アシダカグモの捕食方法
好物
アシダカグモの好物は、ゴキブリです。ほかにもガやコオロギ、ハエや小型のネズミなども食べてくれます。アシダカグモが2匹~3匹いれば、半年でゴキブリは食べられていなくなります。ゴキブリは相当早く動きますが、アシダカグモはさらに素早くゴキブリに覆いかぶさり、抱え込んで噛むのが特徴です。1晩に20匹のゴキブリを捕まえた記録があります。
ボタニ子
砂糖水
アシダカグモを飼育する際、水を置いておくと飲みます。砂糖水も好きなようで、綿棒に湿らせて与えると、人に馴れている個体は寄ってきて吸います。なついているように見えてかわいい姿です。砂糖水の代わりにナシやリンゴの皮を与えてもよいです。砂糖水を皿に入れておくと、体ごと入って飲む個体もいます。
狩りの方法
アシダカグモは、生息地である家の中でみつけたエサに飛びついて噛む方法で狩りをします。狩りが成功して食事を始めても、ほかの獲物が近くを通ったら食事を中断して放置し、狩りに向かうほど狩りが好きです。そのため、噛むだけ噛んで殺された害虫もいます。益虫としての役割は果たしているでしょう。
アシダカグモの見分け方
アシダカグモに似ている「コアシダカグモ」というクモがいます。アシダカグモの生息地は家ですが、コアシダカグモは屋外が生息地です。アシダカグモは関東以南でよくみられ、以北ではあまり見かけられません。コアシダカグモは関東以南では屋外が生息地ですが、以北になると屋内にも侵入してきます。
見分け方①アシダカグモか判断する着目点
アシダカグモとコアシダカグモの見分け方は、模様と大きさに注目することです。アシダカグモのメスは眼と上あごの間に白いラインが入り、胸部と腹部の間に三日月形の白い模様があります。オスの見分け方では、胸部にある左右対称の黒い斑点に着目しましょう。まるでハートマークやV字のように見えます。アシダカグモは足を広げると、コアシダカグモよりも一回り大きい約10cm~13cmの大きさです。
見分け方②コアシダカグモか判断する着目点
コアシダカグモは、アシダカグモに比べるとオスメスともに5mm程度小さいです。両者の色で見分けるのも方法のひとつで、コアシダカグモはアシダカグモよりも濃い色をしています。アシダカグモほど派手なものはありません。模様での見分け方は、腹部の先端に黄色~オレンジ色の三角がついているかに注目することです。足の付け根がオレンジ色なのかにも注視しましょう。
アシダカグモの駆除方法
殺処分
アシダカグモの駆除方法のひとつは殺処分です。益虫のためできれば殺さずに放置して、害虫駆除に一役買ってほしいかもしれませんが、大きいクモとの同居が難しい人も多いでしょう。丸めた新聞紙やハエ叩きで叩く、殺虫剤を吹きかけるなどして駆除します。実はアシダカグモは湯気やワンプッシュ式の殺虫剤でも死んでしまうくらい、デリケートなクモです。
追い払う
もうひとつの駆除方法は、屋外へ逃がすものです。虫取り網やピンセット、箸などでつかみ外へ捨てます。この際、素手で触ってはいけません。追い詰められた状況のアシダカグモは、最終手段で噛むかもしれないからです。ただし、アシダカグモは益虫でゴキブリハンターでもあるため、駆除したとたんにゴキブリが増える可能性もあります。
ボタニ子
クモってどこから入ってくるのかしら。玄関や窓を開けたりしたときや、荷物に紛れたりして入ってくるのかな。
ボタ爺
目の前のアシダカグモを殺したり、追い出したりして退治しても、害虫が家にいるかぎりどこからかまた、入ってくるぞ。
ボタニ子
アシダカグモを根本的に家にいないようにするには、エサとなる害虫を退治すればいいってことね。
アシダカグモと上手に付きあおう
日本一大きいといわれるアシダカグモは、飼育もでき寿命も長いクモです。ずらっと並んだ目がかっこいいと感じる人もいるでしょう。毒性も人間に対してはなく、害虫を片っ端から退治してくれる、まさに「軍曹」の名にふさわしいクモです。夜、家の中で出会ってしまってもおどかさずに、そっとしておいてあげましょう。
- 1
- 2
害虫を退治してくれる益虫で、害虫を退治し終わったらどこかへいなくなるのがかっこいいから「軍曹(ぐんそう)」って呼ぶ人もいるわ。