ドウガネブイブイの概要
ドウガネブイブイは幼虫の時期は地中の作物を、成虫になると葉脈を残して葉を食害する夜行性の害虫です。個体差がありますが、青~緑を混ぜた光沢のある銅色をしたコガネムシの仲間です。幼虫は頭と足の部分が濃黄色~オレンジ色で、尻のほうはグレーがかった色をしています。体は最初はクリーム色で成長時期とともに色が濃くなります。
基本情報
科 | コウチュウ目コガネムシ科 |
学名 | Anomala cuprea hope |
卵 | 2mm孵化直前は3mm以上 |
幼虫 | 老齢幼虫(蛹直前の幼虫)40mm前後 |
成虫 | 20mm~25mm |
寿命 | 30日~50日 |
越冬 | 老齢幼虫が地中深くで越冬 |
発生 | 年に1回まれに2回 |
別名 | 幼虫の別名はジムシ |
名前の由来
ドウガネブイブイの名前の由来は色と、コガネムシの飛ぶ音です。ドウガネブイブイの体の色のような青~緑に銅を混ぜたような色を「銅金(どうがね)色」と呼びます。ブイブイは西日本でよく使われる、コガネムシが飛ぶときの音を表す「蚉蚉(ぶんぶん)」がなまったものです。体の銅金の色と羽音の「ブイブイ」でドウガネブイブイという名前になりました。
幼虫の特徴
地中にいるので見つけにくい
ドウガネブイブイの幼虫は産卵から15日くらいが発生時期です。これが1齢幼虫でさらに14日たつと2齢幼虫の発生時期となります。1齢幼虫は生まれた周囲の有機物や腐葉土を、2齢幼虫は草の根を食べて成長し、行動範囲はあまり広くありません。3齢の老齢幼虫になるととても食欲が旺盛になるため行動範囲も広がり、サツマイモやサトイモ、落花生など地中の作物を越冬するまで食害し続けます。
ボタニ子
ボタ爺
もしかしたら、ほかのコガネムシの幼虫よりも呼吸がしづらいのかもな。その隙に鳥に捕食されてしまうらしいぞ。
ボタニ子
サツマイモ畑に個体識別できるようにして放した老齢幼虫が、3週間で13m~17m移動したという報告があるわ。
蛹(さなぎ)の特徴
ドウガネブイブイの越冬は、老齢幼虫の状態です。寒くなってくると幼虫は地中深く約20cm~30cmにもぐって寒さをしのぎ、暖かくなる5月~6月ごろに地上に近いところへ登ってきて蛹になります。蛹になってから羽化まではおよそ2週間です。羽化して数日は地中で過ごし、その後地上へ出てきて成虫として食害を始めます。
ボタニ子
地中20cm~30cmから、蛹になるために地表から5cm~10cmくらいの深さまであがってくるんですって。
ボタ爺
羽化してすぐに外に出てこないのは、まだ体がしっかりできあがってないからかもしれんの。
成虫の特徴
夜行性でみつけにくい
ドウガネブイブイの成虫は夜行性で、昼間は葉の裏などに隠れています。幼虫が地中の作物を食害するのに対してドウガネブイブイの成虫は、果実、野菜、花、葉、樹など地上の植物を夜食害します。夜暗くなると飛び始め、高い場所から幼虫のエサになるような場所を探して降りてきて産卵するのが特徴です。1匹あたり数回にわけて200個ほど産卵します。
ボタニ子
ドウガネブイブイの成虫は、食害と交尾、産卵を死ぬまで繰り返すのよ。産卵するときは地中にもぐるんだって。
ボタ爺
ドウガネブイブイの成虫は捕まえようとしたり、襲われたりするとフンをするんだ。それがな、臭いんだよ。
ボタニ子
ドウガネブイブイのフンは茶色なんだけど、食べる物によってフンの色が多少違うみたい。フンが臭いのは変わらないわね。
ドウガネブイブイの発生時期
ドウガネブイブイの駆除方法【農薬などを使用する】
農薬で駆除する
ドウガネブイブイの成虫を見つけた場合、地中に幼虫がいる可能性が高いです。成虫は見える場所にいるため数が多くなければ手で駆除できますが、地中にいる幼虫を掘り返して駆除するのは難しいでしょう。そのため栽培している植物にあわせて、農薬を使用して駆除するのがおすすめです。
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フェロモントラップで駆除する
ドウガネブイブイは交尾を繰り返すために、オスはメスのフェロモンをいつも探しています。その性フェロモンを利用して、ドウガネブイブイのオスを捕獲するのがフェロモントラップです。メスはかかりませんがオスがいないと受精卵ができず産卵にいたらないため、ドウガネブイブイの駆除に役立ちます。
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ニューウインズパックは、アオドウガネ用ですがドウガネブイブイにも有効です。性フェロモンで雄をおびき寄せて、自分から入ってくるように仕掛けます。ほかの害虫用もありますが、性フェロモンが違うためコガネムシ類に効くものを使用しましょう。殺虫剤ではありませんが、捕殺するのに役立ちます。
薬剤で追いつかないくらい畑で大量発生した場合は?
ドウガネブイブイの発生が家庭菜園やベランダの植木鉢、プランターなど狭い範囲の場合は個人で農薬を使用して駆除できます。しかし、畑や果樹園など広範囲での大量発生の際は、農薬やトラップだけでは追いつきません。そのときはプロの業者に頼めます。畑や果樹園の大きさや規模によって値段が変わるため、見積もりを出してもらうとよいでしょう。
ボタニ子
畑や果樹園で育てている植物にあった農薬を選んでくれるから、安心ね。
1齢幼虫から脱皮して2齢幼虫になるの。なぜかはわからないけど、雨が降ったあと地中から出てくる習性があるらしいわ。