チワワエンシスの育て方の注意点【⑤~⑧】
注意点⑤夏越し
育て方が簡単なチワワエンシスですが、高温多湿を嫌うため夏越し対策はしっかり行いましょう。室内で管理している場合でも、真夏は日が当たると葉焼けや枯れる原因になります。適度な日光浴は必要ですが、レース越しに当てたり遮光したりしましょう。地植えの場合は半日陰もしくは午前中だけ日が当たる場所に植え替えるか、日よけを立ててください。
ボタ爺
ボタニ子
地植えの場合、特に雨後の晴天時は蒸れて株が弱るよ!水はけのよい土を使って風通しのよい場所に植えてあげてね!
チワワエンシスは夏にも成長すると聞きましたが、本当ですか?
環境によっては夏でも成長します。ただし成長にはある程度の水が必要であり、暑い時期の水やりは高温多湿状態を引き起こすため、腐ったり枯れたりする場合が多いです。株を弱らせないためにも、春と秋にしっかりと成長させて、夏と冬はしっかりと休眠させることをおすすめします。
注意点⑥冬越し
チワワエンシスは寒さに強く環境にもよりますが約-6℃まで耐えられます。鉢植えなら昼間は外に出して日光浴させ、氷点下になる前の夕方頃に室内に取り込みましょう。暖地であれば地植えでも冬越しできますが、寒冷地の場合は鉢植えでの室内管理がおすすめです。地植えで冬越しさせたい場合トンネルや寒冷紗、ビニール温室を利用して直接冷気に当たりにくくしてください。
ボタ爺
冬も日に当てないと日光不足で元気がなくなるんじゃ!春にいきなり日に当てると葉焼けや弱る原因になるから、冬でも日光浴は忘れずにの!
トンネルとビニール温室とは
トンネルとはアーチ状の支柱とビニールを使い植物を覆って栽培することをいいます。地植えしている寒さが苦手な植物の冬越しにおすすめです。ビニール温室とは、プラスチックや金属の骨組みで作った棚をビニールで覆って作った温室のことです。トンネルに比べて密閉度が高く、太陽光で温室内の空気を温め暖かな状態を保てます。屋外での鉢植え植物の冬越しに重宝します。
ボタニ子
ビニール温室は空気の出入りが少なく植物や土から発生する水分で蒸れてしまうんだって!サーキュレーターを回して空気の流れを確保してね!
注意点⑦病気
チワワエンシスの育て方が簡単といわれる理由のひとつに病気になりにくいことが挙げられますが、「根腐れ病」には注意が必要です。根腐れ病を発見した場合、まずは株を鉢植えから取り出して根をほぐしながらていねいに土を落としましょう。変色した根や腐っている根をハサミで切り落とし、清潔な用土に植え替えてください。
ボタニ子
根腐れ病は過湿状態が続くことによるカビ菌の増殖が原因の場合が多いよ!水の与え過ぎや雨ざらしに気をつけて通気性の確保に努めてね!
ボタ爺
カビ菌は根腐れ病以外にもさまざまな病気を引き起こす原因になるから気をつけるんじゃよ!薬剤を使うのも効果的じゃよ!
注意点⑧害虫
害虫はつきにくいですが、強いてあげるならカイガラムシやアブラムシ、ワタムシなどには気をつけましょう。特にカイガラムシは高温期に発生しやすく大量発生すると完全駆除が難しくなり厄介です。日ごろから薬剤を使って防除することをおすすめします。硬い殻に覆われていない幼虫の段階で薬剤散布することで防除率が上がります。成虫を発見した場合は歯ブラシなどで擦って捕殺しましょう。
ボタ爺
特に地植えや外で管理する場合には虫が寄ってきやすくなるから気をつけるんじゃよ!
チワワエンシスの増やし方
チワワエンシスの増やし方はいくつかありますが、おすすめなのは「葉挿し」と「胴切り」です。葉挿しは多肉植物の一般的な増やし方でありとても簡単です。胴切りは多肉植物初心者の方には聞きなれない増やし方かもしれませんが、難易度は高くなくその後の管理もしやすいメリットがあります。
増やし方【葉挿し】
必要なもの
- チワワエンシスの葉
- 底の浅い容器
- バーミキュライトなどの用土
葉挿しは季節を問わずいつでも可能ですが、失敗しにくいのは成長期である春と秋です。容器は植木鉢やプランターなど何でも構いませんが、苗が大きく育つまでは水の管理がしやすい浅めの容器がおすすめです。用土はバーミキュライトのような水はけがよく清潔なものを使いましょう。
①挿し穂作り
チワワエンシスの株から数枚の葉を抜き取ります。病気の葉や枯れている葉は避け、ふっくらと大きいものを選びましょう。真横にスライドさせるように引き抜くと外れやすいです。葉の付け根部分にある成長点が残っていないと発根しないため、途中で千切れないように注意してください。
ボタ爺
水やりから3日後くらいの葉を葉挿しにすると成功率がUPするぞ!養分を含んでいないと体力がなくて発根しないことがあるんじゃ。乾燥させすぎにも注意するんじゃ!
②葉を置いて発根させる
容器にバーミキュライトを入れたらその上に葉を置いていきます。葉の付け根が若干反り返っていますが、葉の付け根は上を向くように設置してください。水やりはせず直射日光の当たらない場所で管理します。葉の状態や環境にもよりますが、根と新芽が出るまで10日~30日ほど待ちましょう。根と新芽がでたら、根が土中に埋まるように植え替えます。
管理のポイント
- 根が折れやすいため、傷つけないように優しく扱う
- 植え付け後はたっぷりと、根が安定するまでは土表面が乾いたら水やりする
- 根が安定した後は、通常通りのやり方で水やりする
ボタニ子
水やりの方法は「底面給水」でもOKだよ!
ボタ爺
2~3ヶ月経って苗がある程度大きく育ったら、植木鉢など好みの容器に植え替えるとよいぞ!
増やし方【胴切り】
胴切りとは、株を根っこ付きの茎部分(下部分)と根がない本体部分(上部分)に切り分けることをいいます。根がついているほうは残った茎部分から新たな葉を出し、本体部分は新たに根を伸ばし成長します。胴切りは葉挿しよりも成長速度が速いだけでなく、子株ができやすい点がメリットです。胴切りは通年できますが、失敗しにくいのは成長期の春と秋です。
必要なもの
- チワワエンシスの株
- タコ糸やテグス
- 植木鉢
- 用土
チワワエンシスは葉がロゼット状に密集しておりハサミやカッターで切り分けるのが難しいため、タコ糸やテグスを使いましょう。胴切りを始める前に切り分けたい場所の葉を数枚取っておくとタコ糸やテグスが入れやすくなり、同時に葉挿しもできます。切り分ける株の大きさによって植木鉢のサイズは調整してください。用土は多肉植物やサボテン用の市販のもので十分です。
①切り分ける
切り分けたい場所の葉と葉の間にタコ糸やテグスをグルっと1周入れ込みます。タコ糸やテグスを交差させたら、ゆっくりと前に引き寄せてカットしていきましょう。水やり後の葉がたっぷりと水を含んでいるタイミングが切り分けやすいです。下の葉が2~3枚残るようにしてカットすると子株が出やすくなります。
②上部分は発根を待って植え替える
切り取った上部分は網やペーパーなどの上に置き、発根するまで風通しのよい半日陰で管理しましょう。約1~2ヶ月ほどで発根します。発根が確認できたら根を傷つけないよう用土を入れた植木鉢に植え付けてください。その後は日当たりと風通しのよい場所で管理します。
管理のポイント
- 発根までは苗を弱らせないために、直射日光には当てない
- 植え付け後根がしっかり張るまでは、土表面が乾いたときに水やりする
- 根が落ち着いたら、通常通りのやり方で水やりする
③下部分はそのまま育てる
下部分はすでに根があり鉢に植えられた状態のままなのでそのまま育てていきます。カット後切り口を30分ほど日光に当てると消毒でき、切り口から雑菌などが入りにくくなります。切り口が完全に乾燥するまでは、風通しのよい半日陰で管理してください。切り口がしっかりと乾燥したタイミングで、日当たりと風通しのよい場所に移しましょう。
注意点
- カット後は株が弱っているので、30分以上は直接日に当てない
- 苗が腐ったり傷んだりしないように、しっかりと切り口を乾燥させる
- 水やりは通常通りのやり方で行う
ピンクのつめがかわいいチワワエンシスを育ててみよう!
チワワエンシスはバラのように華やかな姿が魅力の多肉植物です。水やりや置き場所などに注意は必要ですが、丈夫で病気にもなりにくく育て方は簡単です。エケベリア属にはたくさんの種類がありますが、多肉植物初心者の方には難易度の高くないチワワエンシスをおすすめですよ。増やし方も難しい作業はなく簡単なのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
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葉の色が抜けて黄色くなってたら高温障害の可能性が高いんじゃ!直射日光が当たらないように遮光して、風通しのよい場所に移動させるといいぞ!