そもそも、水田への水がどこからくるのかわかりますか?有史以来、米づくりは雨水だけでは足りないため、人々は山からの水を田に引くため池や水路を作ってきました。現代では、ダムやため池の貯水施設が整備され、田までひかれた農業用水路によって水が行き渡っています。
貯水施設から水路への引き方
大小さまざまな大きさのため池は、土地改良区や水利組合といった団体が管理しており勝手に水路に水を流すことはできません。代かきの時期になると、その水門が開けられ、収穫が終われば閉じられます。山が近い地域では、ポンプでため池や河川から吸い上げたり、河川に堰(せき:川に水が貯まるようにした施設)をつくり直接水路に流したりします。
水路から水田への引き方
水路から田に入れるときは、田んぼについている小さな門やバルブを開け閉めします。田んぼに門が直接ついている以外にも、水路の集水升によって水を貯めることができ、水路の水位をあげて田に流し込む場合もあります。山地帯にある棚田は、高い位置にある田から低い田に流れていくため、高い位置の田が水を止めると低い田に水がいきません。水を引くときは地域でまとまった取り組みが大事です。
ボタ爺
最新の水管理のやり方
水管理は重要な作業であり、毎日すべての田んぼのバルブや門を開閉することが必要です。これは、とても大変な作業で、農作業の大半はこの水廻り作業にあてられます。しかし、最新の技術ではこの作業を自動化できます。
遠隔地の田んぼも自動管理
多くの会社から自動的に水管理ができる設備が発売されています。なかでも最新のものは、スマートフォンで現在の水位を確認でき、遠くの水田でもバルブや門の開閉を遠隔操作できます。さらに、タイマー機能と温度測定により自動的に水温のコントロールも可能です。これにより、早朝や夜遅くに水廻りをする必要がなくなり、無駄に水を入れすぎ肥料や除草剤が流れることも防げます。
ボタニ子
安いもので一台1万5千円くらいからあるよ。ひとりでたくさんの田んぼが管理できるようになるね。
水管理のまとめ
日本は世界的にも雨が多く、豊富な水資源があります。水路から門を開ければ好きなだけ水を引ける日本だからこそ、山水やため池の水のミネラルをたっぷり含んだ美味しいお米ができます。さらに、この田んぼに水を供給する灌漑設備は、急激に水が増えたときの調整弁となり災害から身を守ったり、生活用水になったりと、我々の生活に欠かせないものです。是非、水管理のさいは、水路を大事にしてくださいね。
- 1
- 2
大雨の日に水路の門が閉まっていると、門が流されたり壊れたりして、周りに迷惑かけてしまうから、事前に開けておくんだぞ。だけど、大雨の日に見に行くのは危険だぞ。