簡易温室とは?
名前の通り、簡易的な作りの温室です。農家の方が使っているような大きくて本格的な温室を設置するためには、金銭的にも場所的にも一般家庭で作ろうをした場合には難しいはずです。大掛かりなものを必要としない場合では、雨風をしのげれば問題はありません。その際に便利なのが簡易温室です。いわば家庭用の温室で、手軽に導入できるのが魅力です。
簡易温室は手作りできるの?
家庭用などに使われる簡易温室は市販されていますが、材料を集めて自分で作ることもできます。必要な物は、植物の置き場や枠になる材料と、透明で光を通す材料です。透明の材料は、ビニールやガラス板、ポリカーボネート版などがよく使われます。小さなものなら身近にある材料や、100均の材料でも作れます。
簡易温室は本当に効果があるの?
ボタニ子
夜間や明け方は室温が下がる
当たり前ですが簡易の物は保温する力がないので、夜になるとぐんぐん室温が下がっていきます。真冬であれば明け方になると、外気温よりも室温が下回ってしまうことも日常です。しかし、風雨を防いだり霜がつくのを防いだりするのには、とても効果的です。
簡易温室の保温効果を高めるためには?
ボタニ子
簡易温室の保温効果を高めるためにできる対策が、いくつかあるよ!
空気の層を作る
日が沈み熱源がなくなると壁が冷やされ、その冷たい熱が内部に伝わります。このためせっかく日中温かくなった室温も、みるみると冷やされていきます。これを防ぐためには、壁に空気の層を作る必要があります。ビニールやガラス板などを二重や三重にすることで対策しましょう。梱包材などに使われるエアークッションを巻くのも効果的です。
地面に発泡スチロールを敷く
地面に熱が逃げてしまうのを防ぐために、地面に近い棚には発泡スチロールを敷きましょう。発泡スチロールは熱が逃げるのを防いでくれるほか、地面からの冷気を遮断してくれます。またレンガを敷いたり棚の足を長くしたりするなど、植物の底部を底上げするだけでも地面からの冷気による被害を防げます。
暖房器具を入れる
夜間と朝だけ暖房をつけておくのも有効です。温風機やハロゲンヒーターなどを利用するのもいいですが、小さい簡易温室なら電気毛布でも十分です。また、他の保温対策と併用するのなら湯たんぽでも十分です。
簡易温室の自作方法①:簡易ビニール温室
ここで紹介するとても簡単なビニール温室は、基本的に保温効果を設けていないビニール温室です。ただしビニールが一枚あるだけで霜がつくのを防げますし、風が直接当たることを防げますので耐寒性がある植物の風害や、霜による被害を防ぎたいときに使いましょう。
簡単な作り方
枠は、木を切って作ってもいいですが、市販のすのこを使ったりアルミラックを利用したりすると工作が苦手な方でも作れるほど簡単です。そこに、分厚い透明ビニールをかぶせましょう。すのこなどで軽量に作れば持ち運びも簡単ですが、飛ばされやすいので使う時はしっかりと固定しましょう。ビニールを二重にする、暖房器具を入れるなどの工夫をすれば保温効果を持たすこともできます。
簡易温室の自作方法②:手作りミニ簡易温室
簡易ビニルハウスより、保温効果が高いのがガラス板やプラ板、ポリカーボネート板などを使った簡易温室です。ミニサイズの物であれば室内でも使えますし、必要に応じて移動させることも可能です。小さい鉢に入った観葉植物などに使えます。
水槽を利用したミニ温室
水槽をそのまま、ミニ温室として利用します。ビニールだけで作られたものより保温効果は上がりますが、夜間は冷えるので中に熱源を入れておきましょう。
衣装ケースや手作りの木枠で作る
透明の衣装ケースを、そのまま利用する方法もあります。衣装ケースは軽くて扱いやすいのが魅力です。また木枠を自分で作り、そこにプラ板をはめる方法もあります。どちらの場合も、夜間は熱源を入れるか温かい部屋に移しましょう。
簡易温室の自作方法③:手作りミニビニルハウス
こちらは庭や畑に地植えしている植物を、風や霜から守るための物です。ですのでこちらも保温効果は期待できませんので、寒さに弱い植物の越冬のために使うのには不向きですので、注意しましょう。
作り方
園芸用のアーチ状の支柱を使って作ります。まず、カバーしたい植物を覆うようにアーチ状の支柱を数本さしていきます。そしてその上に厚めのビニールをかぶせ、杭を打って固定しましょう。これで、地植え植物用の簡易的なミニビニルハウスの完成です。これはプランター栽培の植物にも使えます。
簡易温室の自作方法④:ベランダでも使える小さな温室
ボタニ子
狭いベランダでも使える温室があると嬉しいですよね?例えば、こんな自作温室はいかがですか?
段ボールで自作する
狭いベランダで使用するなら、やはりコンパクトな物が便利です。また、ベランダは時間によって日当たりに変化があるので、簡単に移動させられる軽量な物がいいでしょう。そこで、段ボールで自作したものをおすすめします。上の写真のように壁面と天面の枠を残して切り抜き、透明のフィルムを張るだけで作れます。
100均の材料で自作する
上の写真の物は、100均の材料だけで作られています。木製のフレームと金具、床板用のボードに塗料、リメイクシートです。とても簡単に作れてコンパクトで軽量なのですので、ベランダで使うのに適しています。段ボールで作った方もこちらも、保温効果はないので日が暮れるころには温かい部屋に入れるようにしましょう。
多肉植物の冬越しには簡易温室が最適!
多肉植物の多くは、温かい地域原産ですが何もしなくても冬を越してくれますよ!でも、霜や雪、冷たい雨や風で枯れてしまいますので、手作りの簡易温室で守ってあげましょう!
大型の簡易温室
増やした多肉植物がたくさん入る、大型のものを作りましょう。木枠や棚を設えたら、アクリル板やプラ段ボール、厚めのビニールシートで覆いましょう。多肉用の物には特別に暖房を入れる必要はありませんが、地面に近い棚は冷気が上がってくるのでレンガや発泡スチロールを敷くか、下の棚には置かない工夫をしましょう。
サボテンのための簡易温室【注意点】
サボテンや多肉植物を霜や雪、冷たい雨や風から守るためにと、せっかく設置した簡易温室が、植物にとってのあだになることがあります。その原因は2つあり、1つは室内温度が上昇しすぎること、2つ目は内部が蒸れてしまうことです。これを防ぐためには日中は通気性を確保し、日暮ごろには外気を遮断するなど、こまめに開閉することです。
観葉植物にはキャスター付きの簡易温室!
ボタニ子
寒さに弱い種類の観葉植物には、キャスター付きの物を手作りしてみましょう。日中は日当たりのいい窓辺に移動させて、日が暮れると窓からの冷気を防ぐため部屋の奥や温かい部屋に移動させてくださいね。
作り方
キャスターのついたラックを利用する方法や、木枠で自作した簡易温室にキャスターを取り付ける方法があります。サボテン用の物を使用する時同様にこれを利用する時も、日中は内部の蒸れを防ぐため、通気を確保しておきましょう。
まとめ
霜や雪、雨風から植物を守るだけなら暖房器具を入れなくてもいいようですね。季節外れの物を栽培するなどの理由でもない限り、普通の家庭では簡易のもので十分です。見た目や形にこだわらなければ、身近にある材料でも作れてしまうので、大切な観葉植物やサボテンなどのために、あなたも手作りしてみませんか?
家庭の庭やベランダにも置ける簡単な作りの簡易の温室って、お手軽で魅力的だけど、ちゃんと効果があるのかな?