竹垣の種類【遮蔽垣(しゃへいがき)】
遮蔽垣とは、竹が隙間なく並べてあり、向こう側が透けて見えない竹垣のことをいいます。透かし垣と異なり外側から内側が見えない作りになっているため、庭の外周や浴室回り、室内での目隠しなどさまざまな場面で使われています。
①大津垣
大津垣とは、竹の幹を使用し、前後に1本ずつ編み込んで作り上げるのが特徴の竹垣です。近畿地方でよく見かけられたことから代表的な地名をとって「大津垣」と名付けられました。遮蔽垣の中では若干の隙間が見られるタイプであり、密閉感や圧迫感が少なく、適度に人の視線を遮るのにピッタリです。
②桂垣(かつらがき)
桂垣のオリジナルは、京都の桂離宮にある垣根です。自生している竹をそのまま使う珍しい竹垣で、生の植物で庭を囲う「生垣」のひとつです。現在では自生の竹を使うのが難しいため、切った竹を使って作られることもあります。30cm間隔に1本の竹を垣根の高さよりも上に突き出させ、45度に外側に折り曲げ、細かな横木を取り付けているのが特徴です。
④建仁寺垣(けんにんじがき)
建仁寺垣は遮蔽垣を代表する竹垣のひとつで、京都の建仁寺にあることが名前の由来です。水平にも横にも割竹を使用し、隙間なくピッタリとくくりつけた姿が特徴です。目隠しに使う竹垣は圧迫感のあるものもありますが、建仁寺垣根はシンプルながら動きのあるデザインで、どことなく柔らかな雰囲気作りに役立ちます。
④銀閣寺垣
銀閣寺垣とは、銀閣寺の入り口付近の石垣の上に作られたものが元になっています。建仁寺垣とほぼ同じ構造ですが、水平に2段竹が組んであり、高さが90cm以内のものを「銀閣寺垣」と称します。銀閣寺のように石積みの上に低い竹垣を使うのは一般家庭では難しいかもしれませんが、洗練されたデザインと上品な雰囲気作りを目指すならピッタリです。
⑤清水垣
清水垣とは、丸太を支柱にして横に竹を組み、間に細い竹を立てて棕櫚縄(しゅろなわ)で結んで作られた竹垣です。別名「立みす垣」とも呼ばれ、神社や庭園などの垣根によくみられます。縦に並んだ細い竹が特徴で、繊細さや優美さが持ち味です。竹同士の間に若干の隙間ができるため、涼しげな仕上がりになります。
竹垣に使われている素材
竹垣に使われている素材は、大きく分けて「天然素材」と「人工素材」の2種類があります。竹垣は種類だけでなく、素材選びでも雰囲気や味わいが変わってきます。天然素材と人工素材でそれぞれメリットとデメリットがあるため、設置したい場所や使う目的にあわせて選びましょう。
①天然素材
竹垣に使われる天然の竹の種類は非常に豊富です。主に使われているのは、白竹、黒竹、真竹、胡麻竹、虎竹、亀甲竹、淡竹(ハチク)、紋竹、染煤竹(そめすすだけ)、図面竹などで、種類によって色味や形、太さ、柄、雰囲気などが異なります。中でも真竹はしなやかで扱いやすく、青みが鮮やかなこともあり、竹垣に好んでよく使われます。
天然素材を使うメリット
竹垣に真竹などの天然素材を使うメリットは、「ぬくもりを与える」点です。天然竹は肌触りがよく、設置直後は特に竹ならではのよい香りが辺り一面に広がります。人工素材に比べて安い点も魅力で、庭に限らず室内など広い面に使いたい場合、嬉しいポイントひとつです。
ボタニ子
天然素材を使うデメリット
天然素材の竹を使うには、それなりの技術がいるため、個人で作るのが難しいのがデメリットです。古くなってくると土台や垣根が傷み、壊れたり倒れたりする可能性があるので、補修や交換などのメンテナンスも必要です。天然竹の寿命は10年といわれていますが、屋外で日や雨によく当たる場所に設置する場合は、もちろん寿命は短くなります。
②人工素材
竹垣に使われる人工素材は主にプラスチックで作られており、別名「プラ竹」とも呼ばれます。土台部分にはアルミ素材、結び紐にはポリエステル素材が使われることが多いです。竹垣全体を人工素材で作るのが基本ですが、紐だけは天然素材を使ったシュロ紐が使われるなど、より天然素材を使った竹垣に近づけるように工夫されている物も増えてきています。
人工素材を使うメリット
人工素材を使うメリットは、その耐久性の強さにあります。素材に使われているプラスチックは雨風や日光による劣化が少なく、真竹などの天然素材に比べて長持ちします。難しいメンテナンスもなく、軽くて扱いやすい点も魅力です。天然素材か人工素材かぱっと見判断できないほど高いクオリティのものが多く、色味や風合いも本格的です。
人工素材を使うデメリット
人工素材の竹垣は、天然素材で作られたものに比べて高いのがデメリットです。耐久性に優れ長持ちすることもあり、値段はどうしても高くなってしまいます。見た目は天然竹にそっくりですが、プラスチック素材なため香りなどはなく、温もり面では天然ものにかないません。
竹垣の購入方法
①ガーデニング用品店
竹垣を自分で設置しようと思うのなら、ガーデニング用品店で購入するのがおすすめです。特に初めて購入を考えている方は、実際に目で見て感触や色味などを確認してから買うほうが失敗が少なくなります。また、店の人に疑問点を直接質問でき、自宅や庭にあわせた竹垣選びができます。
②通販
竹垣は通販でも簡単に購入できます。さまざまな天然竹を使用したものからプラスチックなどの人工素材を使ったものまで、ありとあらゆる種類の竹垣を選べます。安いものの取り扱いが多い点も嬉しいポイントのひとつです。ただし、重さや大きさ、素材の色味などが画面上では正確に分からないことが多いため、購入時にはしっかりとした調査と吟味が必要です。
③エクステリア専門業者
庭や家など広い範囲に対しての竹垣の使用を考えている方は、エクステリア専門業者に頼むことをおすすめします。特に天然素材の竹を使った竹垣は種類によって高い技術が必要なため、専門家に頼むのがベターです。また定期的にメンテナンスが必要になるので、あらかじめ業者に頼んでおくことで、今後のケアが楽になります。
竹垣を取り入れて庭をおしゃれに飾ってみよう!
竹垣は古くから日本で愛されてきたことからも分かるように、和風庭園や家屋にピッタリの装飾品です。おしゃれなだけでなく風除けや目隠しなど利便性も高いことから、近年取り入れる人が増えてきました。庭に設置して和風庭園にしてもよし、洋風ガーデンに置いて和モダンな庭にしあげてもよし、ぜひ自宅の庭を竹垣でおしゃれに飾ってみてくださいね。
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青竹を使った竹垣は、年を重ねるごとに茶色く変色していく姿も楽しめるよ!