差しで与える方やり方と、底面から吸収させるやり方の2種類あります。それぞれのやり方と行うタイミングをご紹介します。
水やりの仕方
株の根元からたっぷり与える
株の根元へ水やりするときは、葉に水が触れないよう注意しましょう。とくに葉の裏側に水が残ってしまうと、天気がよく気温が上がったときに蒸れやすくなります。水やり中、葉に水がついたら、綿棒やティッシュで取るのを忘れずに。水差しを使うと簡単です。
底面からしっかり吸収させる
鉢が置ける大きさのトレーに水を張り、鉢をそこへ入れて底から水を吸わせるやり方もあります。このやり方だと、葉に水が触りにくくなるので、蒸らすリスクを減らしたいときに最適です。水を与えたあとは、必ず水を切るようにしましょう。
水の量は時期によって加減する
水やりの量は、生長期であればたっぷり与えます。鉢全体に水が行き渡るようにしましょう。表面や少ししか与えないのが続くと、根が水のあるほうに伸びてしまい、下へ生長しません。しかし休眠期の夏や冬は、いつまでも水が残っている状態はよくないので、少し加減して与えるようにしましょう。
水やりのタイミング
水やりは土が乾いてから与える
水やりするタイミングは、土が乾いたら行うのが基本です。土の表面を見ると、すぐに乾いたように思えますが、中は湿ったままが多いです。とくに夏や冬は土の乾きが遅くなります。生長期は土が乾いたら水を与えて問題ありませんが、夏と冬は乾いて数日経ってから与えるほうが失敗しません。
出典:写真AC