住宅設備でよく耳にするテラス
家を建てたり賃貸物件を借りたりするときに、間取り図や設備でよく見かけられるのが「テラス」という言葉です。普段何気なく使っているテラスという住宅用語には定義があります。定義を知っておけば、物件選びで困ることも少なくなりますよ。
テラスとは?
テラスとは、日本語で「高台」「大地」「棚状の場所」を指す言葉です。しかし、住宅用語でのテラスは、建物の外部で一段高くなったスペースを指します。カフェなどで取り入れられているため、街中ではよく見かけられるでしょう。一般住宅ではリビングとつなげて造られ、開放感のある家づくりにひと役買っています。
テラスの定義
テラスは、庭の一部にレンガやタイルを敷き詰め、家の中から自由に出入りできるようにした場所です。屋内とは窓や扉を介して繋がっていて、日本では掃き出し窓の外に造られます。簡易的なテーブルやイスを置いてアウトドアリビングのように使用されますが、厳密には庭の一部としてカウントされます。
ウッドデッキはテラス?
木材を使って作られるウッドデッキも、1階の庭の一部分に造られます。そのため、テラスと混同されることが多い設備です。しかし、テラスが庭の一部として扱われるのに対し、ウッドデッキは室内の一部として分類されるため、本来は似て非なるものです。テラスは来客を案内できる公的なもの、ウッドデッキは家族や友人など親しい人が集まるプライベートな空間というように使い分けられます。
テラスの特徴
テラスは、もともと庭の造形美をより際立たせるために発達した文化といわれています。そのため、庭の景観を乱さないようなシンプルなタイルやレンガを使用して造られます。来客時のウエルカムスペースとして使用したり、お茶やお菓子を用意してカフェタイムを満喫したりと、工夫次第でおしゃれに楽しめるでしょう。屋根がついているタイプとついていないタイプがあるのも特徴です。
テラスのメリット・デメリット
メリット
テラスのメリットは、視覚的な広さです。日本の住宅の場合、リビングの掃き出し窓から直接テラスに出られるような設計が多いです。カーテンを開けると地続きでテラスが目に入るため、リビングに抜け感が出ます。テーブルやイスを置いてアウトドアリビングのように使ったり、バーベキューをしたりなど室内と室外の中間のような使い方ができるのも魅力です。
デメリット
テラスはタイルやレンガを敷き詰めて造られることから、夏場は高温になりがちです。素足でテラスに出て火傷をする事故もあるため、気温の変化には注意しましょう。また、雨や風などで汚れやすいのもテラスのデメリットです。テラスにテーブルやイスを置く場合は防水タイプを選ぶとよいでしょう。
ベランダとは?
ベランダとは、日本語で「建物の外の部分」という意味です。日本のマンションやアパートに多く見られる設備で、主に洗濯物を干す用途で使われています。緊急時の脱出口としても機能しているため、集合住宅では物の置き場所や個数に規約があることがほとんどです。
ベランダの定義
ベランダとは、柵や縁に囲まれ、屋根がついた室外スペースです。日本の住宅では2階以上を指すイメージがありますが、厳密にいえば1階でも条件を満たせばベランダと呼ばれています。建物本体から1m以下であれば建築面積に含まれないため、土地が狭い都市部で見られる設備でしょう。マンションなどの賃貸物件では、上階のベランダがそのまま下階の屋根の役割を果たします。
ベランダの特徴
ベランダの大きな特徴は屋根がついていることです。真夏の強い日差しを防げるため、室内の気温を快適に保てますよ。風雨をある程度防げることから、弱い雨くらいなら洗濯物の外干しも可能です。防水加工ではないチェアなども置きやすく、セカンドリビングとしても活躍します。
ベランダのメリット・デメリット
メリット
屋根があることがベランダの最大のメリットです。ある程度の雨が防げるため、急な天気の変化があっても焦らずに洗濯物が取り込めます。また、洗濯機や収納コンテナなどかさばる家電や収納を置くことも可能です。狭い部屋のスペース確保としても重宝するでしょう。
デメリット
ベランダのデメリットは、屋根の陰ができることです。ベランダの向きによっては日光がほとんど入ってこないため、物件を選ぶときはベランダがある方角に注意しましょう。また、マンションやアパートにはベランダの規約が厳しい場合があります。トラブルを避けるためにも、植物を育てる場合やインテリアを置いて楽しみたいときには規約を確認しましょう。
バルコニーとは?
バルコニーは、日本語で「建物の外に張り出した部分」という意味があります。建物から直接外部に突き出したような形と、下の階の屋根スペースを利用した形の2種類があります。海外ではよく見られる設備で、ベランダよりもバルコニーのほうが一般的です。
バルコニーの定義
バルコニーはベランダと同じように柵や縁で囲まれた室外スペースを指します。ベランダとの違いは、基本的に2階以上に設置され、屋根がないことです。バルコニーは日光が屋根や庇(ひさし)で遮られないため、プランター栽培や家庭菜園で植物を育てるにはぴったりです。近年では、下の階の屋根部分を使って面積を広く確保したルーフバルコニーが人気を集めています。
バルコニーの特徴
バルコニーはベランダととてもよく似ていますが、屋根がなく、ベランダよりも幅が広いです。マンションでは庭の代わりに利用され、アウトドアリビングやガーデニングなど楽しめますよ。
バルコニーのメリット・デメリット
メリット
バルコニーのメリットは日当たりのよさです。屋根がなく日光が遮られないため、冬の日照時間が少ない季節でも洗濯物が乾きやすいですよ。植物を育てるにも適した環境ともいえるでしょう。
デメリット
バルコニーのデメリットは、直射日光による劣化と気温の上昇です。日光が当たりやすいため、バルコニーの床材はもちろん、窓辺の家具や床なども日焼けしやくなります。部屋の中も高温になりやすいため、夏場はシェードやカーテンを利用して日光を調節しましょう。
テラスとベランダ・バルコニーの違いのポイント
テラスとベランダ、バルコニーにはそれぞれ条件があるため、条件の違いをポイントで絞ると、よりわかりやすくなりますよ。違いをしっかり覚えておけば、家やマンションを購入するとき、賃貸物件を選ぶときなどに不動産会社との認識の相違がなくなりやすくなります。理想の生活やデザインを誤解なく伝えるためにも、条件の違いを知っておきましょう。
ポイント①階数の違い
テラスとベランダ、バルコニーを見分ける方法のひとつは階層の違いです。テラスは1階のみに造られる設備ですが、バルコニーは2階以上が条件です。ベランダは階数による条件はありません。
階数の違い
- テラスは1階
- ベランダは階数を問わない
- バルコニーは2階以上
ポイント②屋根の有無
テラスには屋根がないものとあるものがあります。ベランダには屋根がついており、バルコニーにはついていません。屋根のあるなしは日当たりのよさや洗濯物の干しやすさにも影響するため、しっかりチェックしておきましょう。
屋根の有無
- テラスには屋根があるものとないものがある
- ベランダには屋根や庇がついている
- バルコニーには屋根がついていない
違いを理解して理想の生活を送ろう!
テラスやバルコニー、ベランダには違いがあり、メリットとデメリットがあります。それぞれの違いを理解していれば、家を探しているときにより理想に近いスタイルを選べますよ。自分の生活スタイルにあった設備を選んで、日常を快適に過ごしましょう。